パイロットの航空身体検査
パイロットは安全な運航を行うために、航空身体検査という特殊な身体検査を受ける必要があります。
パイロット採用試験・航空大学校の受験時にも受けますが、それ以降も定期的に受けています。
航空身体検査は、全世界のパイロットに義務付けられており、各国で基準は異なります。
この記事では、パイロットの航空身体検査について解説します。
パイロットに必須の検査
安全な運航のために、パイロットはいつでも健康体であることが求められます。
航空会社の自社養成パイロット採用試験や航空大学校の受験時には、「航空身体検査」といわれる特殊な身体検査を受け、定められた基準を超えなければその時点で不合格になってしまいます。
パイロットになってからも、定期的にこの検査を受ける必要があります。
航空身体検査は、全世界のパイロットに義務付けられているものなのです。
ただし、その基準は国によって異なり、日本では国土交通省が管轄しています。
航空身体検査は、
- 航空会社や使用事業のパイロットを対象とする「第一種」
- 自家用パイロットや訓練生を対象とする「第二種」
があり、第一種のほうが基準が厳しくなっています。
検査に合格すると「航空身体検査証明」が発行されます。
有効期間は2通りあり、
- 定期運送用操縦士の資格をもつエアラインの機長などは6ヵ月
- それ以外の人は1年
となっています。
つまり、航空会社で旅客機を操縦するパイロットになると、半年に一度はこの検査を受け、クリアしなければならないのです。
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検査内容
学校などで行われる健康診断よりも詳細な検査となり、指定機関でのみ受けられます。
とくに「眼」に関わる検査に関しては、
- 遠距離視力
- 中距離視力
- 近距離視力
- 眼圧測定
- 遠近感を測る検査
- 色覚検査
などまで細かく実施されます。
ただし、視力に関しては近年大幅に基準値が緩和され、メガネやコンタクトレンズで矯正できれば、相当近眼の人でもクリアできるようになってきています。
そのほか、
- バランス感覚を図る平衡機能検査
- 心電図
- 脳波
- 血液
など、さまざまな検査項目があります。
検査項目や基準値は発表されているので、パイロットを目指す人は事前に確認し、気になるところがあれば病院で相談することが勧められています。
ひとつでも基準をクリアできないものがあれば、パイロットとして仕事を続けられないため、パイロットになってからも健康維持には気をつけなければなりません。
飲酒や加齢の影響もチェック
「パイロットの乗務前の呼気検査で基準を上回るアルコールが検出された」というニュースをTVや新聞などで目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
パイロットとして働くにあたって、日常的にアルコールの摂取量をコントロールできない人は、このような大きなトラブルを起こしてしまうリスクがあります。
こうした問題を未然に防ぐため、航空身体検査では飲酒などの生活習慣についてもチェックすることがあります。
また、航空身体検査では加齢による影響も細かくチェックしたうえで、業務の継続が可能かどうかを判断されることもあります。
平成27年からは、パイロットの年齢上限が68歳未満に引き上げられました。
シニア層が現場で活躍するためには何よりも健康であるかどうかが重要なのです。
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パイロットの航空身体検査のまとめ
航空会社の自社養成パイロット採用試験や航空大学校の受験時には、「航空身体検査」を受け、定められた基準を超えなければその時点で不合格になってしまいます。
航空身体検査は、航空会社や使用事業のパイロットを対象とする「第一種」、自家用パイロットや訓練生を対象とする「第二種」があり、第一種のほうが基準も厳しくなっています。
「眼」に関しては、遠距離視力・中距離視力・近距離視力・眼圧測定・遠近感を測る検査・色覚検査など細かく実施され、そのほか、バランス感覚・心電図・脳波などの検査項目があります。
航空身体検査では飲酒などの生活習慣や加齢による影響も細かくチェックしたうえで、業務の継続が可能かどうかを判断されることもあります。