プロダクトデザイナーの有名な人・インスタ

有名なプロダクトデザイナーに求められるもの

プロダクトデザイナーは、あらゆる製品のデザイン企画や設計などに携わる仕事です。

デザインの対象は化粧品のボトルから家電製品、家具、自動車、医療福祉機器など様々な分野に渡りますが、多方面で活躍するプロダクターデザイナーも数多くいます。

クライアントからの要望を聞き取り、コンセプトやターゲット層に見合ったデザインを制作していくので、単にデザインが上手というだけでは務まらない仕事です。

1つの製品が流通するまでには繰り返し打ち合わせを行う必要があり、コミュニケーション能力も求められます。

ここでは、日本や世界で活躍するプロダクトデザイナーの紹介と、インスタで発信されている情報を紹介します。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

プロダクトデザイナーの有名な人

プロダクトデザイナーとして業界を発展させたオーソリティーをはじめ、各分野で活躍するプロダクトデザイナーなど、有名な9人を紹介します。

有名なプロダクトデザイナーは、どのような経歴や実績を持つのかみていきましょう。

柳 宗理(やなぎ そうり)

柳宗理さんは、1915年から2011年までの大正・昭和・平成と3つの時代を生きた、有名なプロダクトデザイナーです。

戦中戦後の混乱期を乗り越え、20世紀の日本における「工業デザインの最大功労者」として知られています。

1940年、東京美術学校洋画科を卒業後、太平洋戦争中は陸軍報道斑員として激戦地であったフィリピンに渡りました。

帰国後、物資不足のなか沈没した軍の船から石炭を運び出し、松村硬質陶器シリーズのデザインを手がけます。

1950年、柳宗理デザイン研究所を設立し、数々のコンクール受賞を果たすほか、駅や高速道路料金所、ベンチなど幅広い分野のデザインを生み出しました。

<主な実績>

  • 1952年:第1回新日本工業デザインコンクールにて第1席、2席のダブル入選
  • 1957年:第11回ミラノ・トリエンナーレにて「バタフライスツール」「白磁土瓶」金賞受賞
  • 1970年:札幌冬季オリンピック聖火台、トーチ・ホルダー ほか多数

黒川 雅之(くろかわ まさゆき)

黒川雅之さん(1937年生まれ)は、兄に建築家の黒川紀章さん、妻にコーディネーターの加藤タキさんを持つ、有名なプロダクトデザイナーです。

手がけてきた領域は、ビルや劇場などの建築設計、工業化建築、プロダクトデザイン、インテリアデザインと幅広いのが特徴です。

名古屋工業大学、早稲田大学理工科大学院博士課程を修了し、黒川雅之建築設計事務所を設立。

1979年には、灰皿や時計などの製品「GOMシリーズ」が、ニューヨーク近代美術館の永久コレクションに選ばれました。

近年は中国を中心に、プロダクトデザインやオフィスなどの室内空間のデザインを手がけるほか、デザイナーの創造活動支援なども行っています。

<主な実績>

  • 1968年:第1回メンブレイン・デザイン・コンペ1等
  • パロマアワザビル(大阪府)
  • シチズン腕時計「CHAOS」「デリー」「ラバト」 ほか多数

川崎 和男(かわさき かずお)

川崎和男さん(1949年生まれ)は、有名なプロダクトデザイナー・医学博士で、プロダクトデザインやインダストリアルデザイン(工業デザイン)を手がけています。

デザインの対象は、伝統工芸品、メガネ、コンピューター、ロボット、原子力、宇宙空間などにとどまらず、医学博士としての知見から医学や保健分野までと領域が広いのが特徴です。

ITとデザインの融合にいち早く着目し、Newsweek日本版の「世界が尊敬する日本人100人」に、2度選ばれたことでも有名。

金沢美術工芸大学美術工芸学部卒業後、(株)東芝でデザイナーとして活躍中の1978年、交通事故で車椅子生活を余儀なくされたものの、1979年に川崎和男デザイン室を設立し独立しました。

自らのハンデを原動力に、1999年、名古屋市立大学で医学博士号を取得し、発明的な車椅子をもプロダクトデザインするセンスの持ち主です。

2018年3月まで、大阪大学大学院・医学系研究科にて「コンシリエンスデザイン看医工業寄附講座」特任教授・プロジェクトリーダーを務め、現在は大阪大学と名古屋市立大学の名誉教授を務めています。

<主な実績>

  • 1991年:'90毎日デザイン賞受賞
  • 1997年:富士通 INTERTop
  • 1999年:博士論文/光造形システムによる全置換型人工心臓の基本的形態化デザイン ほか多数

喜多 俊之(きた としゆき)

