「スタントマン」とは
映画やテレビ番組などで、妙技や離れ業などの多彩なアクションを披露する人のこと。
スタントマンは、映画やテレビ番組、舞台イベントで、多様なアクション、自動車からの飛び降りなど、妙技や離れ業つまりスタントを行う仕事です。
なるために特別な資格は必要ありませんが、危険な技を行うこともあるため、スタントマン養成所や育成スクールでアクションの演技やスタント技術を身につけるとよいでしょう。
多くのスタントマンはスタント事務所のオーディションを受け、事務所に所属して働きます。
年収は経験や実績によっても大きく異なり、難しいスタントほど1シーンあたりの報酬は高く設定されています。
スタントは国内だけでなく海外でも必要とされており、とくにアメリカでは西部劇の乗馬アクションに始まり、最近ではVFX技術を駆使したワイヤーアクションが盛んです。
そのため、アメリカで活躍することを目指して技術を磨いている人も多くいます。
「スタントマン」の仕事紹介
スタントマンの仕事内容
映画やテレビでスタントを披露
映画やテレビ番組、舞台、イベントで、多様なアクション、自動車からの飛び降りなど、妙技や離れ業つまりスタントを行うことがスタントマンの仕事です。
ボディー・スタントとカー・スタントがあり、ボディー・スタントを行うスタントマンはモブ(群衆)として、あるいは俳優の吹き替えとして危険なシーンに出演します。
一方でカー・スタントを行う人はスタントドライバーと呼ばれ、自動車やバイク以外にも水上アクションなどがあります。
そのほか爆破、火だるまなどのファイヤー、落下・ダイビング・ワイヤー、殺陣・技斗などバリエーションはさまざまです。
このほかにも交通安全のデモンストレーションや特撮のスーツアクターなどの仕事もあります。
スタントマンの就職先・活躍の場
スタント事務所や芸能事務所
スタントマンになるためにはどのような就職先を探せばよいのでしょうか。
実は、一般的な求人情報にスタントマンの仕事が掲載されることはほとんどありません。
スタント事務所とマネジメント契約をして仕事を手配してもらうか、俳優やタレントとして芸能事務所とマネジメント契約することになります。
スタントマンを目指すのであればまずはこのようなスタント事務所や芸能事務所のオーディションを受けて合格することが必要です。
スタントマンの1日
仕事のあとの自主トレも大切
10:00 撮影現場で打ち合わせ
11:00 リハーサル
12:00 昼食休憩
13:00 本番スタート
17:00 終了後、撮影データのチェック
18:00 帰宅
20:00 夕食後にジムでトレーニング
打ち合わせやリハーサル、本番のアクションまでがスタントマンの一連の仕事の流れです。
自分の肉体や健康状態を維持するために、仕事が終わったあとも自主的にスポーツジムでトレーニングをしたりマッサージを受けたりすることがあります。
スタントマンになるには
オーディションに合格を
スタントマンになるために特別な学歴や資格などは必要ありませんが、スタントマンになるための養成所や育成スクールには通ったほうがよいでしょう。
アクションの演技やスタントの技術を身につけること、安全管理について学ぶことが何よりも重要です。
また実際にスタントマンとして活躍するためには、一般的にはスタント事務所や芸能事務所のオーディションに合格し、マネジメント契約を結びながら仕事を請け負うことになります。
スタントマンの学校・学費
養成所や育成スクールで勉強
スタントマンとして活躍するためには、危険なアクションを安全に行えるように身体能力を磨き、高い技術を習得しなければいけません。
ヒーローショーが行われるテーマパークでアクションスターやスーツアクターのアルバイトをして経験を積む人もいますが、スタントマンの養成所や育成スクールに通うことでプロの指導を受けることができます。
応募資格として13~28歳程度の年齢制限が設けられていることがあるので注意が必要です。
スタントマンの資格・試験の難易度
運転免許が必要になることも
スタントマンとして働くために特別な資格や免許は必要ありません。
どちらかというと肉体的な能力や精神的な強靭さが求められる職業なので、実力次第で大きな仕事を勝ち取ることも可能でしょう。
ただし、バイクや車を使ったスタントを行う場合は当然のことながら運転免許が必要になります。
交通事故やカーチェイスを再現するためには卓越した運転テクニックが欠かせないので、免許を取ってからも技術を磨き続けることが求められます。
スタントマンの給料・年収
危険度や難易度に合わせた報酬
スタントマンの平均年収は経験、実績や仕事量によって大きく異なります。
どんなに頑張っても年収250~300万円ほどという人が多い一方で、アクロバティックなカー・スタントやバイク・スタントが得意な人は高い年収が得られる場合もあります。
スタント1シーンに対して、おおよそですが、
・車にはねられる:3万円前後
・階段落ち:4万円前後
・高所落下:6万円前後
