歌手の年収・収入はいくら? 給料や印税の仕組みを解説
収入はおのおのの人気や活動内容によっても大きな差が出て、年収がゼロに近い人もいれば、何千万円以上も稼ぐ人もいます。
歌手の平均年収・給料の統計データ
歌手人は、音楽事務所に所属している人、事務所に所属せずに完全なフリー(個人事業主)として活動する人、またイベント会場などでアルバイトとして不定期で歌う人など、さまざまです。
最近では、リアルな場での歌唱に限らず、動画サイトやSNSを通じてオンラインで音楽配信を行うスタイルの歌手も誕生しています。
活動の方法がさまざまであることから、一概に「〇〇円くらい」とはいえません。
また、歌手は人気によっても収入にかなり大きな差が出ます。
歌手の平均年収・月収・ボーナス
歌手の年収の平均値を出すことは非常に難しいため、公的な統計データがありません。
実際、音楽活動での収入が年間100万円未満の歌手もたくさんいますし、大きなヒットを生み出すことで年収が何千万円、何億円にまで達する歌手もいます。
ひとつ言えることとしては、歌手は完全なる実力主義の世界だということです。
収入源はライブの集客数やCD・DVDの売り上げによって決まりますが、ヒット曲ができればカラオケなどの印税収入も入ります。
ビジュアルで売り出している歌手の場合、写真集やグッズで収益を上げることも可能でしょう。
歌手の手取りの平均月収・年収・ボーナスは
歌手の手取りの月収は、少ない人だと数万円程度です。
地元のイベントやお祭りで歌ったり、結婚式や飲食店で歌ったり、ライブを開いたりして毎月の収入を稼ぎますが、知名度がない歌手の場合は一回当たりの単価が高くないので、回数をこなさなければ収入は高くなりません。
安定したオファーがくるようになると、毎月数十万円は稼げるようになります。
日本全国、あるいは世界的に活躍している歌手であれば、毎月の手取りが数百万円に達することも珍しくありません。
ライブやCDの売り上げ以外にも、CMの出演料などがあるため、高額な収入を得ることができます。
歌手の初任給はどれくらい?
事務所に所属している新人歌手は、通常であれば音楽事務所が用意したマンションや寮に住居を移して生活をします。
しかし、その時点では歌が売れているわけではありませんから、歌手活動の結果としての収入はありません。
新人時代は事務所から月10万円から20万円ほどの給料をもらって生活する人も多いといわれています。
一方、ヒットし始めると完全出来高制で「ギャラの○%を支払う」といった契約を結ぶ場合もあります。
人気が高まると収入を一気にアップさせることができますが、最初は苦しい生活からのスタートとなる人が多いのが現状です。
あまり売れないうちは、別の仕事をしながら何とか生計を立てていく人もいます。
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歌手の給料・年収の特徴
ここからは、歌手の年収の特徴をさらに詳しく紹介します。
特徴1.収入は常に不安定
歌手の収入の大きな特徴として、とにかく不安定ということが挙げられます。
「一発屋」という言葉の通り、ある作品が大ヒットしても、その後は鳴かず飛ばずでいつの間にか姿が見えなくなるといったことが決して珍しくありません。
活動状況は収入にもおおいに影響します。
売れた年の売上が数千万円あったとしても、次の年の売上は数百万円、あるいは数十万円にまで落ち込むこともあります。
歌手は人気商売という面が大きいため、浮き沈みの激しい仕事なのです。
特徴2.楽曲を出せば印税収入が入ってくる
プロダクションから入る給料だけでなく、歌手は楽曲の売り上げによる「印税収入」を得ています。
この印税収入には、「作詞印税」「作曲印税」「歌唱印税(アーティスト印税)」などがあります。
それぞれの割合は、CD価格からパッケージ代を除いた金額の1%~3%程度ですが、新人歌手の場合は1%が相場です。
印税をもらうのがソロ歌手で、作詞作曲を手がけない場合は1%のみの印税が入りますが、もし作詞作曲を手がける場合は、作詞印税や作曲印税が加えられ、おおよそ1.5%ずつ入ります。
特徴3.収入の仕組みは個人とグループでも異なる
歌手の収入のシステムは、個人で活動しているか、グループ歌手で活動しているかでも異なります。
グループで活動している場合は、歌唱印税の1%をグループの人数で分けなければなりません。
なお、これらの印税はカラオケや着メロとして曲が使われても加算されます。
大ヒットを連発し、時間が経ってもカラオケで歌い継がれるような歌手になると、より安定した収入を得られるようになるでしょう。
歌手の福利厚生の特徴
歌手の福利厚生は、事務所に所属しているかどうか、あるいはどんな事務所に所属しているかで異なります。
