地方公務員の退職金(退職手当)の平均支給額は? 計算方法も紹介

地方公務員の退職金とは

地方公務員が受けられる手当の一種

地方公務員の退職金(退職手当)とは、地方公務員の職員が退職(死亡による退職を含む)する際に、本人あるいはその遺族に支給される「手当」のことをいいます。

地方公務員の退職自由としては、定年退職のほか、勧奨退職、整理退職、公務外・公務上の死亡傷病退職、普通退職(自己都合および勤続期間10年以下の定年退職)などがあります。

なお、懲戒免職等の処分を受けたときには、原則として退職手当が支給されません。

地方公務員の定年は何歳?

地方公務員の定年は、地方公務員法により「国家公務員の定年を基準として条例で定めるもの」とされており、国家公務員と同様、原則として「60歳」となっています。

ただし、一部の職種では63歳や65歳くらいを定年と定めるものもあります。

なお、最近では公務員全体の定年年齢の引き上げが検討されており、近い将来には定年が65歳になる可能性があります。

もし国家公務員の定年が65歳に引き上げられた場合には、地方公務員も同様に定年年齢が変わるかもしれません。

退職手当はどれくらいもらえる?

支給額の計算方法

地方公務員の退職手当の計算方法は、以下の通りです。

「基本給(退職または死亡の日における給料月額)×退職理由別及び勤続年数別支給率+調整額」
※調整額とは、在職期間中の貢献度を反映したいわゆる「職責ポイント」のような制度です。

職員の区分(在職中の一定期間)に応じた点数を合計したものに、単価を乗じて算出されます。

退職事由によって付加されなかったり、付加される額に制限があります。

実際の支給額はどれくらい?

退職金の支給額を決めるひとつの要素となる「支給率」は、退職理由と勤続年数によってだいぶ異なっています。

よって、人によってもらえる退職金の額には差がありますが、たとえば、平成30年度における60歳で定年退職した人(一般行政職)の平均支給額は以下の通りです。

都道府県

約2236万円

政令指定都市

約2325万円

市区町村

約2217万円

一方、事由に関わらず、平成29年4月1日~平成30年3月31日に退職した人(一般行政職)の平均支給額は以下の通りです。

都道府県

約1485万円

政令指定都市

約1833万円

市区町村

約1702万円

地方公務員の退職金は「基本給」がベースとなるため、勤続年数が長く、年齢も高くなっている定年退職者であれば、退職金の額もより高くなっています。