通信で学芸員の資格は取得できる?
学芸員の通信教育
通信がある大学
学芸員の資格を取る方法として一般的なものは、大学で必要な科目を修得することですが、すでに大学を卒業してしまっている場合には、社会人として働きながら通信講座を活用して勉強するのもひとつの方法です。
最近では学芸員の資格が取得できるいくつかの大学で、通信教育のシステムが整っています。
文化庁の「学芸員養成課程開講大学一覧」のHPを見ると、博物館に関する科目に通信過程を設置している大学名がわかります。
一例を挙げると、私立の武蔵野美術大学や京都造形芸術大学、大阪芸術大学、聖徳大学、玉川大学などがあるようです。
基本のカリキュラムはどこも同じですが、大学によって受講料やスクーリング(直接大学に出向いて受ける講習)のシステムなどが異なるので、自分の都合のよい学校を選ぶとよいでしょう。
通信教育のカリキュラム
通信過程でどのような科目を勉強することが必要かということは「博物館法」によって定められています。
現在で履修に必要なものとして、下記の科目が挙げられています。
・生涯学習概論2単位
・博物館概論2単位
・博物館経営論2単位
・博物館資料論2単位
・博物館資料保存論2単位
・博物館展示論2単位
・博物館教育論2単位
・博物館情報・メディア論2単位
・博物館実習3単位
全体の履修期間が終わるまでには一年ほどかかるとされています。
一年の間に修了できなかった場合は翌年新たに受講料を収めれば再度の受講も可能です。
ただし、資格の取得には「学士」が必要となりますので、必要な単位を修得するだけでなく、いずれかの大学を卒業していることが必要となります。
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スクーリングも必要
学芸員の資格を取得するための勉強は、ある程度までは通信教育だけでカバーすることができますが、最終的にはスクーリング(直接大学に出向いて受ける講習)も必要になってきます。
なぜなら、博物館法では必ずスクーリングを受けなければいけないと定められているからです。
博物館に出向いて直接学ぶ授業もありますから、何度かは学校などに足を運ぶ必要は出てきます。
学校によってプランは異なりますが、合計で2〜3週間程度は必要になると考えておくとよいでしょう。
学校によってはスクーリングの日程を「夏季に集中させる」「週末の土日に何度かに分けてある」「特定の3日間ほど連続して行う」など、平日は仕事をしている社会人でも通いやすいように配慮がなされています。
資格と就職は別と考える
通信過程で学芸員の資格が取れたとしても、必ずしも学芸員としての就職が保証されているわけではありません。
学芸員は就職が非常に厳しいことで知られており、新卒の学生でも希望の職に就けない人が決して少なくはないのです。
図書館の資料を扱う司書職などでも同様ですが、現在ではポストの空きができても応募者が非常に多いため、競争率が他の公務員や一般企業よりもはるかに高くなることもあります。
実務経験や何らかの人脈や特別のツテがない限りはかなり厳しいのが現状です。
また、採用は修士や博士を持つ人が優先される傾向にありますので、通信で資格を取得していることに加えて深い専門知識がないと、就職先を見つけるのはなかなか難しいでしょう。