インテリアデザイナーになるには
インテリアデザイナーになるまでの道のり
インテリアデザイナーになるにあたって、特定のプロセスが存在するわけではなく、学歴や資格も必須ではありません。
建築設計事務所やデザイン事務所、メーカーなどに就職し、デザインや内装の企画などを手掛ける部署に配属されれば、インテリアデザイナーのキャリアをスタートさせることができます。
ただし、実務をこなすには、家具や雑貨に関する知識はもちろん、建築や設計に関する知識、色彩学など、幅広い知識を身につけなければなりません。
また、卓越した美的センスも必要です。
このため、インテリアデザイナーを目指す人は、まず美大や一般の大学・短大、専門学校などへ進学し、インテリアや工業デザイン、美術、建築などを学んでから就職するケースが一般的です。
反対にいうと、関連する分野をどれも学んだことがない、まったくの未経験者の場合、なんらかの個人的ツテがないと、働き口を見つけるのは困難かもしれません。
20代で正社員への就職・転職
インテリアデザイナーの資格・難易度
インテリアデザイナーの資格として有名なものが、日本デザインプランナー協会が実施している「インテリアデザイナー認定」です。
上述したように、インテリアデザイナーにとって、資格取得はマストではありません。
しかし、基礎知識を身につけるため、あるいは自身の知識を客観的に証明するため、取得を目指す人も大勢います。
同認定試験は、送られてきた試験問題に自宅で解答し、答案用紙を返送するという形式で実施されます。
自己啓発の意味合いが強いものですので、きちんと調べたりして勉強すれば、合格することはさして難しくありません。
そのほかの関連資格として、「インテリアプランナー」や「インテリアコーディネーター」といった民間資格や、「色彩検定」などの検定試験、「建築士」などの国家資格などが挙げられます。
インテリアデザイナーになるための学校の種類
インテリアデザイナーに関する学問は複数あるため、学校の種類も豊富です。
4年制大学や短大の場合、工芸学部や美術学部のインテリア学科や空間デザイン学科、建築学科などがあります。
より芸術的センスを磨きたいなら、一般の大学ではなく美術大学に進学するという道もあります。
専門学校であれば、建築系・デザイン系・工業技術系学校の、インテリアデザインコースやスペースデザインコース、建築・設計製図コースなどが候補となるでしょう。
専門学校は個々に特色が異なり、設計の授業が多くCADスキルを学べるところや、二級建築士の資格を取れるところ、プレゼンスキルを学べるところ、モノづくりの技術習得に注力しているところなど、さまざまです。
就職した後、どのような業務を手掛けたいかをまず第一に考え、そこから逆算して進学先を選ぶとよいでしょう。
インテリアデザイナーになるための学校(大学、学部、専門学校、講座)
20代で正社員への就職・転職
インテリアデザイナーに向いている人
インテリアデザイナーとして活躍するには、卓越したデザインセンスが必要です。
ただ、アーティスティックで独自性の強い感性というよりは、スタイリッシュで万人受けする洗練された感性のほうが重要ですので、努力してセンスを磨いていくことも十分に可能です。
このため、服装や身の回りの品、自室などがおしゃれで、元からセンスのよい人はもちろん、美術展を巡ることや画集を見るのが好きなどデザインへの関心が強い人も、インテリアデザイナーに向いているでしょう。
また、家具や什器、雑貨、カーテン、証明、壁紙など、ありとあらゆるアイテムに関する幅広い知識が求められるため、とにかく「インテリアが好き」という人にも、十分に適性があります。
インテリアデザイナーのキャリアプラン・キャリアパス
インテリアデザイナーのキャリアパスは、設計事務所やデザイン事務所に就職することが第一歩です。
就職後、まずは先輩や上司のアシスタントとしてさまざまな現場を経験しつつ、各アイテムの知識や、企画のつくり方といった実務を習います。
一人前となって単独で案件を手掛けられるようになるには、最短でも5年、一般的には10年ほどかかるとされており、長い下積み期間が必要です。
その後のキャリアは、さまざまです。
引き続き勤め続ける人もいれば、異なる環境に身を置いてスキルを高めるために業界をまたいで別の企業に転職する人、独立してフリーランスとなる人、自分の事務所を立ち上げる人などがいます。
大手事務所では、一般企業のような昇進制度が取られており長年勤める人が多い一方、小規模な事務所では、最初から独立を視野に入れて就職してくる人が多いようです。
インテリアデザイナーを目指せる年齢は?
インテリアデザイナーを目指すにあたって、とくに年齢制限はありません。
中途採用者もかなり多く、インテリア好きの女性などが、社会人になってからデザインや設計を学び、インテリアデザイナーに転職するケースもよく見られます。
ただし、上述のように、一人立ちできるようになるまで10年ほど修業しなければなりませんし、センスはもちろん、ときには泊まり込みで作業することもあるため、長い労働時間に耐えられる体力も必要です。
このため、まったくの未経験の場合、中年から転職するのはあまり現実的ではなく、できれば20代、遅くとも30代中盤までには、キャリアをスタートさせることが望ましいでしょう。
インテリアデザイナーは女性でもなれる?
インテリアデザイナーの男女比はおよそ7:3といわれており、男性より女性のほうがかなり多い職業です。
仕事内容や昇進スピードに性別差はありませんし、世界的に活躍している有名な女性デザイナーもいます。
ただし、そのほとんどはアトリエ事務所やインテリアデザイン事務所に所属する人であり、設計事務所やハウスメーカーといった建設業界で活躍する人のなかに、女性はあまり見受けられません。
「男女平等」という建前とは裏腹に、建設業界では全体的に男性のほうが仕事が任されやすい風潮にあり、女性のインテリアデザイナーはサポート役に回ることが多いようです。
そうした傾向は年々薄くなってきているものの、勤務先によってはいまだ根強く残っているケースもあります。
就職先のスタッフの女性割合や、管理職の女性割合などは、事前に確認したほうがよいでしょう。