家庭裁判所調査官の転勤事情 異動は多い?
家庭裁判所調査官の勤務地
勤務地は全国の家庭裁判所
家庭裁判所調査官の勤務地は、全国に50か所ある家庭裁判所や203か所の支部、そして77か所の家庭裁判所出張所のいずれかです。
ほかの国家公務員の場合、採用試験の際に希望する官庁訪問に行き、そこで内定を獲得することで希望する勤務地に勤められる可能性があります。
しかし裁判所では、官庁訪問は必要ありません。
裁判所職員採用総合職試験に合格して家庭裁判所調査官補として採用された場合、全国にある家庭裁判所から採用庁が決まります。
この場合、裁判所の欠員状況や合格者の勤務希望地、成績などを考慮した上で決定されるのが一般的です。
採用後は大規模庁で2年間の研修
家庭裁判所調査官補として内定を得たら、まずは大規模庁といわれる東京、大阪、名古屋、広島、札幌、仙台、福岡といった大都市にある家庭裁判所に採用されます。
または横浜、さいたま、千葉、京都、神戸の各家庭裁判所本庁ならびに東京家庭裁判所立川支部、大阪家庭裁判所堺支部で採用される場合もあるでしょう。
ただし家庭裁判所調査官として、配属地ですぐに働けるわけではありません。
まずは研修機関である「裁判所職員総合研究所」に全員が入所し、仕事で必要な行動科学の理論や法律などの専門知識を身につけます。
合同研修で3ヶ月間学んだら、それぞれの配属庁で1年ほど実務修習をし、再び裁判所職員総合研修所で半年間の合同研修を受けるのです。
合計2年間の養成課程を修了すると、晴れて家庭裁判所調査官に任官されます。
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家庭裁判所調査官に異動や転勤はある?
転勤は定期的に行われる
家庭裁判所調査官に任官された後は、小規模庁に3年、中規模庁に3年と異動が行われ、人材育成の観点から3年ごとに転勤して行くことが一般的です。
採用より9年目以降に、希望庁やその周辺庁に配属されることが多くなりますが、各裁判所の欠員状況や自身の勤務成績も考慮されるため、希望通りの勤務地になるとは限りません。
海外での在外研究制度
家庭裁判所調査官は、日本国内だけでなく海外への研修制度も用意されています。
諸外国の裁判制度との比較を行い、日本の裁判制度の改善や企画を行う狙いです。
在外研究員はアメリカ、オーストラリア、フランス、ドイツに1年ほど長期滞在し、審判実務や司法運営の実情などについて研究を行います。
キャリアアップに異動・転勤は避けられない
家庭裁判所調査官の異動は、家庭裁判所内だけではありません。
高等裁判所や裁判部と事務局の相互間といった部門を超えた異動もありますし、昇進の状況によっては全国単位での異動や転勤が行われます。
家庭の事情など一定の配慮がなされるものの、キャリアアップを行う上で転勤は避けられないケースもあるでしょう。