喜多俊之さん(1942年生まれ)は、日本、イタリア、ドイツなど、世界的に多くのヒット製品を生み出したことで有名なプロダクトデザイナーです。

浪速短期大学(現・大阪芸術短期大学部)・デザイン美術科工業デザイン専攻卒業後、5年後にはIDKデザイン研究所(現・喜多俊之デザイン研究所)を設立しました。

1969年からイタリアと日本を拠点にデザイン活動を開始し、液晶テレビなどの家電、ロボット、日用品など、多分野で優れたデザイン製品を排出。

作品の多くは、ニューヨーク近代美術館など世界の美術館にコレクションされています。

タイ、中国、シンガポールなどアジア圏においても、政府顧問としてデザインの活性化に貢献し、セミナーやワークショップなどの教育活動にも尽力しています。

<主な実績>

  • 1990年:スペイン「デルタ・デ・オロ賞(金賞)」受賞
  • 2001年から2010年:AQUOS 亀山モデル
  • 2017年:イタリア共和国より「功労勲章コンメンダトーレ」を叙勲 ほか多数

山中 俊治(やまなか しゅんじ)

山中俊治さん(1957年生まれ)は、腕時計から鉄道車両、自動車など幅広い分野で活躍する有名なプロダクトデザイナーです。

東京大学工学部産業機械工学科卒業後、日産自動車デザインセンター勤務を経て、1987年にフリーデザイナーとして独立しました。

大学時代には「まんがくらぶ」に入部し、プロの漫画家を目指していた時期もあるそうで、日産自動車の入社時には、そのころに書き溜めていた漫画を見せたという逸話があります。

2014年からは東大生産技術研究所教授として、アスリート用の「美しい義足」や3Dプリンティング技術を駆使した「生き物っぽいロボット」など、先端技術を駆使したプロジェクトを推進中です。

<主な実績>

  • 1991年から1994年:東大工学部助教授
  • 1989年:日産自動車 インフィニティQ45
  • 2006年:グッドデザイン賞金賞 ほか多数

鈴木 啓太(すずき けいた)

鈴木啓太さん(1982年生まれ)は、醤油差しなどの日用品から鉄道車両、空間設計など幅広い分野のデザインを手がける有名なプロダクトデザイナーです。

多摩美術大学プロダクトデザイン専攻卒業後、NECデザイン、イワサキデザインスタジオ勤務を経て、2012年「PRODUCT DESIGN CENTER」を設立しました。

古美術収集家の祖父の影響もあり、幼少からモノづくりに強い関心があったそうです。

日本と英国のボンベイ・サファイア「Art of Martini 2006」グランプリ受賞、スイス連邦のウブロデザイン賞2016ファイナリストなど、国内外で数多くのデザイン賞を受賞しています。

2018年、柳宗理デザイン記念館にて「LINE by鈴木啓太」個展開催、2019年には展覧会「オマージュ・トゥ・フランク・ロイド・ライトR2019」を行うなど、精力的に活躍中です。

<主な実績>

  • iFプロダクトデザイン賞(ドイツ)
  • 菅原工芸硝子 「富士山グラス」
  • 相模鉄道 「12000系」 ほか多数

柴田 文江(しばた ふみえ)

柴田文江さんは、日用雑貨から医療機器、エレクトロニクス商品、カプセルホテルのトータルディレクションなどを手がける有名なプロダクトデザイナーです。

武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業後、東芝デザインセンター勤務を経て、1994年「Design Studio S」を設立しました。

国内外のデザイン賞を数多く受賞し、武蔵野美術大学教授やグッドデザイン審査委員長を務めています。

プロダクト製品は優しい色合いや機能性高いデザインが特徴で、女性デザイナーならではの思考が反映されています。

<主な実績>

  • OMRON けんおんくん
  • 無印良品 体にフィットするソファー
  • 2017年:グッドデザイン賞 2アイテムで金賞受賞 ほか多数

吉岡 徳仁(よしおか とくじん)

吉岡徳仁さん(1967年生まれ)は、東京オリンピック2020の聖火トーチをデザインしたことでも有名なプロダクトデザイナー・アーティストです。

六本木の国立新美術館での特別展示「ガラスの茶室」に代表されるように、光や自然をテーマにした美しい作品が特徴。

幼少期にレオナルド・ダ・ヴィンチの作品に感銘して絵画を学ぶかたわら、科学にも興味があったそうです。

インテリアデザイナーの倉俣史朗さんや服飾デザイナーの三宅一生さんのもとでデザインを学び、2000年に「吉岡徳仁デザイン事務所」を設立しました。

国内外の受賞をはじめ、作品はニューヨーク近代美術館やヴィクトリア・アンド・アルバート博物館などに永久所蔵されています。

また、アメリカNewsweek誌「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれるなど、国際的にも評価が高いプロダクトデザイナーです。

<主な実績>

  • 1997年:JCD Design Award大賞
  • 2015年から2017年:ガラスの茶室 光庵
  • 2019年:2020年東京オリンピックトーチ ほか多数

佐藤 オオキ(さとう おおき)

