柔道整復師にとって必要なこと・大切なこと

柔道整復師にとって必要なことは?

医学的な知識と、患者さんとのコミュニケーション

柔道整復師は、日々さまざまな症状を抱える患者さんと接しますが、症状の診断にあたっては医師のようにレントゲンなどの機器を使ったり、投薬や手術といった外科的な治療を行うことはできません。

柔道整復師が患者さんの症状を判断する方法は、もっぱら「問診・視診・触診」といったやり方になります。

まず、患者さんとしっかりコミュニケーションをとり、「いつ、どこで、どのような症状が起こったのか」ということから確認していく必要があるのです。

そのため、柔道整復師は患者さんと真剣に向き合って、相手を観察する力が求められます。

もちろん、そこから症状を導き出していくためには医学的な知識も必須で、人体全般に関して熟知している必要があります。

たとえば、患者さんの訴える症状が、実は外傷的なものではなく、内科的な疾患によるものということもあります。

そういった場合、柔道整復師は内科的な病気を扱うことはできませんから、専門医にかかるように促さなくてはなりません。

しかし、もしそこで誤まった判断の下に施術を続けていれば、症状を悪化させてしまう可能性もあります。

柔道整復師は、それだけ重い責任を担っているという意識を持って仕事に取り組む必要があり、地道に臨床経験を積んで、日々専門知識や技術を高めていくことが大切です。

それと同時に、いくら豊富な知識があっても患者さんと良いコミュニケーションがとれないようでは、適切な施術を行っていくことはできないということを、しっかりと理解しておく必要があります。

思いやりをもって、施術に全力を尽くすこと

柔道整復師は、いかなるときも患者さんの思いに寄り添える人であるべきです。

「人対人」で患者さんと向き合う仕事だからこそ、他人に対する思いやり、優しさといった感情がとても大切です。

技術をもって身体を治すのはもちろんですが、相手の落ち込んでいる心まで元気にしてあげることができてこそ、プロの柔道整復師だといえるでしょう。

整骨院や病院には、毎日大勢の患者さんが来院されます。

一人の患者さんと接する時間はほんのわずかになることもありますが、どれだけ忙しくても気を抜かず、その時間に全力を尽くしていくことが大切です。

実際、高齢の患者さんのなかには、柔道整復師との毎日のちょっとした会話を生きがいにしているような人もいます。

「人を喜ばせたい」「患者さんの悩みや苦しみを少しでも楽にしてあげたい」という気持ちを忘れずにいれば、必ず患者さんから信頼される柔道整復師へと成長していけるでしょう。

日々のスキルアップが大切

柔道整復師は、国家資格を取得してからが本当のスタートといえます。

現場に出て、さまざまな症状を抱える患者さんと接しながら日々経験を積むことで、学校で学んだ知識や技術を少しずつ自分のモノとすることができます。

柔道整復師がスキルアップしていくためには、さまざまな方法があります。

たとえば、日常業務以外の時間を使って外部の研修会に参加したり、勤めている整骨院内で定期的に勉強会が実施されるようなこともあります。

何年も最前線で活躍する柔道整復師たちも、常に上を目指して努力を続けています。

他の国家資格を取得し、業務の幅を広げる

すでに柔道整復師としてバリバリ活躍していながら、さらなる飛躍のために他の国家資格取得を目指す人もいます。

最近では、柔道整復師に加えて「鍼灸師(はり師・きゅう師)」のダブルライセンス取得を考える人が増えているようです。

鍼灸師の仕事

両方の資格に重なる科目としては「解剖学」や「生理学」がありますが、一般的に柔道整復師のほうが難易度が高いといわれています。

そのため、先に柔道整復師の国家資格取得を目指してから鍼灸師へ、というパターンが多いようです。

身体を知り尽くし、骨折や脱臼、打撲などの症状にアプローチしていく柔道整復師に対し、鍼灸師は「はり」や「お灸」を使って、ツボを通して患者さんの痛みや体調不良を改善に導いていきます。

両者とも薬や手術は行わずに「手技」による施術を行うことが特徴ですが、いずれも国家資格となるため「この資格を持っていなければできない」ということがあります。

つまり、両方の資格を取得すれば、業務範囲はその分だけ広がっていくわけです。

また柔道整復師としての技術に、鍼灸師が持つ「東洋医学」の考え方を取り入れれば、患者さんの症状に対して、より多様なアプローチができるようになります。

たとえば、近年人気が高まっている「スポーツトレーナー」として働く場合も、両者のスキルを持っていれば、スポーツ選手の身体づくりからコンディション調整まで一貫して力を発揮することができます。

スポーツトレーナーの仕事

もちろん、ダブルライセンスが必須というわけではありません。

しかし、自らのやりたい仕事、キャリアを見据えてスキルアップに励んでいくことは大事です。

スキルアップを続ければ、将来的に独立開業を目指す場合にも大きな強みとなっていくでしょう。