調理師になるには・調理師免許とは?

調理師になるには

調理師免許を取得する方法は2つあります。

1.調理師学校(養成施設)に入学し、1年以上勉強し卒業することによって、無受験で調理師免許を取得することができます。
2.飲食店などで2年以上実務経験を積み、調理師試験に合格することによって調理師免許を取得することができます。

1、2のどちらのルートも一長一短です。

調理師学校では料理の基礎から学ぶことができますが、調理師学校に行かなくても実務経験があれば、調理師試験を受けることができます。

現場に出た時にものを言うのはやはり実務経験です。

学校で習う知識は確かに大切ですが、免許の有無に関わらず就職後は下積みの雑用係からスタートします。

免許を持つことで就職のチャンスが広がる可能性もありますが、それに捉われる必要はありません。

中卒で未経験者可の求人を探し、下積みから始めて2年後に調理師免許を習得するという方法もあります。

調理師の見習い・修行期間

下積みなくして一人前にはなれない

専門技術や知識が求められる調理師は、一般的に師匠の下で「見習い」として修行を積みながら、一人前を目指していきます。

ただ調理師免許を取りたいということであれば、専門学校などの調理師養成施設に入学し、必要な知識を1年以上学べば無試験で得ることが可能です。

しかし、いざ現場に出てみれば、そこで問われるのは「どれだけの腕があるか」ということ。

学歴や年齢などは関係なく、腕のある人が認められ、そして生き残っていけるのです。

一流の調理師、料理人を目指すうえで修行を避けることはできないといっても過言ではありません。

見習い時代の生活

調理の世界は師弟関係が強く、飲食店などに勤める新人調理師は、まず「見習い」という立場で扱われます。

店にもよりますが、見習い時代の仕事は、基本的に掃除、調理器具や食材の準備、洗い場などが中心となります。

最初の1〜2年間は洗い場ばかりを担当し、まったく包丁を持たせてもらえないといった職場もあるようです。

朝は先輩より早く出勤して店の掃除や仕込みを行い、営業時間後も最後まで残り、調理器具の片づけや翌日の準備などをするため、1日12時間以上働く日もざらにあります。

忙しい時期は、ほぼ休みなく1日中厨房内を動き回るようなこともあり、心身ともにタフでなくてはやっていけません。

それだけ働きながらも、給料は決して高いとはいえません。

場合によっては手取り10万円程度ということもあり、仕事のハードさや労働時間に見合わないという理由で、すぐ辞めてしまう人もいます。

もちろん、すべての店がこうした状況なわけではありませんし、日本料理、フランス料理などのジャンルによっても覚えるべきことは少しずつ異なります。

しかし、どのような道に進むとしても、新人が最初から戦力として扱われることは基本的にありません。

料理に対する強い情熱を持ち、下積み生活を乗り越えていくことで、徐々に難易度の高い仕事を任せてもらえるようになります。

新人、見習い時代の苦労は、料理人を目指す人にとって避けられない道なのです。

調理師の資格・難易度

調理師免許とは?

調理師免許とは、「調理師」と名乗って仕事をするうえで必須となる国家資格です。

調理師法に基づき都道府県知事が行う調理師試験に合格し、各都道府県の調理師名簿に登録されると、調理師と名乗ることができます。

しばしば誤解されますが、レストランなどで調理の仕事をするうえで、調理師免許の取得は必須ではありません。

調理師免許がなくてもお客さまに料理を提供できますし、店の開業も可能です。

ただし、無免許で「調理師」と名乗れば法律で罰せられるため、その点には注意が必要です。

調理師試験の難易度、合格率

調理師免許を取得するメリットは?

調理師免許がなくても調理の仕事はできますが、ここでは調理師免許を取得するメリットを挙げてみます。

・調理に関する専門知識が身につく
・調理師としての技術や技術があることを証明できる
・就職先の選択肢が広がる

調理師免許がなくても働ける飲食店は多々ありますが、一方で、調理師免許を保有していることを採用条件とするところも少なくありません。

そのため、調理師免許を持っていれば就職先の選択肢が広がります。

また、調理師免許取得のための勉強課程で、調理の正しい知識が身につくこともメリットといえるでしょう。

調理師試験の難易度は?