佐藤オオキさん(1977年・カナダ生まれ)は、インテリアや建築、企業ブランディングなどを手がける有名なプロダクトデザイナーです。

2002年、早稲田大学大学院理工学研究科建築学専攻修了後、同年に「nendo東京オフィス」を、2005年には「nendoミラノオフィス」を設立。

2006年、Newsweek誌「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれ、翌年には同誌の「世界が注目する日本の中小企業100社」にも選ばれました。

『小さな「!」をじわじわっと感じてもらうこと』をコンセプトに生み出された作品は、機能性とシンプルさが同居しているのが特徴です。

作品は、ニューヨーク近代美術館やパリ装飾美術館、ビクトリア国立美術館など、20ヵ所以上もの美術館に収蔵され、世界からも高い評価を受けています。

<主な実績>

  • 2004、2007、2011、2014年:グッドデザイン賞受賞
  • 2008年:Furniture Design Award 最優秀賞(シンガポール)
  • 著書「400のプロジェクトを同時に進める 佐藤オオキのスピード仕事術/幻冬舎 」 ほか多数

プロダクトデザイナーのインスタ

プロダクトデザイン会社を設立した、注目の若手プロダクトデザイナーのインスタを3つ紹介します。

インスタの特性を生かし、美しく機能的な作品の数々が投稿されているほか、自身をサポートする友人や家族などの写真もあります。

どのような分野を手がけているのかや、人となりも伝わってくるインスタばかりなので、ぜひ参考にしてください。

坂下 和長(さかした かずなが)

 

この投稿をInstagramで見る

 

kazunaga sakashita(@kazunagasakashita)がシェアした投稿 -


福岡県で「CRITIBA」の代表を務めるプロダクトデザイナー、坂下和長さんのインスタです。

西南学院大学商学部卒業後、ザ・コンランショップ、北欧アンティークショップ「NEST」を経て、2006年に独立しました。

コーヒー豆のメジャースプーンや本棚、テーブル、椅子などのデザインを手がけ、モノの背景にある状況を念頭においたシンプルで奥行きのあるデザインが特徴です。

グッドデザイン賞やイタリアのA’DESIGN AWARDで金賞、銀賞のダブル受賞を果たす実力派。

インスタには、会場演出を手がけたお寺での「キャンドルナイトライブ」の様子や、デザインしたクッションカバーなどの作品の写真などが投稿されています。

自身の仕事風景や展示会の告知だけでなく、日頃からかかわる仕事仲間の展覧会の告知などもあり、温かい空気が流れるインスタです。

辰野 しずか(たつの しずか)

 

この投稿をInstagramで見る

 

Shizuka Tatsuno(@shizuka_tatsuno)がシェアした投稿 -

「株式会社 Shizuka Tatsuno Studio」の代表を務めるプロダクトデザイナー、辰野しずかさんのインスタです。

日本の技術や文化を世界に向けて誇れるデザインを心がけているそうで、日本の伝統工芸のデザインや展示空間のデザインなどを中心に活躍する注目のデザイナー。

インスタには、初めて薩摩切子と出会ったときの感動をエネルギーに作った新作「薩摩切子グラス」の写真や、有田焼の作品などが投稿されています。

企業とのコラボデザイン製品の写真や展示販売のお知らせも多く投稿されているので、デザイン性だけでなく作品の見せ方も参考になるインスタです。

青木 亮作(あおき りょうさく)

 

この投稿をInstagramで見る

 

Ryosaku Aoki(@aoki_tent)がシェアした投稿 -

オリンパスイメージング株式会社、ソニー株式会社を経て、2011年に独立したプロダクトデザイナー、青木亮作さんのインスタです。

これまでに、PCおよび周辺機器やデジタルカメラ、録音機器、医療機器などのデザインを手がけるほか、企画や商品戦略にも携わっています。

2011年に設立した「TENT」は、オリンパス時代に発注していたデザイナーの治田将之(はるた まさゆき)さんと結成したクリエイティブユニットで、最初の作品は名刺だったそうです。

インスタには、手がける作品の写真をはじめ、初めての著書「なんとかする工作/玄光社」が置かれている中目黒蔦屋書店に出向く様子などが投稿されています。

著書の内容は、子どもから突然入る発注に、その場にあるものでなんとかした!という父の工作記録です。

プライベート的なことが本になったことに関して、ご自身も風通しの良い「TENT」らしいと語っています。

大舞台「Designship2019」でのプレゼンテーションの写真から、お子さんに頼まれて作ったロボットの動画までと、仕事と家族との時間のどちらも大切にしていることが伝わってくるインスタです。

プロダクトデザイナーは、企業に就職せずに会社を設立するケースもあれば、企業デザイナーを経て独立するケースもあります。

対象がなんであろうとも、プロダクトデザインの背景には製品を利用するユーザーがいることを念頭に、みなさんも発想力を磨いてください。