Vtuberの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「Vtuber」とは

Vtuberの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

アバターを駆使しながら動画を配信し、視聴者を楽しませる

Vtuber(ブイチューバ―)という言葉を聞いたとき、どんな仕事をイメージするでしょうか。

人気Vtuberの名前や映像がすぐに思い浮かぶ人もいるかもしれません。

その一方で、全く仕事内容がわからないという人もいるかもしれません。

特に親世代、祖父母世代ともなると、「そんな単語は聞いたこともない」という人も珍しくないようです。

Vtuberに関する認識には、個人差が大きいのが現状でしょう。

それもそのはず、Vtuberというのは2017年頃から広まり始めた新しい言葉です。

もともと、Youtubeを使って動画の投稿や生放送を行う配信者をYoutuber(ユーチューバー)と呼んでいました。

これに対して、2Dや3DCGなどのキャラクターを使って配信を行う人のことをバーチャルYoutuber、略してVtuber(ブイチューバ―)と呼ぶようになったのが始まりです。

アニメのように架空の人格を持つキャラクターを演じるというよりは、配信者のアバター(分身)としてキャラクターを使うのが特徴です。

配信する内容は、Vtuberによってさまざまです。

ゲームの実況やダンス、歌の動画、トークなどが人気のコンテンツになっています。

「Vtuber」の仕事紹介

Vtuberの仕事内容

映像の企画、編集をして配信する

Vtuberの仕事は、インターネット上で配信する動画のコンテンツを企画するところから始まります。

近年では動画のジャンルが多種多様になっており、個性的な内容のものが増えています。

たとえば、人気のゲームをプレイしながら実況や解説をする動画。

「歌ってみた」「踊ってみた」のようなダンスや歌の動画。

また、生配信をしながらゲストとトークを繰り広げ、視聴者からの質問やリアクションに応えるものもあります。

コンテンツが生配信の場合、思い付きで実況やトークをしているように見えるかもしれませんが、実際はそんなことはありません。

ダラダラと配信をしていても盛り上がりにかけるため、事前に台本を作ったり、ゲストの手配をしたりする必要があります。

配信の日時を決めて告知をすることも大切です。

Youtubeのような動画コンテンツは、視聴者の大半が10代、20代の若者です。

学校に行っている時間帯や仕事をしている時間帯を避けると、多くの人に見てもらいやすいのです。

平日の夜、あるいは週末などの日時がよいでしょう。

また、ゲーム実況の場合は、新作ゲームが発売されたあとやゲームの中でイベントがある日を選ぶことが多いようです。

多くのVtuberがSNSのアカウントを開設しており、そこで配信情報をPRしています。

日頃からファンと交流をしておくと、配信中も多くのリアクションが集まりやすくなるので、日々の努力が大切です。

このような一連の作業を基本的には全て自分で行うのがVtuberです。

Vtuberになるには

コンテンツを作り続けて知名度を上げる

Vtuberになるにあたっては、確実な方法というのはありません。

資格や学歴が必要な職業であれば、「国家試験を受ける」とか「大学の医学部に進学する」という明確なルートがあります。

しかし、YoutuberやVtuberは、個人の個性や企画力、センスやコミュニケーション能力が全ての職業です。

個性を出せた人が勝ち、ファンがたくさんついている人が勝ち、面白いコンテンツを作れた人が勝ち。

そんな実力主義の厳しい世界なのです。

さらに、何か注目されるきっかけがなければ、他のVtuberに埋もれてしまうことが多いという難しさがあります。

一本でもヒットするコンテンツが作れるかどうかが運命の分かれ道です。

この道で生計を立てていくためには、とにかくコツコツとコンテンツを作り続けること。

そして世間から注目されるための工夫を凝らしてチャンスを待つことも大切です。

Vtuberになるために学歴や資格は必要ありませんが、他人と違うことをするためには、学歴や資格が役立つこともあります

