管理栄養士の退職理由や離職率は?
退職理由で多いもの
管理栄養士が退職する際の理由として最も多く聞かれるのは、「人間関係の難しさ」「仕事量の多さ」「給料の安さ」などです。
これらは、多くの管理栄養士が苦労している共通点ともいえます。
しかし、それが退職理由となってしまう背景には労働環境、すなわち管理栄養士が置かれる立場の困難さがあるのかもしれません。
どの職場であっても、「人の健康を支える」という管理栄養士が抱える責任は重く、それに対する評価や報酬などは、期待しているものよりも低いのが現実のようです。
職場によっては、早朝から過酷な業務が続くことも珍しくなく、心身ともに疲れ果ててしまったという話をよく耳にします。
また、管理栄養士はひとつの職場で働く人数が少ないため、相談相手も少なく、横の繋がりが希薄になりがちなことも心を痛めてしまう要因かもしれません。
離職率はどうか
明確な数値はわかりかねますが、管理栄養士の離職率は一般に高いといわれています。
職場の種類ごとに見ていくと、給食委託会社では多くの栄養士が採用されるものの、数年で離職を選択する人も多いです。
また、委託会社だけに限らず、求人募集が出ている会社、つまり離職率が高くなっている会社はいつも同じということも現実にはあるようです。
ただし、離職を選択することは、一概に悪いわけではありません。
たとえば、同じ管理栄養士として異なる職域(病院栄養士が企業栄養士へ転職するなど)へ再就職し、キャリアアップしているケースもあります。
自分に適していない職種だと感じることがあっても、方向転換することによって資格を生かしていくことができるでしょう。
離職への意識とは
管理栄養士のなかには、スキルアップのビジョンとして転職予定が組み込まれていることが少なくありません。
一般的な会社員のように、同じ勤務先で定年まで働き続けることを望む人も当然いますが、管理栄養士の採用人数は1つの事業所で一人だけというところが多いこともあり、就職希望時に採用枠がない場合もあります。
たとえば、最終的に病院栄養士として経験を積みたい場合には、まず学校卒業時には採用人数の多い給食委託会社に就職し、現場での給食経験を積んで、その後、希望する病院の採用試験を受けるというパターンが多く見られます。
こうした点も、管理栄養士の離職率を押し上げることにつながっているかもしれません。