大手の事務所の場合、自社のアーティストや社員を住まわせるための社宅や寮を用意していることがありますし、マネージャーによるサポート体制が整っているので最低限の休暇も確保できます。
しかし、小規模な事務所や個人事務所の場合は、経営的にも不安定なところが多く、マネージャーやスタッフも数が少ないのが現状です。
福利厚生の面ではあまり期待しないほうがよいでしょう。
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歌手の勤務先別の給料・年収
歌手は、大きく分けると事務所に所属している人と、個人事業主としてフリーで活動する人に分けられます。
それぞれの給料・年収の特徴を紹介します。
事務所に所属する歌手
事務所に所属しながら活動する歌手は、「レコード会社」と「音楽プロダクション(事務所)」の両方と契約を結ぶことになります。
それぞれと交わした契約によって、双方から収入が入ってきます。
プロダクションをひとことで表せば、歌手のマネージメントをしてくれる存在です。
プロダクションとマネージメント契約を結ぶと、歌手には「契約金」として、最初に数十万円~数百万円のお金が入ります。
その後の収入は、活動の実績によって変わってきます。
個人事業主の歌手の場合
事務所には所属せずに、個人事業主として活動する歌手もいます。
CDを発売したりライブを開いたりするのではなく、バーやレストランなどの飲食店で歌う活動をメインにしている歌手や、ボーカル教室を開いている歌手の場合、個人事業主として自分のペースで働くことが多いようです。
収入は固定制ではありませんし、給料という形で支払われるわけではありません。
飲食店での一回の出演で三万円もらえるとしたら、ここから交通費や楽譜代などの経費を差し引いた金額が手元に残ります。
歌手の正社員以外の給料・年収
歌手は、基本的には企業の会社員のように正社員として働くことは、まずありません。
個人で
フリーランス
事務所に所属せず、完全に個人で、フリーランスの歌手として活動する人も少なくありません。
そのような歌手は、自分のライブ活動による収益のほか、ボーカル教室をしたり、他のミュージシャンに楽曲の提供をしたりしながら収入を得ていることが多いです。
事務所からの契約金や固定給が支払われるわけでないため、生活は不安定になりがちです。
音楽活動だけで食べていけない場合には、まったく別の仕事やアルバイトをして生計を立てることもあります。
アルバイト
レストランやバー、あるいはイベント会場などで、アルバイトの歌手の仕事をする人もいます。
アルバイトで歌を歌う場合、1回の出演につき数万円程度の出演料を受け取ることが多いです。
ただし、これはあくまでもメインボーカルとして参加した場合のこと。
複数の人が参加するバックコーラスの場合、金額は1回につき数千円程度ということもあります。
いずれにせよ、歌手は人気や実力などで収入が大きく変わってきます。
なお、主婦や学生をしながらアルバイトでの歌手活動を続けている人もいます。
そうした人たちは、収入を主目的とするよりも「歌うことを仕事にしたい」という夢を叶えるために、活動を続けることもあります。
歌手が収入を上げるためには?
歌手が収入を上げるためには、収入源を増やすことが大切です。
具体的にいうと、テレビや雑誌、イベントへの出演料、ライブやコンサートの売り上げ、ファンクラブの売り上げ、グッズの販売益などがあります。
事務所に所属する場合、これらのお金の流れについては事務所がプロデュースしており、それも含めて歌手の給料に反映されていきます。
人気がある歌手ほど、大規模なコンサートに数多く出演したり、ファンクラブの会員数やグッズ販売の収益も大きなものとなります。
また、個人で活動する場合には、自分が売り上げた金額から経費を差し引いた額が、最終的に手元に入ってきます。
人気歌手になれば、一般の人が稼げないような高額なお金を得ることも夢ではありませんが、売れるためには地道に活動を続けることが必要です。
実力や才能があっても、多くの人に認知されない限り、なかなか収入アップにはつなげにくいのが歌手の厳しさといえます。
「歌手の年収・給料」まとめ
歌手の収入は、ゼロ円に近い状態の人から、年収数千万円以上の人まで、人によってかなり差があります。
基本的には人気が出れば出るほど、楽曲そのものの売上が上がるのはもちろん、グッズやライブ・コンサートの売上、イベント出演料といった、さまざまな収入が膨らんで、大きな収入を手にすることができます。
歌手が生きる世界は個々の人気や才能、実力が問われる厳しい世界であり、世の中に認めてもらうためには、地道に自分の魅力や個性を磨いていくなどの努力も必要です。