理系の分野に強い、音楽の歴史や楽典に詳しい、語学堪能、など、自分のアピールポイントにできるからです。

また、映像に関する知識やスキルを身につけるために映像や放送の専門学校に進学する人もいます

歌手志望、ダンサー志望、アイドル志望、声優志望、タレント志望。

そんなさまざまな夢を持つ人たちがVtuberに転身することもあります。

Vtuberになるための道は人によってさまざまなので、自分だけの道筋を探すことが大切です。

Vtuberの給料・年収

人気が全ての厳しい世界

Vtuberの給料は一体どのくらいなのでしょうか。

近年では子ども達のなりたい職業の上位に「Youtuber」がランクインするようになり、憧れの仕事となってきています。

人気Youtuberが都心のタワーマンションの上層階で暮らしたり高級車に乗ったりしている動画を見て、「稼げる仕事」というイメージを持つ人もいるのでしょう。

Vtuberに関しても、人気のあるVtuberは年収数千万円以上は稼いでいるのではないかといわれています。

ただし、こうした実態に関しては統計がありません。

Vtuber自体が2017年頃から広まり始めた新しい職業なだけに、その収入の実態はまだまだ知られていないのが現状です。

そもそもVtuberとして活動している人のなかには、本業としてやっている人もいれば、副業としてやっている人もいます。

生計を立てるために頻繁に配信をする人もいれば、趣味の延長としてたまに配信をする程度の人もいます。

また、一本の配信にどれくらいの経費をかけるかも個人によって異なります。

カメラやマイク、パソコンやモニターなどの機材、スタッフやゲストを呼ぶ人件費、ダンスや歌などの制作費。

この辺りの費用は個人によって大きな差があります。

こうした事情から、Vtuberの収入の平均値を出すことが難しいのが現状です。

稼いでいる人は年収1000万円以上、稼いでいない人はほぼ無収入か赤字、と考えておくとよいでしょう。

Vtuberの現状と将来性・今後の見通し

将来性は未知数

Vtuberは、2017年頃から広まり始めたばかりの新しい職業です。

その人数が年々増えており、続々と新たなVtuberが誕生しています。

大手企業が自社のPRを担うVtuberを企画することもあり、今まさに勢いのあるジャンルといえるでしょう。

しかし、こういった勢いがいつまで続くかに関しては未知数です。

Youtuberと同じように、Vtuberも今はよくても将来性はわからないのが現状です。

そして、たとえ一度人気のVtuberになれたとしても、その人気がいつまで続くかはわかりません。

人気商売なので、芸能人のような不安定さがあります。

安定性を求めるというよりも、流行を創り出したり新しい分野を開拓していったりするチャレンジ精神が大切です。

Vtuberの1日

自分のペースでコンテンツを企画、配信

Vtuberは、個人事業主として働いている人が多いのが特徴です。

この仕事だけで生活をしている人気Youtuberの場合、自分のペースでコンテンツ作りに取り組むことになります。

ここでは、あるVtuberの一日のスケジュールをご紹介しましょう。

10:30 起床
夜遅くまで作業をすることが多いので、朝のスタートは遅めです。
11:00 軽食
ブランチを食べながらSNSの投稿やメールの返信をします。
12:00 動画のチェック
仲間のYoutuberやVtuberが配信したコンテンツをチェックします。
13:00 コンテンツの準備
今夜のゲーム実況の配信に向けて準備をします。
15:00 ゲストと打ち合わせ
ゲストとして呼ぶプロゲーマーの友人とオンラインで打ち合わせをします。
16:00 台本の作成
配信日時、ゲストの段取り、ゲームの紹介コメントなどの情報を簡単な台本にまとめます。
17:00 SNSで告知
学校や仕事が終わる時間帯になったら、SNSで積極的に配信の日時を告知します。
18:00 軽食
配信は夜からになることが多いので、先に簡単な食事を取っておきます。
20:00 配信スタート
アバターを使いながら、ゲーム実況の動画の配信をします。
22:00 配信終了
無事に配信が終わったらSNSでお礼の投稿をし、仕事を終えます。

