公認会計士のつらいこと・大変なこと・苦労
公認会計士のつらいこと・大変なこと
公平性を保つ大変さ
公認会計士の仕事において、常に求められるのは「公平性を保つこと」です。
取引先の企業の監査を行う場合は、あくまでも第三者の立場から冷静に経営状態や決算書をチェックしなければいけません。
万が一、決算書にウソや間違いがあるにもかかわらず「企業も大変だろうし、このぐらい見逃そう」とその場で間違いを指摘せず、後になって発覚した場合、企業の信頼を損ない、公認会計士としての責任問題にもなります。
しかし、このように客観的な視点で厳しく指摘を続けることは、公認会計士にとって想像以上のプレッシャーになります。
企業の人たちが長い時間をかけて作り上げた書類の誤りを指摘しなければいけないのですから、ときには渋い顔をされることもあります。
それでも「企業の人と仲良くなってしまったから…」「これぐらいたいした間違いじゃないから…」という自己判断で指摘を辞める訳にはいかず、公認会計士は、強い信念を持っていなければ務まらない仕事だといえます。
地道で体力勝負な舞台裏
公認会計士というと、難関資格のため「高収入」だというイメージが先行し、華やかな仕事だと思っている人もいるのではないでしょうか。
しかし、実際の仕事内容は、伝票や請求書、決算書類のチェックなど、膨大な量の財務書類を相手にしながら、細かい数字とにらめっこをする地道な作業が必要とされるものです。
決算期のような忙しい時期には、朝から晩までこうした作業が続くうえに、長い時間・集中力を切らせることなく、地道な作業を積み重ねていける忍耐強さが欠かせません。
また、公認会計士の監査業務には出張がつきものです。
ときには地方や海外の企業に出張することもありますし、長期にわたる出張になることもあり、公認会計士の仕事は意外と「体力勝負」の一面もあるのです。
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公認会計士の悩み
公認会計士は、企業が正しい会計をしているのかをチェックする役割を担うため、どうしても「疑いの姿勢」で仕事に取り組むことが多いです。
こうした自分の姿に罪悪感をもってしまう人もなかにはいます。
企業はお金を払って依頼してくれているお客さまなのにも関わらず、粗探しをするように働かなければいけないのは気分が重くなります。
加えて、もし自分が粉飾決算を見抜けなかった場合は経済が混乱する可能性もあり、社会的責任が重く、プレッシャーも大きい仕事です。
また、公認会計士の資格は合格率10%前後と超難関ですが、監査法人はその資格をクリアした高度な専門家の集まりになります。
そのため、一般的にはエリートと見られる公認会計士も、大手の監査法人では競争が厳しく、出世するのが難しいことも悩みの種になりやすいようです。
公認会計士を辞める理由で多いものは?
日本では、企業の50%以上の決算が3月に集中しているとされるため、担当先がいくつもある場合は忙しい時期が重なり、その時期は連日終電間際まで働くことになります。
また、公認会計士が難易度の高い専門職であるがゆえ、人手不足になることが多く、結果として一人ひとりの仕事が増えてしまいます。
監査を担当する公認会計士は激務になりやすく、それに耐えきれなくなり辞めてしまう人も少なくありません。
また、公認会計士として経験を積んだ人材は、一般企業に転職して公認会計士として得た知識を生かして働くほうが、プロフェッショナルとして重宝される傾向にあるようです。
そのため、監査法人で働くよりも一般企業で働いた方が魅力的だと感じるようになり、辞めてしまう人もいます。