調理師試験の合格率は一般的に60%〜65%くらいです。

他の国家試験に比べると合格率は高めですが、調理師試験は年々難しくなりつつあるようです。

調理師資格の試験は食文化論、衛生法規、公衆衛生学、栄養学、食品学、食品衛生学、調理理論の中から出題されます。

試験自体の難易度はそれほど高くなく、数ヶ月ほど集中して勉強すれば合格できるといわれています。

ただし、調理師の世界は腕と実務経験こそがものを言うため、資格取得後も技術の向上に励む必要があるでしょう。

調理師免許を持たずに開業する人も

独立開業している調理師でも、調理師免許を持っていない場合があります。

若いうちから飲食業界に入り、師匠の下で何年も修行を積んで実力を磨いていき、いざ独立という道筋をたどってきたような人の場合、特別に調理師免許を持っていなくても腕は確かということはよくあります。

調理師免許は国家資格ではありますが、開業するためのものではなく、調理人としてさらなるステップアップを目指す人が取得するケースが多いようです。

ただし、調理師法の改正によって、最近では「飲食店で調理師免許を置くように努めなければならない」といった努力規定が設けられるようになっています。

今後、飲食業に携わるうえで調理師免許取得が義務化される可能性もゼロではありません。

調理師になるための学校の種類

調理師専門学校

和食やフランス料理、イタリア料理など特定料理の調理師を目指す場合は、調理師専門学校に行くことで、上位の資格習得や海外留学のチャンスが生まれるなど、さまざまな恩恵を受けることができます。

幅広い経験を積みたい場合や、ホテルやレストラン、福祉施設などで働きたい場合は、調理師専門学校に行くことを考えるとよいでしょう。

調理師専門学校以外の学校

専門学校に行く以外にも、高校や短大などの調理科を卒業すると調理師免許が交付されます。

高校や短大に行きながら資格を取りたいという人には、調理科のある学校へ通うのがおすすめです。

先に免許を取らなくてもよい

飲食関係に勤務するすべての料理人が調理師免許を持っているわけではありません。

調理師免許を持たずに何年も仕事をしている人も多くいます。

また、ラーメン店、そば職人、すし職人などの場合は、調理師免許を取るよりも、見習いとして就職し、経験を積んだほうがよいこともあります。

調理師養成施設にはどんなところがある? 専門学校・大学の違い? 学費・費用はどれくらい?

調理師に向いている人

とにかく料理が好きな人

調理師は基本的に勤務時間が長く肉体的にもハードな仕事です。

下積み期間は給与も少なく料理長やシェフなどの厳しい言葉に辛い思いをすることもあります。

調理師として一人前になるまでの辛さを乗り越えるには、とにかく料理が好きで、「自分の料理で人を笑顔にしたい」という強い思いを持ち続ける必要があるでしょう。

粘り強く向上心のある人

調理師の世界は上下関係が厳しく、縦社会です。

料理長や先輩の指導には多少の不満があっても従うという暗黙のルールがある職場も多いです。

理不尽なことがあっても粘り強く頑張れる人や、厳しい環境でも夢を持ち続けられる人、体育会系の部活経験のある人などは、調理師の世界になじみやすいといえます。

正確な味覚とセンスがある人

調理師は人々においしい料理を提供し、楽しんでもらうのが仕事です。

誰が食べてもおいしいと感じられる料理を作るためには、正確な味覚を持つことが何よりも重要です。

また、盛り付けの美しさや味付けのバランスなど、味覚センスや芸術的な感性が求められる仕事でもあります。

調理師に向いている人・適性・必要なスキル

調理師のキャリアプラン・キャリアパス

調理師免許を取得すれば「調理師」と名乗って働き始めることができます。

しかし、実務経験がない場合はすぐに調理をさせてもらえるわけではなく、まずは見習いとして修行からスタートするのが一般的です。

厨房の掃除や片付け、食材の下処理、皿洗いなどの雑用をこなす下積み期間を乗り越えてはじめて、実際の調理や盛り付けを担当することができます。

調理の経験を積んで職場内での地位が上がれば、食材の仕入れやメニューの考案などにも携わるようになります。

さらに腕が認められると料理長やシェフのポジションを任せられたり、独立開業の選択肢が見えてきたりします。

調理師を目指せる年齢は?

調理師資格の受験に年齢制限はありません。

調理師学校などで1年間の専門課程を修了するか、現場での実務経験が2年以上あれば、年齢に関係なく調理師資格を得ることができます。

調理師養成施設のなかには、社会人・働きながら資格を取りたい人に向けたコースを設置しているところもあります。

調理師になりたいという強い思いがあれば、30代や40代から調理師になることも不可能ではありません。

ただし、調理師の世界は見習いからのスタートが一般的です。

下積み期間が長く給与が低いことも多いため、できるだけ若いうちから目指すのが現実的だといえるでしょう。

調理師の心がまえ、大切なこと

「食」への飽くなき探究心と信念

調理師にとって大切なのは、日々調理の技術を磨くことはもちろんですが、その基本は「食」にどれだけ強い思い入れを持てるかということです。

誰かに「こうしなさい」と言われる前に、自分自身で日々、食材や調理法、衛生管理などについての研究を重ねていく。

そうしたことが自然とできる人でなければ、なかなか調理師として成功するのは難しいでしょう。

調理師は人気の職業であるため、次から次へと有望な人材が出てきます。

競争の厳しい職場においては、「こいつは知識がない、使えない」と判断されれば、簡単に首を切られてしまうこともあります。

そういった中で「一流の料理人」と言われるような存在を目指していくのであれば、「自分はこういう料理を作るんだ」という信念を持ち、それに向かって真剣に努力を続けることが、とても重要になってきます。

