公務員の技術職の仕事内容・職種

公務員の技術職とは?

公務員にはいろいろな職種があります。

そのひとつの「技術職」は、理系の知識や技術を生かして活躍する公務員で、「技術系公務員」と呼ばれることもあります。

技術職の公務員は、「土木」「建築」「機械」「電気・電子・情報」「農学」「化学」などの各分野で活躍し、それぞれの区分で試験が実施されます。

国家公務員地方公務員がおり、前者は国の設計を担う技術系ゼネラリストや現場の最前線を担うスペシャリストとして、後者は地域に密着し、住民の暮らしを守り、よりよいものにするために力を発揮します。

技術職の試験では、各区分に関連する問題が出題されるので、大学等で専門的に学んできた人であれば、身につけた知識を存分に生かすことができます。

技術職の配属先にはどんなところがある?

国家公務員

国家公務員の総合職(大卒程度)は、技術系として、工学、数理科学・物理・地球科学、化学・生物・薬学、農業科学・水産、農業農村工学、森林・自然環境の6区分で試験が行われます。

国家公務員の一般職(大卒程度)では、技術系として、電気・電子・情報、機械、建築、土木、化学、物理、農学、農業農村工学、林学の9区分で試験が行われています。

技術系の国家公務員を定期採用する官庁は限られており、理工系では国土交通省、特許庁、経済産業省など、農業系では農林水産省などで採用されることが多くなっています。

たいていは採用時の職種と関連のある部署に配属され、理系の専門的な知識を生かしながら、国家単位のプロジェクトの企画立案や各種業務に携わっていきます。

地方公務員

地方公務員の場合、自治体によって技術職の募集状況は異なりますが、土木、建築、機械、電気の4区分は、比較的多くの自治体で定期的に募集されています。

年に複数回採用試験を実施している自治体もあります。

配属先は自治体の事情によって代わってきますが、職種に関連する各部署で勤務するのが一般的です。

土木であれば土木部、建築であれば建築都市部、化学は衛生部、農業は農政部といったように、専門分野に関連する業務を中心に手掛ける部署で、地域に寄り添った仕事をしていきます。

技術職のおもな職種一覧・仕事内容

土木職

国の機関としては、国土交通省、農林水産省、環境省などに勤務します。

国土交通省では、河川や道路、港湾、空港、公園などの整備・管理を行います。

農林水産省では港湾海岸事業などに、環境省では大気汚染防止法等の法律の企画・立案、工場・事業所の排ガス規制などの業務に従事します。

地方自治体では、土木部などに勤務して、公共工事に関する書類作成や業者との連絡・調整業務、道路や公園などの維持や管理、再開発などまちづくり関連の業務に携わります。

建築職

国の機関としては国土交通省、環境省、経済産業省などに勤務します。

国土交通省では、閣が進める都市再生事業などに関わるほか、地方整備局など地方の出先機関とも連携します。

環境省では、大気汚染に関わる環境基準や、リサイクル関連の基準策定などに携わります。

経済産業省では、地球環境問題や資源エネルギーなどに関連する各種プロジェクトに携わります。

地方自治体では、建築都市部などに勤務して、都市計画や道路、公営施設などの建築計画、設計、施工に関連する一連の業務を担当します。

機械職

国の機関としては、国土交通省や特許庁などに勤務します。

国土交通省では、車や原動機付自転車などの型式認定検査、船舶の安全基準や海洋汚染防止に関わる条約作りなどを担当します。

特許庁では、案件に対して特許権を付与するかどうかの決定を行う審査業務などに携わります。

地方自治体では、機械設備の計画・施工・工事管理、維持管理などの業務に携わります。

化学職

国の機関としては、環境省、厚生労働省などに勤務します。

環境省では、環境保護事業の法制化や、環境中のさまざまな化学物質の濃度の調査などに携わります。

厚生労働省では、労働者の安全や健康を守るための政策の企画立案や遂行に携わります。

地方自治体では、社会の重要なインフラである上下水道に関わる業務や、ごみ焼却施設の管理、大気など環境問題に関わる業務などに携わります。

農学職

国の機関としては、農林水産省や地方農政局などに勤務します。

農林水産業に関する技術開発の推進に関わる業務や、食の安全・食育の推進、農業経営のサポートなどに関連する業務に携わります。

地方自治体では、農業改良のための普及指導員や試験場の研究員として、地域の農業振興や推進活動などに携わります。