塾講師の需要・現状と将来性
塾講師の現状
少子化が叫ばれるなか、公立学校の統廃合が進む厳しい状況でありながらも、意外にも塾業界は着実に業績を伸ばしています。
経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」によると、学習塾は売上高、受講生とも、右肩上がりで伸びていることがわかります。
その成長の理由として考えられるのは、ゆとり教育が見直されたことにあるといえます。
一時期は大幅に削られた授業時間も現在では増加し、かつての学力重視の風潮が高まりつつあるのです。
それに伴う保護者の教育に対する不安の高まりが、学習塾の成長の一助となっています。
20代で正社員への就職・転職
塾講師の需要
塾業界全体としては需要が増えつつありますが、現場レベルで見ていくと、必ずしも楽観できる状況ではないことがわかります。
生徒や保護者にとって塾に求めるものは、志望校合格や成績向上のような目に見える成果です。
成績や点数が思うように上がらないと、塾に対する満足度も上がらず、結果的に生徒がライバル塾に流出してしまうという事態を招いてしまいます。
これはどの塾にとっても大きな損害であり、このような状況が続けば廃業という最悪の結果を生みかねません。
塾講師をつとめる上では、常に授業内容の「品質」を管理し、求められるレベルに達していなければ淘汰されるという厳しい状況が続きます。
プロとして賃金を得る以上、努力はもちろん必要ですが、それを差し引いてもプレッシャーの強い業界であると考えて良いでしょう。
塾講師の将来性
大規模展開している塾ほどいえることですが、塾講師にはどの位の生徒を入塾させたか、どのくらいの合格実績を出したかという数字が重視されることが多く見受けられます。
業界が成長しているとはいえ少子化であることには変わりはなく、生徒の頭数が少ない状況の中、いかに入塾者を増やすかということに頭を悩ませている塾がほとんどであるといえるでしょう。
もちろん質の良い授業を行うことが最高の営業活動であることは間違いありませんが、塾講師も自らチラシの作成や配布、説明会の運営等、授業以外の業務を担わなくてはならないでしょう。
20代で正社員への就職・転職
塾講師の今後の活躍の場
塾講師は、初任給は高めに設定されているもののその後の伸び率が悪く、激務のわりに収入の面で報われないと考えている人も多いです。
収入を増加させるためには管理職につくという道がありますが、学習指導から離れてしまうため、生涯一講師で過ごしたいと考える人もいるのが現状です。
結果、正社員にならずに非常勤講師として複数の塾をかけ持つ人や、自ら塾を開業するという道を選ぶ人もいます。
独立は給与アップのみならず、自身の理念のもとに教育活動を行えるという利点もあり、将来的な目標として据える人が増えてきています。
しかし、他の職種と同様に経営者としての苦労は常に付きまとうこととなります。
塾は実績や評判がものをいうため、短いスパンでは結果が出にくく、軌道に乗るまでは赤字も覚悟する必要があるでしょう。