公認会計士の働き方の種類とその特徴
公認会計士の雇用形態
日本で監査業務を行うことができるのは、公認会計士の国家資格を持つ人間だけです。
監査は公認会計士にとって仕事の基本中の基本ということもあり、ほとんどの公認会計士は、最初のキャリアとして監査法人の正社員を選びます。
監査法人とは、大企業が法律にのっとった経営をしているかどうかをチェックするための「監査」を専門に行う特殊法人です。
監査法人では、資格さえあれば男女関係なくキャリアを積み重ねることができるので、バリバリ仕事をしたい女性にとっては男女格差がなく魅力的な働き方ができます。
一方で、監査が重なる時期はどうしても残業が続くことになり、結婚や出産後は正社員として働くことが難しい場合もあります。
しかし、資格さえあればできる仕事のため、いったん出産や育児などを理由に退職した女性の公認会計士が、派遣やアルバイトとして家庭と両立できる範囲で働く場合もあります。
また、監査法人で監査の経験を積んだり、一般企業でコンサルティングや税務に関する経験を積んだりしてから、独立して事務所を開くというケースも多いです。
20代で正社員への就職・転職
正社員の公認会計士
ほとんどの公認会計士が公認会計士試験の合格後、いったんは監査法人などで正社員として働き、公認会計士としての経験を積むことになります。
公認会計士の給料はもともと他業種に比べて高水準なうえ、正社員ならば基本的に毎年上がっていくので、安定した収入を得られるのがメリットです。
デメリットとしては、正社員ならば監査法人の指示に従った仕事をしなければならず、本人が希望しない転勤や出張・残業などに対しても、出世したいという気持ちがあるなら受け入れないといけないということでしょう。
正社員として監査法人などで働きたい場合は、公認会計士専用の求人サイトなどで求人情報を確認し、求人サイトまたは直接エントリーして採用のステップに進みます。
派遣の公認会計士
上記の通り、ほとんどの公認会計士が正社員として働くため、派遣で公認会計士として働く人は少ないです。
ただし、公認会計士のアシスタント的な業務を派遣に依頼している監査法人も多く、自分が一線に立って働くのではなく、アシスタント的な立場で働きたい場合には派遣という雇用形態もよいでしょう。
アシスタント業務は、書類の作成や雑務など、公認会計士資格がなくてもできる仕事が中心となりますが、公認会計士資格を持っておくほうが時給や労働条件などがよくなる可能性もあります。
20代で正社員への就職・転職
アルバイト・パートの公認会計士
結婚や出産をきっかけにいったん仕事を離れた女性の公認会計士が、アルバイトやパートとして監査法人や会計事務所で働くケースも多いです。
正社員のようにムリな出張や転勤もなく、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができるのが、アルバイトやパートで働く魅力です。
ただし、正社員のような高収入や出世は望めないので、仕事より家庭との両立に重きを置いた人に向いているといえます。
それでも公認会計士という難関資格を持っているということで、一般的な仕事のアルバイトやパートよりも時給は高くなり、短時間で効率的な働き方ができます。
フリーランスの公認会計士
監査業務は監査法人でしか取り扱うことができないため、フリーランスの公認会計士が監査を行うことはまずありません。
公認会計士としてフリーランスで働く場合は、ベンチャー企業などの会計システム構築や監査や経営アドバイスなど、コンサルティング的な業務をおもに行うことになります。
フリーランスとして働くならば、さまざまな業務を一手に引き受けないといけないので、高度な専門知識と一通りのスキルを身につけていることが必要とされるのです。
フリーランスとして働くメリットは、自分のペースで仕事ができることですが、クライアントを自分で作らなくてはいけないので営業力も必要になります。
また、成功すれば収入も高くなりますが、クライアントに契約を断られたら収入が激減する可能性もあり、軌道に乗るまでは不安定な状態が続く可能性があります。
副業の公認会計士
監査法人で監査を行う公認会計士の仕事はとても忙しく、他の仕事を掛け持ちするのは非常に難しいです。
副業として公認会計士の仕事をしたいのであれば、自分のやりたい仕事をメインにして働き、空いた時間でフリーランスとして公認会計士の専門知識を生かしたコンサル的な仕事をする、という形がやりやすいでしょう。
公認会計士の会計の知識は多くの人にとって必要な情報なため、副業として相談に乗るだけでも需要はあり、副業であってもそれなりの収益を得ることが可能です。