公認心理師になるには・試験の受験資格は?

国家資格である公認心理師は、現代社会で頑張る人たちをサポートするために、さまざまな場所で活躍しています。

公認心理師になるためには、どのような方法があるのか知っていますか?

「公認心理師に興味があるけど、資格は必要なの?」「公認心理師になるにはどんな勉強と経験をしなければならないの?」このような疑問が出てくるかもしれません。

この記事では、公認心理師になるための方法やキャリアプランについて解説します。

公認心理師の資格に興味がある方や気になった方は、ぜひ参考にしてみてください。

公認心理師は人の心の問題にアプローチをする仕事

公認心理師になるためには、国家資格である公認心理師国家試験を受験して合格することが必要です。

この資格を取得した人の多くは、「医療」「教育」「産業」「福祉」「司法」などの各領域で就職活動を行います。

ストレスの多い現代社会では、「人」が活動するあらゆる場所で心の問題にアプローチできる公認心理師の需要があり、就職先は臨床心理士と同じく多岐にわたります。

ただし、心理職は以前から常勤の求人が少なく、非常勤としての採用になることも珍しくありません。

「国家資格だから就職には有利になるのではないか」と考える人もいるかもしれませんが、まだまだ不安定な立場で働く人も多いのが実情です。

公認心理師は資格誕生からあまり時間が経っていないこともあり、就職先や雇用条件に関しては、今後の動向を注意深く見守る必要があります。

公認心理師になるまでのルート

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公認心理師の資格を取得する3つの方法を紹介

公認心理師の資格を取るためには、国家試験を受けなければいけません。

この試験の受験資格を得るルートは、大きく分けると以下の3つがあります。

  1. 大学および大学院で、心理学その他の公認心理師となるために必要な科目を修了した者、またはそれに準ずる者。
  2. 大学で心理学その他の公認心理師となるために必要な科目を修めて卒業した者、またはそれに準ずる者で、一定の施設において心理に関する支援の業務に従事した者。
  3. 上記2つに掲げる者と同等以上の知識・技能を有する者。

4年生大学で公認心理師になるための科目を履修する方法

わかりやすく説明すると、(1)では、まず4年制大学で「公認心理師になるための科目」を履修する必要があります。

ここでいう「公認心理師になるための科目」とは臨床心理学に関わる内容が中心となるため、実際には大学の心理系学部・学科の卒業が求められます。

その後、大学院でさらに臨床心理に関する学びを深めていくことになります。

大学院へ通う代わりに実務経験を積む方法

(2)のルートでは、心理系学部・学科を卒業していながら、大学院を出ていない人を対象としています。

こちらは大学院の代わりに「実務経験」が必要で、2年以上、特定の施設で心理カウンセリングなどの実務に携わった経験が求められます。

ここでいう「特定の施設」とは、病院や保健所、児童福祉施設、保育園、学校、裁判所、少年院、健康管理センター・相談室生活支援センターなどです。

「医療」「教育」「産業」「福祉」「司法」の5領域に含まれる多種多様な施設が定められています。

必要な科目の履修や実務経験と同等の専門教育を受ける方法

(3)については、公認心理師の養成カリキュラムがある専門学校で学んだ場合や、海外の大学で心理学を専門に学んだ場合などが想定されています。

公認心理師試験の難易度・合格率

公認心理師になるには特定の学校で学ぶか実務経験を積む

前述のように、公認心理師の国家試験を受けるためには、特定の学校で学ぶか実務経験を積む必要があります。

学校で学ぶ場合、まずは4年制の大学の心理系学部・学科に進学しましょう。

このとき、臨床心理系の大学院がある大学を選んでおくとスムーズです。

大学の研究室で優秀な成績を収めることができれば、教授の推薦で大学院に進学できることがあります。

公認心理師になるための大学院は、基本的には「(臨床)心理学専攻」と名称がついていることが多いです。

ただし、心理学専攻という名称のコースでも、公認心理師のカリキュラムには対応していない大学院もあるため、大学院のホームページなどで最新の情報を事前によく確認してください。

公認心理師になるための学校・学歴(大学学部・大学院)

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公認心理師資格取得に実務経験は必要?

