公認会計士の求人・就職状況・就職先選びのポイント
公認会計士の就職先にはどんなところがある?
公認会計士のおもな就職先・活躍の場は、以下の通りです。
- 大手監査法人
- 中小監査法人
- 一般企業
- 独立・開業
以下で、それぞれの特徴について詳しく紹介していきます。
大手監査法人で働く公認会計士
通称「4大監査法人」などの大手監査法人で働く公認会計士は、担当する企業の規模に合わせてチームが結成され、そのチーム内で自分に任された仕事をします。
チームは何十人という大所帯で結成されることもあります。
新人で大企業のチームに配属された場合は、先輩のそばで業務を教わりながら仕事に慣れていくことができます。
ただしチェックする項目が多いぶん、最初のうちはシンプルな項目の担当が続くこともあり、ルーティン的な業務に物足りなさを感じる人もいるようです。
なお、監査業務は、企業の決算月と連動して行われます。
日本の企業は3月決算が多い影響があり、3月決算の上場会社を担当すると、5月上旬には決算開示を行わなければいけないので、4月はその会社の監査で忙しくなります。
中小監査法人で働く公認会計士
所属数数人から数百人規模の中小監査法人は、公認会計士個人の力が、より評価されやすいのが特徴です。
監査業務の流れ自体は、どこに所属しても大きな違いはありません。
ただし、担当する企業の規模は大手監査法人に比べると小さくなり、1人で伝票などの確認から決算書類の確認まで幅広い業務を担うこともあります。
そのため、大手に比べると若手のうちから任される仕事が多くなり、担当企業との距離も近くなるため、成長スピードが早いともいわれています。
一般企業で働く公認会計士
監査法人などで公認会計士の経験を積んだ後の転職先として、一般企業を選ぶ公認会計士も多いです。
一般企業の財務部や経理部などに所属すると、会計の内部監査を担当したり、計上方法などのチェックやアドバイスを行ったりすることができます。
また、IPO(株式上場)を目指す企業で働く場合は、上場準備や上場企業に合わせた会計基準を導入していくような仕事を任されることが多いといわれています。
所属する企業によって期待される役割は異なりますが、公認会計士という資格を持ったプロフェッショナルとして採用されているため、責任も大きくなります。
20代で正社員への就職・転職
独立・開業して働く公認会計士
大手の監査法人などで経験を積んだ後に、独立や開業して働く公認会計士も数多く存在します。
独立する場合は、公認会計士の業務から派生した、以下のような業務に従事する人が多いです。
- 会計コンサル(上場会社決算業務支援、内部統制構築・運用支援、IFRS支援等)
- IPO・M&A・資金調達・事業再生等に関わるコンサルティング
- 各種税務業務など
上記のような、多方面からのアプローチで付加価値をつける必要があります。
また、顧客は中小零細企業などになることが多いため、経営者の資産管理会社の運営サポートなど、税理士的な仕事もできると喜ばれます。
公認会計士の求人の状況
かつては、難関資格の公認会計士試験に合格した人のほとんどが、監査法人に就職することができ、その後もコンサルティング業界に転職したり会計事務所を開いたりして、安定した生活を送ることができていました。
しかし、リーマンショック後は、不景気や公認会計士の合格率が上がっていたことで公認会計士の就職難の問題がおこり、この頃の公認会計士の就職率は約56%と非常に低い水準となりました。
しかし、こうした事態を改善しようと、平成24年に金融庁が「公認会計士の試験に合格したにもかかわらず就職ができない人が大勢いるため、今後は試験の合格者そのものを減らす」という見解を示しました。
こうした背景から、近年では景気回復や合格率の減少により、公認会計士は就職がしやすい状況に戻っています。
20代で正社員への就職・転職
公認会計士の就職先の選び方
会計のプロフェッショナルとして働く公認会計士の就職先は、監査法人や一般企業などとさまざまです。
それぞれの特徴や、どこを選ぶのがおすすめかを説明します。
大手監査法人
大手監査法人では、取引先も大手企業となることが多いため、日本を代表する大手企業を相手に仕事をしたいと考える人に向いています。
採用人数も多く、とくに新卒入社の社員には研修やOJT制度がしっかりしているため、若手のうちは手厚い指導を受けられるでしょう。
また、大きな組織ほど福利厚生や有給制度が整っているというメリットもあります。
中小監査法人・会計事務所
中小監査法人・会計事務所の場合、所属する人数が少ないこともあり、若手のうちからたくさんの仕事を任される傾向にあります。
そのため、いち早く公認会計士として成長したい人や、若いうちに独立を目指す人に向いているといえます。
取引先もベンチャー企業や中小企業などが中心となり、監査の仕事だけではなく、経営者の税務周りも相談される機会があるでしょう。
ただし、一人ひとりの仕事の幅が広くなりやすいため、仕事は忙しくなりがちであることはあらかじめ理解しておく必要があります。
公認会計士の志望動機・面接
公認会計士を目指す人は、日本経済に与える影響の大きい企業の監査を担うことになります。
そのため、監査により企業経営の不正を見逃さず、企業や日本経済の健全化に貢献したいと思い公認会計士という仕事をしたいと思う人が多いです。
また、監査だけではなく、クライアントのさまざまな問題を解決するため、会計のプロフェッショナルとしてコンサルティング業務を行い、企業が成長するのを支えたいという理由もあります。
多くの人が目指す大手監査法人の採用試験は、公認会計士試験の合格発表から約2週間で結果が出ます。
そのため、試験を合格したらすぐにエントリーしなくてはいけないため、求人サイトで採用試験のスケジュールをあらかじめ確認しておく必要があります。
各監査法人にどのような特徴があり、なぜその監査法人を志望するのか、あらかじめ自分の意見をまとめておきましょう。
公認会計士の就職先はどのように探したらいい?
公認会計士として監査法人や会計事務所への就職を目指す人は、公認会計士の就職に特化した求人サイトに登録するとよいでしょう。
労働条件や勤務地などを比べながら、自分の働きたい場所を探す人が多いです。
そこで見つけた監査法人や会計事務所に対して、求人サイト経由か直接エントリーシートや履歴書を送って採用試験のエントリーをします。
その後は、監査法人や会計事務所の方針に沿い、面接などを受けて、合格したら内定となります。
大手監査法人の採用試験は短期決戦となっています。
試験の合格発表前から求人サイトで採用試験のスケジュールを確認しておき、合格が確定したらすぐにエントリーできるように準備をしておきましょう。