あらゆる子どもたちと先生の個性を生かせる場が、ここにはある

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塾講師邊見 真衣子さん

埼玉県出身。外国語学部卒業。大学在学中に栄光ゼミナールで講師のアルバイトを経験し、2012年4月、株式会社栄光へ入社。個別指導専門塾「ビザビ」北千住校の室長を務める(2017年3月時点)。
座右の銘:元気があれば何でもできる

邊見さんが塾講師を目指したきっかけを教えてください。

もともと教育に興味があり、大学時代には2年半、栄光で講師のアルバイトをしていました。「人に勉強を教える」ということが好きだったんです。

最初は中学校の先生になろうと考えていて、教員免許も取得しました。

でも、教育実習を経験するなかで「学校」と「塾」はそれぞれ役割が違って、子どもとの関わり方もずいぶん異なるということに気付いて。

そんな出来事を経て私が本当にやりたいことを実現できる場は塾だと気づき、大学卒業後に栄光へ入社しました。

学校と塾では、具体的にどのような点が違うと思ったのですか?

学校の先生の場合、学習指導以外にも日々やることがたくさんあります。

たとえば、学校行事の企画や運営、部活動の指導、生活指導など、さまざまな業務をこなさなくてはなりません。

教育実習を経て、学習そのものに関わる時間は、おそらく全業務の2割程度ではないかなと私は感じました。

また、学校は「勉強をする場」というだけでもなく、いろいろな家庭環境で育ったお子さまが集まっています。

そういう場所でたくさんの子どもたちを支えるのは、当時の自分には難しいと思ったんです。

教育実習を担当していた先生も、悩んでいる私に「もう少し幅を広げて教育に関わることを考えてみたらどうか」とアドバイスをくださいました。

その言葉が大きな転機になり、民間の教育サービス業に目を向け、本格的に就職活動を行いました。

現在のお仕事内容を教えてください。

私が働いている「ビザビ」というのは、栄光が運営する塾のなかでも個別指導の専門塾で、小学校1年生から高校3年生までを対象としています。

私は、入社してからまず「教務主任」という形で、室長のサポートと授業をメインで行っていました。

現在は「室長」という役割を担っているので、指導以外にも保護者さまとの面談、近隣の中学校や高校の先生とのコミュニケーション、教室の時間割設定、人材育成などに携わっています。

現在は「室長」とのことですが、どのような経緯でこの役職に就いたのですか。

当社は、社内試験に合格することで役職がつくシステムになっています。私は2015年度に1年間かけて室長(責任者職)になるための試験を受けて、2016年度から室長になりました。

新卒入社5年目で室長への昇格というのは、早いほうなのでしょうか?

キャリアアップのための社内試験を受けるきっかけは、本人が自ら手を挙げるケースもあれば、周囲から推薦されてというケースもあります。

本人のキャリアについての考え方もあるので、単純に早く昇進することが良いというわけではないと思いますが、私はタイミングとしては早いほうだとはいわれています。

邊見さんにとって、仕事のやりがいを教えてください。

とにかく毎日が楽しくて、毎日が刺激的です。

きっと、私は子どもたちとのコミュニケーションが何よりも好きなんだと思います。

同じ日は一日たりともないですし、子どもたちの成長をそばで見ていられるのは、この仕事の醍醐味です。

一番長い子だと、小学校のときから6年以上通ってくれている子もいますから。どんどん成長していく姿を、「学習」という切り口で見ていけることが楽しくて。

また「成長」という観点でいえば、アルバイトの講師が2年、3年と働いているうちに立派になり、大人として社会に出ていく姿を見届ける瞬間もやりがいを感じます。

塾講師になってから、感動したエピソードがあれば教えていただけますか?

感動することは本当にたくさんあるのですが、この一年でとくにうれしかったのは、以前、私が別の教室で教えていた子が大学生になるタイミングで挨拶にきてくれて、「栄光で働きたい!」と声をかけてくれたこと。その子は今、この教室で働いてくれているんですよ。

自分のかつての教え子が先生になるという経験が初めてだったので、とても感慨深い気持ちになりました。

そういう出来事があると心から「もっと頑張ろう!」と思えますし、少しつらいことがあっても乗り越えられます。

では、仕事をしていて苦労や大変だと感じることは何かありますか?

