大量調理は体力勝負(体験談)
総合病院での大量調理
私が管理栄養士になって初めて勤めたのは総合病院でした。大量調理を行う病院の中でも規模が大きく、初めての経験ばかりで、とにかく驚きの毎日を過ごしました。
まず、1食に炊くお米の量は30kg。家庭からしたら想像もつかない量です。いくら業務用といっても、1つの炊飯器で30kgは炊けませんので、1つのお釜に5〜7kgのお米と水を入れ、いくつかに分けて炊きます。
お釜自体の重量があるため、炊きあがったあとのお釜は10kgを超えます。
職業病あれこれ
一つひとつの調理器具も大きいため、働いているうちに筋肉がついていくのがわかります。それだけならまだいいのですが、重いものを持つと、どうしても腰痛が避けられません。
高いところにあるものを取ったりすることもあるので、体への負担は増えていきます。
私は定期的に整骨院に通い、治療を受けていました。先生に「何の運動をしているの?」と聞かれたとき、「管理栄養士の仕事」と話したら驚いていましたよ。それだけ筋肉がついていたようです。
また、スーパーで自分の買い物をするときは、お米10kgを軽々と抱えるた瞬間、店員さんに「えっ!」という顔をされたこともあります。
それに、普段大きな調理器具ばかり見ているので、家で使うどんなサイズのボールも小さく見えて仕方ありません。
このように「職業病」といえることはいろいろありますが、とにかく、大量調理は体力勝負だということは知っておいてもらいたいと思います。
苦労と成長が味わえた
透析食と腎臓食用の材料は、個別ですべて計量していました。15g、30gといったように、とても細かく量る必要があったので大変でした。
新入社員のころは時間がかかって仕方なかったのですが、数カ月続けているうちに、手で材料を持っただけで大体の重さがわかるようになりました。
今でも、100gや200gくらいは目でみて判断することができるので、作業を繰り返すと成長するのだなあと感じます。
総合病院での大量調理の経験は、転職をして食数の少ない現場に行っても役立ちます。無駄なく動くやり方が身に付いているので、作業を速く進めることができます。
逆に、食数の少ないところから多いところへ移ると大変だと感じるかもしれません。