調理師の悩みや大変なことは? よくある職業病も紹介

調理師のつらいこと・大変なこと

勤務時間が長いのは当たり前

調理師として仕事をするなかで一番大変なのは、やはり勤務時間の長さです。

飲食店の現場では早出残業は当たり前で、手当てなどがつかない場合が多いです。

とくに、入って数年のうちは朝早くから夜遅くまで作業があり、プライベートがほとんどないといわれます。

重い食材を運んだり立ちっぱなしで作業をしたりと、体力を使う仕事ですので、腰痛を抱えている人や肉体的に厳しいという人も多くいます。

衛生管理に気が抜けない

近年、飲食業界は衛生管理に厳しくなってきました。

厨房の衛生管理はもちろんのこと、食品の賞味期限、正しい下処理など、お客さまに安心・安全な食を提供するためには一時たりとも気が抜けないのが調理師です。

調理師が衛生管理を怠って食中毒を起こしてしまうと、食の責任者である調理師は1年間の免許停止措置を受けることになります。

免許停止措置を受けていても業務として調理することは可能ですが、その調理師が店の食品衛生責任者になっていた場合、免許停止中の1年間は食品衛生責任者を別に置かなければなりません。

店にとっても本人にとっても大きな損失となるので、衛生面には気を抜けないのです。

コストカットを考えなければならない

近年は飲食業界でもコストカットの波が激しく、調理師は常に予算との戦いです。

「本当はもっといい食材を使いたいのに使えない」といった状況のなかでも美味しい料理を生み出さなければなりません。

店によってはコスト計算が調理師の仕事になっているところもあり、調理師の負担は昔に比べて増えているともいえるでしょう。

忙しい時は秒刻みでの作業

ランチタイムやディナータイムなどの店が繁盛する時間帯は、調理師は秒刻みで時間と戦うことになります。

忙しいときは食事をしている暇などなく、朝から晩まで働き通しということもあります。

また、ホテルやレストランの場合、ディナーの時間によっては勤務時間が深夜に及ぶこともしばしばです。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す(PR)

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

調理師の悩み

職場の人間関係やパワハラに悩む人も

調理師のなかには職場の人間関係やパワハラに悩んでいる人も少なくありません。

レストランや料亭、ホテルなどの厨房は料理長やシェフが仕切っていることが多く、一般的に上下関係が厳しいといわれています。

ランチやディナータイムなどの忙しい時間帯、結婚式場などの提供時間が決められた現場ではシェフの怒号が飛び交うことも珍しくありません。

また、料理長や先輩の調理師が気に入らない部下に嫌がらせをしたり暴言を吐いたりといったパワハラが問題になるケースもあります。

飲食業界には常に時間に追われている職場が多く気が立ちやすくなるからか、「調理師は厳しい・性格悪い」といったイメージがあるのも事実です。

体育会系の雰囲気や人間関係に慣れていない人にとっては辛いと感じやすい職業かもしれません。

調理師の職業病

腰痛、ぎっくり腰

厨房での仕事は基本的に立ち仕事です。

1日何時間も立ちっぱなしになるだけでも大変ですが、調理師の場合は洗い物や仕込みなどで中腰の姿勢を長時間続けることが多いため、どうしても足腰に負担がかってしまいます。

1日の仕事が終わると、足がパンパンにむくんだり、腰まわりの筋肉がガチガチに張ったりすることがよくあります。

調理師として毎日大勢の人の料理を作るというのは、家で数人分の料理を作るのとはわけが違います。

調理師にとっては、重い食材や調理器具を持ち上げたり運んだりすることも日常茶飯事。

このような生活を続けていれば腰痛も次第に慢性化してしまいます。

こまめにストレッチをしたり、休日にマッサージへ行ったりして対処しますが、ひどくなるとぎっくり腰になる人もいます。

腱鞘炎、手荒れ

腱鞘炎も、調理師につきまとう職業病の一つです。

もちろん全員が必ずなるわけではありませんが、重いフライパンをひたすら振り続けたり、包丁を使って1日中食材を切り続けたりすると、手や腕には相当な負担がかかります。

腱鞘炎は安静にしないとなかなか治らないといわれていますが、「腕が痛いから」という理由で簡単に仕事を休むわけにはいきません。

病院に行き、強い痛み止めや湿布などをもらって痛みをごまかしながら仕事をこなしていくといった大変な思いをしたことのある調理師は多くいるようです。

また、調理師は頻繁に手を洗ったり、食器や調理器具などの洗い物をしたりする機会が多いため、どうしても手が荒れがちになります。

ひび割れやあかぎれになりやすく、なかなか治らずに悩んでしまうのもこの仕事ならではの職業病といえるでしょう。

調理師を辞める理由で多いものは?

過酷な労働環境

調理師が仕事を辞める理由として多いのが、過酷な労働環境に耐えられないというものです。

調理師が働く外食産業や飲食業といったサービス業は、一般的に労働条件が悪く勤務時間も長い場合が多く、離職率の高い業界だといわれています。

開店前の仕込みから閉店後の片付けまで12時間以上の勤務となる現場も珍しくありません。

肉体労働かつ立ち仕事である調理師の仕事を身体的・体力的な理由で辞めてしまう人は非常に多いです。

給料が安い

調理師の給料は決して高いとはいえません。

経歴が長いベテランの調理師や個人店のオーナー、ホテルのシェフになれば高い収入も期待できますが、下積みから中堅の給料では自分の生計を立てるのがやっとなほど。

生活の質を向上させるため、結婚して家族を養うために調理師を辞めるというのもよくあることです。

調理師としての将来が不安

調理師のなかには将来的に独立して自分の店を持ちたいと考えている人がたくさんいます。

しかし、若いころは独立という夢があったからこそ頑張ることができた調理師の仕事も、30代40代という年齢に差し掛かると「本当にこのまま続けていていいのか」という不安がよぎるといいます。

実際に店を開業して成功する人はほんの一握りだという現実を見て、調理の業界を去ってしまう人も少なくありません。