Vtuberのやりがい、楽しさ

好きなことを仕事にする喜び

Vtuberとして活躍している人の多くが、自分の好きなことや得意なことをコンテンツとして配信しています。

ゲームが得意な人は、ゲームの実況をしながら仲間と一緒に盛り上がる。

歌やダンスが得意な人は、アバターを使ってエンターテイメントを創り出す。

トークが得意な人は、ファンとのコミュティのなかで楽しむ。

こうして自分の好きなことをコンテンツにすることで、知名度が上がったり収入が得られたりすることは、とても楽しいことです。

また、ファンから大きな反響があり「面白い」「また見たい」「次の配信も楽しみにしてます」などの声が届くと、自分の仕事にやりがいを感じられるようになります。

Vtuberのなかには、仕事が趣味の延長線上にある、と感じている人も多いようです。

Vtuberのつらいこと、大変なこと

不安定な生活や不安との戦い

不安定な生活や不安との戦い

Vtuberに向いている人・適性

個性的で企画力があり、コミュニケーション能力が高い人

Vtuberとして活躍していくためには、他の人にはない個性が必要不可欠です。

アバターを使うことができるため、アイドルやタレントのように容姿端麗である必要はありません。

声やトーク、ダンスや歌、実況のスキルなど、自分にしかない武器を探しましょう。

面白いコンテンツを企画する能力も求められます。

人気音楽やアニメやゲーム、世間の話題などの流行を踏まえて自分の頭で考えながら企画することが大切です。

常に世の中をチェックして、さまざまなジャンルにアンテナを張り巡らせることができる人は向いているでしょう。

また、配信を通して視聴者と交流をする機会も多いのがVtuberです。

コミュニケーション能力が高い人のほうが適任です。

Vtuber志望動機・目指すきっかけ

見る人を楽しませるコンテンツを

Vtuberを目指す人の多くは、「もともと大好きなYoutuberやVtuberがいた」という人が多いようです。

彼らの配信を心待ちにしながら日常生活を頑張ったり、配信を見て笑ったり興奮したり感動したりする。

そのうちに、「自分もVtuberになりたい」と考えるようになるのです。

この他には、アイドルやタレント、声優や歌手を目指している人などがVtuberを目指すこともあります。

もちろん、顔出しで出演するYoutuberからアバターを使うVtuberに転身するというケースもあります。

いずれの場合も、根底にあるのは「見る人を楽しませたい」という思いです。

サービス精神があり、自己表現や情報発信に興味がある人が、この仕事を目指す傾向があります。

Vtuberの雇用形態・働き方

働き方はさまざま

近年ではVtuber専門の事務所が続々と誕生しており、こうした事務所に所属しながら活動する人が増えています。

「にじさんじ」や「ホロライブプロダクション」などの有名事務所の名前を聞いたことがある人もいるかもしれません。

ただし、事務所に所属しているからといって、サラリーマンのように正規雇用で雇われているわけではありません。

個人事業主として活動しながら事務所に所属している人が多いのが現状です。

また、普段は会社員をしながら副業としてVtuberをしている人もいます。

平日の夜や週末の時間を利用して、配信を行うのです。

こうした人たちの場合は、経費や広告収入を自分で計算して確定申告しながら働くことになります。

Vtuberの転職状況・未経験採用

転職には覚悟が必要

Vtuberになるために学歴や資格は必要ないので、どんな業界からでも転職は可能です。

タレントやアイドル、声優や歌手などの職種から転身する人もいます。

一般的なサラリーマンやOLから転身する人もいます。

コツコツ配信を続けて人気が出れば、事務所に所属することもできるでしょう。

ただし、社会人からVtuberへの転職を目指す際には、ある程度の覚悟が必要です。

まず、この仕事は人気と実力が全てであり、安定しているとは言いがたい一面があります。

人気のVtuberになれれば年収1000万円以上の高収入も可能ですが、芽が出なければ広告収入が一切入らないこともあります。

転職するのであれば、人気が出るまでの間に不自由なく生活ができるよう貯蓄しておくことを心がけましょう。

Vtuberになるのに必要な機材・ソフト

予算に応じてVR機器やソフトの準備を

Vtuberになりたいと思ったとき、まず考えるのはどんな機材を揃えればよいのかということでしょう。

Youtuberの場合は、Webカメラとパソコン、そして通信環境さえ揃っていれば動画の配信が可能です。

もっと簡単にするのであれば、極端にいえばスマートフォンが一台あれば自分で配信することもできるでしょう。

Youtubeは基本的に本人が出演しているので、機材はシンプルなのです。

しかし、Vtuberの場合は自分の身代わりともいえるアバターを使って映像を配信することになります。

そのため、まずはアバターを自由自在に動かすための機材を揃えなければいけません

やり方はさまざまですが、代表的なのはwebカメラを使って自分の顔の動きをトラッキングし、
バーチャルアバターツール「FaceRig」でアバターに反映させる方法です。

このソフトを使うと、表情や顔の向きだけではなく、まばたきや唇の動きなどの細かい動作も3反映することができます。

2000円以内で購入できるソフトなので、費用としてもそれほど高くはありません。

これに対して、予算に余裕があるのであれば、VRヘッドマウントディスプレイを使うという方法もあります。

VRという最新の技術を使うため、アバターの動きもよりリアルになるといわれています。

これ以外にも、スマホのアプリでアバターを作って動かす方法などもありますが、ソフトやVR機器を使う方法と比べると多少リアリティが劣ると感じるかもしれません。

自分の予算や機材を使いこなす技術力などを考えたうえで、最適な機材を選びましょう。