社会人から管理栄養士になるには? 通信講座で資格は取れる?
社会人から管理栄養士を目指すルート
管理栄養士国家試験の受験資格を得るために
管理栄養士になるには、必ず管理栄養士の国家資格を取得する必要があります。
この資格には年齢制限がなく、何歳になってからでも取得を目指すことが可能です。
しかし、国家試験を受験するには、まず受験資格を得なくてはなりません。
受験資格を得るための方法は、大きく以下の2通りに分かれます。
- 管理栄養士養成施設(4年制の大学・専門学校)で学ぶ
- 栄養士養成施設(4年制大学、3年制の短大・専門学校、2年制の短大・専門学校)で学び、さらに実務経験(1年~3年)を積む
つまり、社会人から管理栄養士を目指す人も、他の人と同様にまずは所定の養成施設に通って国家試験の受験資格を得なくてはなりません。
社会人向けの入学試験を行う学校もある
上記で挙げた養成施設では、高校を卒業したばかりの人が多く通っていますが、なかには社会人入学の枠が設けられている学校もあります。
パンフレットや学校の公式サイトなどを利用して入学試験の内容や学費、通学方法などの条件を比較検討し、自分に合った学校を選ぶとよいでしょう。
また、卒業後の就職先や管理栄養士国家試験の合格率、受験対策講座の有無なども参考にされることをおすすめします。
20代で正社員への就職・転職
働きながら管理栄養士の資格は取れる?
働きながら管理栄養士の資格を取ることも可能です。
管理栄養士国家試験の受験資格を得るための養成学校は、全日制の大学・専門学校へ4年間しっかりと通わなくてはならないため、働きながらというのは少々難しいでしょう。
しかし、すでに栄養士免許を持っている人であれば、卒業した学校の種類により規定の年数の実務経験を積むこと(1年~3年)で、管理栄養士国家試験の受験資格が得られます。
独学で、栄養士として働きながら管理栄養士国家試験に合格した人もいますが、その道のりはかなり厳しいものになるでしょう。
既卒者の国家試験合格率は新卒者に比べてたいへん低くなっていることからも、管理栄養士国家試験は、養成学校でみっちりと試験対策を行って、ようやく合格できるくらい難しい試験だということもいえます。
そのため、社会人で管理栄養士を目指す人のなかには、夜間や週末を利用して国家試験対策のための予備校やスクールに通う人も少なくないようです。
通信講座でも管理栄養士の資格は取れる?
管理栄養士国家試験の受験資格は、通信講座では得ることができません。
たまに「通信で管理栄養士の資格が取れます!」といった宣伝文句の広告を見かけることがありますが、こちらはすでに管理栄養士あるいは栄養士の養成施設に通っている人を対象とした、国家試験の受験対策講座です。
高校生や浪人生が大学受験のために通う予備校、あるいは何かしらの資格取得のために通う民間の資格スクールと同じような類のものと考えておけばよいでしょう。
管理栄養士や栄養士の養成施設のカリキュラムは、通学して受講しなくては修了できないものとなっており、通信で受講することはできません。
20代で正社員への就職・転職
独学で管理栄養士の勉強はできる?
上記で見てきたように、管理栄養士の国家試験受験資格そのものは、決められた養成施設に通う方法をとらなくては得ることができません。
しかし、国家試験の受験対策自体は、独学で進めることも可能です。
なお、管理栄養士養成校では、在学中に念入りな試験対策が行われることになります。
学校にきちんと通い、講義に集中すれば、それだけでも十分な試験対策ができます。
しかし、栄養士養成校を卒業後に、実務経験を積む方法で管理栄養士国家試験の受験資格を得る場合には、多くの人が仕事をしながら試験勉強をすることになるでしょう。
そこでは、市販されているテキストを用いたり、国家試験対策のための通信講座や予備校・スクールに通うなどの方法で、合格を目指す人が多いようです。
管理栄養士養成学校を新規に卒業した人以外の管理栄養士国家試験合格率はあまり高くないため、効率的に試験対策をするためには、夏季のみの受験対策講座や模擬試験を利用してみるのもよいでしょう。
社会人から管理栄養士になる人は多い?
社会人から管理栄養士になるケースで多いのは、すでに栄養士免許を持っている人が、さらなる飛躍のために管理栄養士を目指していくケースです。
まったく異業種で働いていた人が管理栄養士になろうとすると、まずは4年制の大学・専門学校に通わなくてはならないため、時間もお金もかなりかかってきます。
「どうしても管理栄養士になりたい!」という思いが強くなり、一からそういった道を選ぶ人もいますが、やはり多いのは栄養士からのステップアップという意味での管理栄養士になるルートです。
栄養士免許があれば、実務経験を積むことで管理栄養士国家試験の受験資格を得ることもでき、また栄養士として身につけた知識やスキルも管理栄養士に生かすことができるため、社会人からでも比較的目指しやすいといえます。
社会人経験が管理栄養士の仕事にプラスになることはある?
管理栄養士は、さまざまな人々と向き合いながら栄養指導や食に関するアドバイスなどを行っていきます。
相手は一人ひとり考え方が価値観が異なりますし、生活スタイルもまちまちです。
そうした多様な個性を理解できるのは、社会人経験を積んでいる人ならではのメリットといえるかもしれません。
相手の置かれている状況をよく理解しながら、その人に適したアドバイスをしていくことで、より信頼される管理栄養士として活躍できるでしょう。
また、管理栄養士は高齢の人と関わることも多く、年齢を重ねれば重ねるほど安心感を抱いてもらいやすいといった一面もあるでしょう。
スキル面でいうと、管理栄養士は事務やデスクワークの仕事もあるため、それまでの社会人経験でそのようなスキルを身につけていると役に立つ部分もあるでしょう。