管理栄養士の透析指導(体験談)

透析指導とは?

透析指導とは、透析を受ける患者さんが病院以外の管理栄養士の講習(透析教室)に参加し、食事内容について再確認してもらうことです。

透析患者さんは普段から薬を飲み、治療に励んでいます。しかし、某製薬会社さまが自社の薬を販売するにあたって、薬のみでは治療に不十分で日々の食事内容が重要という考えから、このような教室が開かれています。

患者さんにとっては、透析教室に参加することで、普段なかなか質問できない食事への疑問を聞ける機会にもなっています。

透析指導のやりがい

透析患者さんは、食事の内容がすぐ血液検査に結果として表れます。食事は透析時間や合併症にも影響してくるため、食事内容に気を付けることが非常に重要なのです。

透析指導によって、患者さんのよい結果に結びついたと実感できた際には、とても大きなやりがいを感じられます。

透析教室は、全国各地で開催されます。私は東京に住んでいますが、都内だけでなく、全国各地に足を運んで指導することもあるので、仕事が終わった時間を利用して、ちょっとした観光や食事を楽しむこともあります。

仕事で全国各地に行くと、同じ日本人でも地域によって気質や性格が違うことに驚きます。

関西の方がお話好きというのは知っていましたが、次々と質問が飛び交う県もあれば、あまり積極的に質問されない方が多い県もあるなど、違いを感じました。

いずれにしても、患者さんの反応や理解度を確認しながら、話を進めることを心がけています。

患者さんからの質問

その地域ならではの食材に関する質問をされることがあります。食材だけでなく、調理方法も地域によって特色があるため、知らないことを聞かれると焦ってしまうこともあります。

食品成分表に記載されているものはすぐに数値を挙げられますが、そうでないものもあり、その際は似た食材を例に挙げて答えます。

透析患者さんは食事内容に気をつける必要はありますが、食べていけないものはありません。「とり過ぎないこと」がポイントになるため、伝え方が重要です。

ただ、家庭では他の家族と別の食事を用意しなければならないことが多いため、手間がかかるのは事実です。

私は透析患者さんの自宅に訪問し、透析食を作っていた経験があるため、その時の工夫を伝えることができています。講習に参加していただくことで、何かひとつでも参考にしてもらえることがあればいいなと思いながら話しています。