個別指導をしていると、子どもが100人いたら100通りのアイデアが必要になります。

私自身、この仕事に就いてからさまざまな勉強法を学び、経験からさまざまなことを導き出してきました。

でも、現時点で自分が持っている指導方法や進路指導の仕方が目の前の子に響かなかったときには、どうすればいいのだろうとやはり悩みます。

ですが、もしそこでしっくりいかないからといってあきらめたり妥協したりしては、その子の可能性を閉ざしてしまうことになります。

周りの先生方にアドバイスを求めたとしても、結局その子を一番近くで見ているのは自分。最終的には私が考えて、感じて、答えを出すしかありません。

限られた時間のなかで、どれだけその子のために真剣になることができるか。これが何より難しいところですが、そこにこだわることが大切だと考えています。

ちなみに、邊見さんが首から下げている名札の紐の色には、何か意味があると伺ったのですが。

はい。当社では「エクセレントスタッフグランプリ」という、先生たちの実力を評価するコンテストのようなものがあり、私は「ナビゲーション部門」で全国大会へ出場したことで、これをいただきました。

ナビゲーション部門というのは、生徒の目標設定や進路設定などをはじめ、いかに生徒のやる気を引き出せるか、生徒を導いていけるかといった力を判断するものです。

生徒のやる気を引き出すためには、さまざまな角度から質問をして、生徒のことを深く理解することが大事だと思っています。

お仕事がある日の1日のスケジュールを教えてください。

勤務体系はシフト制なので日によっても多少違うのですが、だいたいは以下のようになっています。

出勤するのは13時ごろ。まずはメールチェックや前日からの引継ぎをします。

それから授業や面談の準備をしているうちに先生たちが出勤するので、ミーティングを行います。

夕方以降は子どもたちが来て授業がスタート。

また、たとえば今日であれば学校のテストが終わった時期なので、その結果についてヒアリングをし、面談をすることもあります。

授業がすべて終了するのは21時40分です。そこから先生たちとミーティングをして、22時くらいから締め作業に入ります。

すべて片付けて教室を後にするのは22時半くらいになりますね。

オフの時間の楽しみや、リフレッシュ方法を教えてください。

友だちとお酒を飲むこと、おいしいものを食べることが好きです。

あとは、日ごろお子さまたちから「この漫画がお気に入り!」とか「この映画が面白かったよ!」なんていう話をよく聞くので、休日を利用してそれを楽しむことも多いです。

塾講師の仕事には、「適性」や「向き不向き」もあると思いますか?

正直にいって、私はこの仕事に「適していない人」というのはいないと考えています。

それというのも、塾に通うお子さまは本当にさまざまで、たとえば「勉強が好きな先生がいい」という子もいれば、「たくさんお喋りをして楽しく勉強できる先生がいい」という子、あるいは「自分をわかってもらえるから、同じ部活動をやっていた先生がいい」という子もいます。

お子さまにとってピッタリ合う先生がいるのと同じく、先生にとってもピッタリ合うお子さまがいるんです。

ですから、どんな人であっても自分の特徴や個性を生かすことができます。

「人が嫌い」では難しい仕事だとは思いますが、話をするのが苦手であっても、たくさん話を聞いてあげることでお子さまや保護者さまから信頼されている先生もいますし、その人の良さを存分に生かすことができる仕事だと考えています。

また、当社にはプログラミング教室や科学実験教室などもあり、教えるジャンルも幅広いので、得意なことが生かせます。

塾では、邊見さんのように女性も多く活躍しているのですか?