ただ調理をするだけなら素人でもできること。

だからこそ、「自分の料理でお客さまを笑顔にしたい」、「感動を与える料理を生み出したい」といった情熱こそが、調理師として成長していくための原動力になるのです。

厳しさは当たり前だと考える

調理の仕事は、経験と技術こそがものをいう世界です。

そのため、一人前になるまではつらいこと、大変なことのほうがずっと多いと考えておいたほうがよいでしょう。

飲食店に勤める場合、一般的な会社に就職するのとは、だいぶ異なる生活を送ることになります。

見習時代は給料をもらいながら仕事を覚えていきますが、最初は雑用的な仕事がほとんど。

また、上下関係の厳しい世界であるため、先輩に怒鳴られながら何とかついていくといったように、心身ともにハードな日々を過ごすことになるかもしれません。

こういった現実を知らないまま、「何となく楽しそう」、「なんでもいいから手に職をつけたい」といった安易な気持ちで仕事を始めた場合、現状に耐え切れず、あっという間に辞めてしまう人が大勢います。

いま第一線で活躍中の料理人たちも、多かれ少なかれ、みんな下積み時代を乗り越えて一人前になっています。

厳しい世界ではありますが、「必ず一流になってみせる」という覚悟があれば、ちょっとやそっとのことで簡単に夢をあきらめてしまうことはないはずです。

調理師は中卒・高卒から目指せる?

中卒から目指す場合

中卒で調理師免許を取得したい場合は、調理について学べる学校に進学するか、飲食店で2年以上働き、調理師国家資格の受験資格を得る方法が挙げられます。

このうち、中卒者が進学できる調理関連の学校として、3年制の「高等専修学校」があります。

これは、都道府県知事が認可する専修学校のうち、「中学校卒業程度以上の者」が入学資格として認められているため、中卒者でも進学することが可能です。

そのほか、数は多くありませんが、調理師養成指定機関に認定された「調理科」を置く高校もあります。

このような学校に3年間通えば、卒業と同時に高校卒業の学歴と、調理師免許を併せて取得することが可能です。

高卒から目指す場合

高卒から調理師免許を取得したい場合も、中卒と同様に調理について学べる学校に進学するか、飲食店で2年以上働き、調理師国家資格の受験資格を得る方法が挙げられます。

高卒者が進学できる調理関連の学校として、厚生労働大臣が指定した調理師専門学校があります。

ここで1年以上勉強して卒業すれば、試験を受けずに調理師免許を得ることができます。

そのほか、「調理師専攻」を置く短大で学べば、短大卒の学歴と調理師免許を同時に得ることもできます。

調理師免許を取らずに料理人を目指す道も

意外に知られていないことでもありますが、たとえ調理師免許がなくても、調理の仕事をしたり、料理人を目指したりすることは可能です。

全国には、和食や洋食をはじめ、業態さまざまな多くの料理店が存在します。

基本的に学歴はあまり問われない世界であるため、たとえ中卒であろうと高卒であろうと、意欲さえあれば雇ってくれる店もたくさんあります。

そういった店に「見習い」として入り、修行を積んでいけば、学歴関係なく立派な知識や技術を持った料理人としてキャリアを築いていけるでしょう。

ただし、店で修行をする場合、その店のオーナーや料理長の技術を間近で見ながら覚えていくことになります。

自分がどのような料理人になりたいのかをしっかりと考えたうえで、修行先を選ぶようにしたいものです。

調理師は女性でもなれる?

調理師というと男性が活躍しているイメージが強いかもしれませんが、もちろん女性でもなることができる職業です。

最近では、一流シェフや一流の料理人としてメディアに取り上げられたり、海外で活躍したりする女性の調理師も目立っています。

しかし、飲食業界は肉体的にも精神的にもハードな現場が多く、女性だからといって厳しさの程度に差がつくわけではありません。

レストランやホテルなどの厨房では男性と同等の体力が求められることを覚悟する必要があります。

病院や福祉施設、学校の給食センターなどであれば労働時間も安定しているため、女性の調理師にとっても働きやすい職場だといえるでしょう。

女性の調理師のキャリアパス・結婚後の生活