学芸員の働き方・雇用形態

学芸員の雇用形態

日本で学芸員として働いている人の雇用形態はさまざまです。

たとえば、三菱一号館美術館やサントリー美術館のように企業が運営している私立の博物館の場合、それぞれの企業が採用活動を行い、正社員やパートなどの雇用形態で学芸員を雇うことになります。

給料や待遇、福利厚生、勤務時間などはその企業によって異なります。

その一方で、国公立の博物館や美術館、動物園や水族館の場合、各地方自治体の採用試験を受けることになります。

採用試験では若干名の募集しかないことが珍しくないので、非常に高倍率となることで知られていますが、この試験に合格すれば晴れて公務員の学芸員として働くことができるようになります。

国公立の博物館でもパートやアルバイトとして働くケースはあります。

フリーランスの学芸員として働いている人は非常に少ないといわれています。

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正社員の学芸員

私立の博物館で正社員として働く学芸員の場合、給与や待遇は企業によって異なります。

国公立の博物館で正社員として働く学芸員の場合、地方自治体や独立行政法人などの定めている給料をベースに年収が決まることになります。

例をあげると、大学卒の人が埼玉県の採用試験に合格して学芸員として働く場合、初任給は20万円程度となるようです。

学芸員を目指す全ての学生にとって、このような正社員での雇用は憧れといっても過言ではないでしょう。

特に公務員の場合は給料も安定していますし、経験を積めばキャリアアップをして仕事の幅を広げていくことも可能です。

しかしながら、全国的に見ても、学芸員の正規雇用は決して多いとはいえないのが現状です。

大学院まで進学したり海外に留学をしたりして専門性を高めてきた学生が、簡単には正社員の学芸員になれないという厳しい現状があるのです。

また、自分が就職したいと思っている博物館が、その年度の採用活動で何人採用するかもわかりません。

すぐにはチャンスを掴めなくても、諦めずに就職活動を続けることが大切なのです。

派遣の学芸員

学芸員のなかには、派遣社員として働いている人もいます。

これは企業が運営している私立の博物館に多い雇用形態で、派遣会社を通して紹介を受け、企業ミュージアムや史料館、大学内の博物館などに派遣されることが多いようです。

勤務時間は9時から17時半頃までとなることが多く、実働時間は7時間45分ほどです。

基本的には週休二日制で休館日を中心に休みを取得することになります。

ただし、イベントや企画展などで来館者が増えて忙しい時期になると残業が発生することもあるので、採用の時点で残業の有無をしっかり確認したほうがよいでしょう。

派遣社員とはいうものの学芸員の資格必須としていることが多く、ある程度の専門知識を必要とします。

適性や能力次第では正社員に登用されることもあるので、正規雇用での就職を目指す人が就職することもあります。

また、正規雇用よりも柔軟な働き方ができるということから、子育てや介護中の女性があえて派遣の学芸員を選択することもあるようです。