・火だるま:100万円前後
などの相場があるようです。
スタントマンのやりがい、楽しさ
技術を磨いてプロとして活躍
スタントマンの仕事の面白さは、高い技術と演技力を駆使することで他の人には決して真似することができないスタントを実現させることでしょう。
ベテランのスタントマンともなると映画監督やプロデューサーから指名で仕事が来ることも多く、「この演技はあなたにしかできないのでぜひ」と熱烈にお願いされることもあるのです。
技術を磨き続けてプロフェッショナルとして長く活躍できる職業なので、そのぶんやりがいも大きいでしょう。
スタントマンのつらいこと、大変なこと
常に危険との隣り合わせ
スタントマンはいうまでもなく常に危険と隣り合わせの職業です。
たとえば映画で交通事故のシーンを撮影するときにはバイクで派手に転倒しなければいけないこともありますし、爆発や火事のシーンを撮影するときにはギリギリのタイミングで脱出しなければいけないこともあります。
一歩間違えれば大怪我や死につながるような仕事も多いので常に緊張感の連続です。
強靭な精神力の持ち主はスタントマンの適性があるといえるでしょう。
スタントマンに向いている人・適性
優れた肉体を持つ人に最適
スポーツ選手や格闘家なみに優れた運動神経や筋力、体力がある人はスタントマンに向いています。
さらに動体視力や瞬発力、柔軟性、平衡感覚、跳躍力、集中力など、各スタントに応じてさまざまな身体能力も必要となります。
常にどんなスタントにも対応できるように完璧な状態の肉体と健康を維持し続けなければいけないので、仕事を離れた場所でも日々自主的にトレーニングを重ねるなどの努力を惜しまない人は適性があるでしょう。
スタントマン志望動機・目指すきっかけ
アクションへの憧れが原点に
スタントマンの志望動機はさまざまですが、アクションへの憧れが原点になっている人が多いようです。
テレビや映画でダイナミックなカーチェイスをシーンを見たりイベントでバイクに乗ったまま空中で回転する技を見たりしたことがきっかけとなり、「自分もあんな技を身につけたい」「多くの人の前を感動させたい」という思いを持つことがスタントマンへの憧れへと直結するのでしょう。
最近では女性のスタントマン志望者も増えています。
スタントマンの雇用形態・働き方
年齢に合わせたキャリア形成を
スタントマンとして働く人の多くがスタント事務所や芸能事務所などに所属しながら収入を得ています。
一本一本の仕事によってギャランティが異なり、危険度や難易度が高いものほど高収入になるのが一般的です。
しかし、このような危険な仕事は年齢を重ねると体力的な問題が生じます。
その際にはスタントマンから殺陣師やスタント・コーディネーター、アクション監督などにキャリアアップして新たな働き方を模索することになります。
スタントマンの勤務時間・休日・生活
仕事に合わせた不規則な生活
映画の撮影、テレビ番組の収録、交通安全のデモンストレーションなど、請け負うスタントの内容によって、仕事の場所も拘束時間も変わってきます。
現場の状況に応じて1シーンを何回も撮り直すこともあれば、1回で終わる場合もあります。
また、危険度の非常に高いスタントに集中してスケジュールを調整することもあればたくさんの依頼が重なって忙しくなることもあるので、決まりきった日常とは無縁の生活を送る人が多い職業です。
スタントマンの求人・就職状況・需要
オーディションは難関
スタント事務所やスタント養成所では定期的に新たな人材を募集していますが、応募してきた人が所属できるかどうかは厳しいオーディションによって決まります。
スタントマンは命がけで取り組む仕事が多いので、圧倒的な運動神経と体力、危険に立ち向かうことができる精神力がなければまず受かりません。
非常に狭き門なので、幼少の頃から体を鍛え、中学・高校あたりからスタント養成所に入ることを目指したほうが道が開けるでしょう。
スタントマンの転職状況・未経験採用
能力次第で未経験者も歓迎
スタントマンへの転職を目指す人が、未経験者からこの業界に挑戦することは可能なのでしょうか。
結論からいうと元々アスリートとして活躍していた人やプロのドライバーとしての実績がある人の場合は、スタント自体が未経験であっても運動能力や技術力を生かせるのでチャンスが掴みやすいでしょう。
ただしスタント事務所のオーディションは狭き門なので、自分の肉体と精神を磨きながら何度もチャレンジする姿勢が大切です。
スタントマンの現状と将来性・今後の見通し
海外での活躍を目指して
スタントの現場は邦画だけでなく、アメリカのハリウッドや香港映画も視野に入ります。
アメリカでは西部劇の乗馬アクションに始まり、最近ではVFX技術を駆使したワイヤーアクションが盛んです。
アメリカのスタントマンは日本とはケタ違いの収入を得られるため、アメリカで活躍することを目指して技術を磨いている人も多くいます。
グローバル化する社会のなかでスタントマンの仕事の可能性がますます広がっているといえるでしょう。