そうですね、当社では社員の比率としては男性のほうが大きいのですが、活躍している女性もたくさんいますよ。

塾講師は男女関係なくできる仕事ですし、当社ではこの数年、出産を機に退職する社員はほとんどいないと聞いています。

教室運営に携わる場合にはどうしても夜が遅くなりがちですが、本社勤務や別ブランドでの勤務という選択肢もありますし、女性が仕事を続けていけるための制度も整っています。

それと、お子さまを「褒めること」に関しては、女性のほうが得意な人が多いように感じています。

たとえば「今日の髪型かわいいね」くらいのささいなことでも子どもの反応は違ってきます。

自然に、かついろいろな言葉や切り口で子どもたちとコミュニケーションをとり、「共感力」を生かして活躍している女性が多いように感じます。

邊見さんの今後の目標を教えていただけますか?

はい。これからはもっとたくさんのお子さまを見ていきたいです。私がこの会社で成し遂げたいのは、「元気のない地域に、元気な教室を」ということ。

もっと盛り上げたい地域を見つけたら、そこで自分の力を発揮して、より多くの子どもたちを元気にしたいと考えています。

そのためには、さらにキャリアを積まなくてはなりません。ゆくゆくはエリアマネジャーになることを目指しています。そうすれば、複数の教室を管轄できますから。

少子化といわれる現代の日本ですが、この業界は今後どうなっていくと思いますか?

まず、いくら少子化が進んでも子どもがいなくなるわけではありませんから、塾は一定のニーズがあると思っています。

どちらかというと、最近は子どもが「多様化」「個性化」しているように感じます。

わかりやすくいうと、昔は優秀といわれる子は5教科すべて5、つまりまんべんなくできることが珍しくありませんでしたが、このところは5教科の4教科は5だけれど1教科は2といったような、極端な成績を残す子もわりと目立ちます。

「学校」と「塾」は、多様化したお子様の「学び」を支える両輪だと考えています。

学校以外の場で一人ひとりのお子さまを見てあげられる場、そんな教育サービスを提供できる場として、塾は大きな役目を果たしていけると考えています。

個別指導であれば、なおさら一人ひとりのお子さまに合う教育サービスが提供できるのでしょうね。

はい、そう考えています。個別指導塾は、希望の進路を実現させるための場であると同時に、個性あふれる子どもたちに「ベストな学習プラン」を提供できる場でもあります。
学習プランは子どもたちの目標や状況に合わせたオーダーメイドですので、子どもや保護者とじっくり話をして作り上げます。

学習習慣が身に付くように家庭学習もサポートします。先ほども申しましたが、そこが私たちの仕事の醍醐味であり、苦労する点でもあります。

ちなみに、私たちの塾に通っているお子さまたちも、最初からやる気がある子ばかりではないんです最近ではやる気を出すことを含めて相談に来られる保護者さまが増えています。

邊見さんにとって、塾で接しているお子さまたちはどういう存在ですか?

自分の人生を豊かにしてくれる、かけがえのない存在です。

あるお子さまが「〇〇大学に行きたい」といえば、私もその大学についていろんなことを調べます。そして、その子がそこへ進んだときにどうなるのかを想像します。

一人としてまったく同じ道を歩む子はいませんから、たくさんの子どもたちとの関わりを通じて、私もいろんな人生経験を積んでいる気持ちになります。

最後に、塾講師という職業に興味を持っている方に向けて、メッセージをお願いします。

私は教育という分野は、ある意味でどんな人にとっても向いている仕事だと考えています。

とくに個別指導塾は、その人の個性が最大限に生かせる場。

たとえ人前で話すのが苦手だったり、勉強が得意ではなかったりしても、何か他に得意なことや「これなら頑張れるかも」と思うことがあれば、絶対にその強みを生かして教えることができるはず。

それに、何もかも完璧にできる先生よりも、苦手がある先生のほうが、同じように苦手があるお子さまの気持ちがわかりやすいと思っています。

最初はアルバイトからでも、一度講師をやってみてもらえれば必ず発見があると思います。

もし教育に少しでも興味を持っている大学生の皆さんであれば、今後の進路を考えるうえでも最高のスタートラインにも立てると思うので、ぜひ経験してみてほしいですね。