公認心理師の資格を取得する方法として、以下の2つのルートを参考にしてみてください。

実務経験を積まずに公認心理師になるルート

公認心理師になるためには、公認心理師試験の受験資格を得たうえで国家試験を受験し、合格することが必要です。

公認心理師試験の受験資格を得るルートは複数あります。

そのなかには実務経験が条件の一部になっているものもあれば、実務経験は不要というものもあります。

これは学歴やスキルの有無によって決まるものなので、実務経験がない人でも公認心理師になることは可能です。

公認心理師試験の受験資格を得るための詳しいルートは、以下の厚生労働省のページで紹介されています。

厚生労働省 公認心理師試験の受験を検討されている皆さまへ

もしも実務経験がない人が公認心理師試験の受験資格を得ようとする場合には、「区分A」といわれるルートを選択するとよいでしょう。

大学の心理学部・学科で必要な科目を履修し、さらに大学院の心理学専攻などでも必要な科目の履修が必要です。

大学と大学院を合わせて、六年のカリキュラムで受験資格を得られます。

実務経験を積んでから公認心理師になるルート

ここからは、実務経験のある人が公認心理師を目指す場合を考えていきます。

こちらは公認心理師の資格取得方法の「区分B」にあたるルートです。

まずは大学の心理系学部・学科で必要な科目を履修し、さらに2年以上の実務経験を積むことで公認心理師試験を受験できます。

ただし、大学は4年制の大学に限定されており、短大という選択肢はありません。

また、ここで2年以上の実務経験として認められるのは「公認心理師法施行規則第5条で定める施設」で働いた経験に限定されます。

施設は「大学院修了者と同等以上の専門的な知識及び技能を修得させるものとして、文部科学大臣及び厚生労働大臣が認めるもの」と定められています。

どんな施設でもよいわけではないので、注意が必要です。

公認心理師の実務経験を積んだ場合は証明書が必要

心理業務の実務経験があることを証明するためには、証明書を提出しなければいけません。

この「実務経験証明書」は、実務を行った施設の代表者が記入して証明印を押印したうえで発行する必要があります。

証明を受ける時に重要な条件は、常態として週1日以上勤務を行っていることです。

一つの施設での実務経験が常態として「週1日以上」を満たさない場合、その証明書のみでは受験資格と認められません。

受験資格の条件を自分が満たしているかどうか、事前によく確認しておきましょう。

詳しい受験資格や書類の形式などは、一般財団法人である日本心理研修センターのホームページで確認できます。

参考:一般財団法人「日本心理研修センター」

公認心理師に向いている人の特徴は勉強熱心で向上心がある人

公認心理師に向いているのは、人間の心理に興味がある人です。

公認心理師は心の問題を解決に導くのが使命ですから、人の感情や行動に関心を持てることが求められます。

また、苦しんでいるクライエントの手助けをするためには、他者に寄り添うことも大切です。

他人を思いやることができる人でなければ務まらないでしょう。

専門性の高い職業なため、常に新しい知識やスキルを学ぶ姿勢も必要です。

公認心理師は、勉強熱心で向学心がある人が向いています。

公認心理師に向いている人・適性・必要なスキル

公務員や正社員で公認心理師になるためのキャリアプラン

公認心理師のキャリアプランは、資格を取って就職するところから始まります。

このとき、最初から公務員や企業の正社員として採用されるのが理想的ですが、実際にはそれが難しいことがあります。

まだ実務経験がない頃は、非常勤のスクールカウンセラーや企業の保健室での相談業務などを掛け持ちして働く人も多いです。

さまざまな場所で経験を積んでから再び就職活動を行うと、常勤の仕事に就ける可能性が高まるでしょう。

公認心理師資格に年齢制限はある?

公認心理師の国家試験そのものには年齢制限がありません。

そのため、何歳になっても本人にやる気さえあれば、公認心理師を目指すことは可能です。

ただし、この職業を目指すには基本的に大学や大学院で心理学について専門的に学ぶ必要があり、決して楽に就ける職業ではありません。

また、いざ公認心理師の資格を取っても、安定した働き方ができる職場が見つかるとは限りません。

もし異業種からの転職を考える場合には、時間とお金をかけても本気で公認心理師になりたいと思うか、よく考えてから決断することをおすすめします。