パイロットの就職・採用状況
LCCという格安航空会社が増えていること・成田空港・羽田空港の整備・拡張が進んでいることなどにより、国際線の発着数は年々、増え続けています。
しかし、パイロット一人を育てるためには多くの時間とお金がかかるため、新卒採用を大量に行えないという現状と、2030年頃には、現在活躍している40代のパイロットが大量に退職してしまうことが予測されており、深刻な人手不足が心配されています。
そのため、今後は自費でパイロットライセンスを取得した人を積極的に採用するような動きがでています。
この記事では、パイロットの就職・採用状況について解説します。
深刻なパイロット不足
空港拡張の影響
近年の日本では、
- LCCという格安航空会社が増えていること
- 成田空港・羽田空港の整備・拡張が進んでいること
などから、国際線の発着数がどんどん増え続けています。
新興エアラインが増えれば、当然のことながらそれだけ必要なパイロットの数も増えるので、航空会社は新たな人材を雇わなければいけません。
しかし、このような人材の確保は決して簡単でありません。
2019年現在、日本の二大航空会社であるJALとANAは自社養成パイロットの採用活動を行っていますが、パイロットを一人前になるまで育てるのには多くの時間とお金がかかるため、新卒の学生を大量に採用したところで即戦力になるわけではないのが難しいところです。
大量退職に備えて
これに加えて今まで航空業界を支えてきた“団塊の世代”が定年を迎え、たくさんのパイロットが現場を去ってしまっているという現状があります。
平成25年の国土交通省の発表によると、さらに2030年頃には、現在活躍している40代のパイロットが大量に退職してしまうことが予測されているそうです。
これは「パイロットの2030年問題」と呼ばれており、各航空会社が深刻なパイロット不足に頭を悩ませています。
20代で正社員への就職・転職
各社の募集状況
こうしたなかで、即戦力となる優秀なパイロットを一人でも多く確保するため、それぞれの航空会社が対策に乗り出しはじめています。
そのひとつは、私立大学のパイロット養成コースや海外留学などで自費でパイロットライセンスを取得した人を積極的に採用することです。
今までは航空大学校の卒業生や航空会社の自社養成パイロットが半数以上を占めていましたが、これからはその流れが変わっていくと考えられます。
それと同時に経験者を活用する動きも高まっており、すでにライセンスを取得済でプロのパイロットとして働いたことがある人を外部から採用する方法が広まってきています。
LCCではこの先、新卒の学生を採用して自社で育成する方針も打ち出していますが、訓練のために大手航空会社のような設備や人材を投入するためには莫大な費用がかかるため、どのくらいのレベルで実現するかは現時点では不明です。
シニア再雇用の動きも
深刻なパイロット不足を解決させるためのもうひとつの手段として、シニア層のパイロットの雇用を延長したり再雇用したりする動きもあります。
平成27年から、航空身体検査の付加検査に合格することを条件に、パイロットの年齢制限が68歳に引き上げられたのです。
長く第一線で働き続けるために健康な身体と高い技能を保ち続けなければいけないという大変さはあります。
しかしシニアになっても専門性の高い職業で現役として働けることは、この道をめざす若者が将来に希望を持ちやすくなることにもつながるのではないでしょうか。
このように、ここ数年では航空業界全般の動きが激しくなっているため、採用募集状況にも大きな波があると思われます。
パイロットを目指す方は、最新の業界情報を積極的に追うことをお勧めします。
20代で正社員への就職・転職
パイロットの就職・採用状況のまとめ
近年の日本では、LCCという格安航空会社が増えていること、成田空港・羽田空港の整備・拡張が進んでいることなどから、国際線の発着数がどんどん増え続けています。
加えて、今まで航空業界を支えてきた団塊の世代が定年を迎えるとともに、40代のパイロットも退職し、「パイロットの2030年問題」として、各航空会社が深刻なパイロット不足に頭を悩ませています。
こうした中、航空会社が対策に乗り出し、私立大学のパイロット養成コースや海外留学などで、自費でパイロットライセンスを取得した人を積極的に採用しはじめています。
深刻なパイロット不足を解決させるためのもうひとつの手段として、平成27年から年齢制限が68歳に引き上げられたことにともない、シニア層のパイロットの雇用延長や再雇用の動きもあります。
ここ数年では航空業界全般の動きが激しくなっているため、採用募集状況にも大きな波があると思われるため、パイロットを目指す方は、最新の業界情報を積極的に追うことをお勧めします。