ビオトープ管理士になるには? 必要な資格はある?

ビオトープ管理士になるまでの道のり

ビオトープ管理士の資格を取得する

ビオトープ管理士になるには、まず「公益財団法人 日本生態系協会」が実施する「ビオトープ管理士資格試験」を受験し、合格することが第一歩となります。

この資格試験は「ビオトープ計画管理士」と「ビオトープ施工管理士」の2種類に分かれています。

ビオトープ計画管理士は都市計画、農村計画といった地域計画のプランナーとして、ビオトープ施工管理士は設計・施工にあたる事業現場担当の技術者としての役割を担います。

国家資格ではなく、医師弁護士のように、この資格がなくてはできない業務が法律で定められているわけではありません。

しかし、専門知識が必要とされる資格であり、建築や造園などを手掛ける企業を中心にビオトープ管理士の資格を持つ人が活躍しています。

ビオトープ管理士の就職先

ビオトープ管理士のおもな就職先・活躍の場としては、土木会社、造園会社、建設会社などの民間企業が挙げられます。

これらの場では、ビオトープ管理士としての専門性に加え、土木や造園関連の知識・技術まで併せ持つ人が求められる傾向にあります。

現場でプランニングや設計・施工などの業務経験を積みながら、キャリアアップを目指していくのが一般的な働き方となるでしょう。

また、環境省や国土交通省、農林水産省といった中央省庁、また地方自治体では、ビオトープ管理士の資格を持っていることが業務の入札条件や評価基準とされています。

そのほか、自然環境保護関連のボランティア団体で活動する人もいます。

求人は多くはない

近年では、製造や不動産、農業など、あらゆる業種において「生物多様性」や「持続可能な社会」という言葉がうたわれるようになっており、自然事業の専門家としての役割を担えるビオトープ管理士の活躍の場は拡大傾向にあります。

しかし、ビオトープ管理士としての求人がそこまで多いわけではなく、あくまでも他の業務に携わりながら、ビオトープ専門士として培ってきた環境や自然の専門知識を生かして働くのが一般的です。

したがって、ビオトープ管理士の資格を持っているからといって、それだけで有利に就職できるというわけではないと考えておいたほうがよいでしょう。

ビオトープ管理士になるまでのルート

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ビオトープ管理士の資格・難易度

ビオトープ管理士資格とは?

ビオトープ管理士の資格試験は、「ビオトープ計画管理士」「ビオトープ施工管理士」ともに「2級」は誰でも受験可能です。

「1級」については受験資格として、以下のいずれかを満たす必要があります。

1. 4年制大学卒業後、7年以上の実務経験を有する者
2. 大学院(土木、造園、農業、生物関係に限る)を卒業後、5年以上の実務経験を有する者
3. 短期大学・専門学校・高等専門学校卒業後、9年以上の実務経験を有する者
4. 高等学校卒業後、11年以上の実務経験を有する者
5. 中学校卒業後、14年以上の実務経験を有する者
6. 技術士(建設、農業、林業、水産、環境の5部門に限る)の資格を取得後、4年以上の実務経験を有する者
7 .ビオトープ管理士2級取得後、7年以上の実務経験を有する者
8. 1級土木施工管理技士・1級造園施工管理技士資格所有者で、実務経験4年以上
9. 2級土木施工管理技士及・2級造園施工管理技士資格所有者で実務経験7年以上
10. 実務経験14年以上の者

なお、ここでいう「実務経験」とは、地域計画事業における計画、設計、研究、分析、評価などの実務や、野生生物の調査や環境改善といった自然環境の保護・保全、復元、創出に関する活動などです。

ビオトープ管理士会で情報収集

ビオトープ管理士の有資格者は、「日本ビオトープ管理士会」に加入して、ビオトープに関連するさまざまな最新情報を得たり、勉強会・イベントに参加したりすることができます。

資格の活用方法や、ビオトープ管理士として活躍している人の姿も知ることができるため、こうした場を積極的に利用しながら、スキルアップを目指していくとよいでしょう。

ビオトープ管理士試験の難易度、合格率

ビオトープ管理士になるための学校の種類

計画管理士、施工管理士共に、2級は誰でも受験可能ですが、1級には以下のような受験資格があります。

・4年制大学を卒業した場合、実務経験7年以上
・関係する大学院を卒業した場合、実務経験5年以上
・短大、専門学校、高専卒の場合、実務経験9年以上
・高卒の場合、実務経験11年以上

また、中卒など、上記のいずれに当てはまらない場合でも、実務経験を14年以上積めば誰でも受験資格が得られます。

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ビオトープ管理士に向いている人

ビオトープ管理士の業務は専門性が高く、自然生態系の保全や再生を行うことに特化しています。

自然保護への意識が高く、自然や生き物を守りたいという意思の強い人が向いています。

またビオトープ管理士として働きだした後も、環境に関連した法律知識を修得し続けねばならないため、自然に関することを意欲的に学び続けられる人が向いているでしょう。

ビオトープ管理士に向いてる人・適性・必要なスキル

ビオトープ管理士のキャリアプラン・キャリアパス

働きながら資格取得を目指す

土木会社や造園会社などに入社する時点で、ビオトープ管理士の資格を持っていなくてはならないというわけではありません。

造園業や土木業などの会社へ就職し、自然や環境と関わっていく仕事をしているうちにビオトープの概念や重要性を知ることになり、ビオトープ管理士の資格取得を目指す人も多いです。

とくに1級の資格になると、たとえば4年制大学卒業後であれば「通算で満7年以上」の実務経験が必要になります。

ビオトープに関連する事業を手掛ける会社に入社して業務経験を積み、自然事業についての専門性を深めていくケースが多いようです。

2級資格については誰でも受験できるため、学生のうちに資格を取っておくことで、就職試験の際のアピール材料にすることは可能です。

ただし、募集職種として「ビオトープ管理士」が出されることはまれであるため、あくまでも企業が求める人材像に合致している必要があります。

他の国家資格等も併せ持つ

ビオトープ管理士の資格を持つ人が、より有利な条件で転職したり、活躍のチャンスを掴んだりするためには、業務に関連する他の国家資格を併せ持つとよいといわれています。

たとえば造園業であれば「造園施工管理技士」、土木業であれば「土木施工管理技士」などがあると、造園工事や土木工事の際に携われる業務の幅も広がり、より高く評価されやすくなります。

ビオトープ管理士を目指せる年齢は?

ビオトープ管理士の資格は、2級はどのような人でも受験可能で、年齢や学歴に関係なく取得が可能です。

造園や土木、建設などの業種の企業への就職・転職を考える人が先に取得し、その資格をアピール材料として採用試験を受けるケースも見られます。

ただし、この資格があれば大きく有利になるというわけではなく、それよりも業務に関連する実務経験を持つ人のほうが優遇されることが多いようです。

ビオトープ管理士は女性でもなれる?

女性ビオトープ管理士の需要

ビオトープ管理士は、資格制度がスタートしてから20年以上が経過し、すでに1万人以上の有資格者が誕生しています。

環境や自然保全の重要性が強くうたわれるようになり、ビオトープという領域への注目度は時代とともに増しているといえるでしょう。

もちろん女性のビオトープ管理士の有資格者もいます。

ただし、この資格は土木や造園、建設といった業種で働く人が取得する例が多く、これらの業種の企業はそもそも男性の比率が高くなっているのが現状です。

女性が第一線で活躍する姿はなかなか目立ちにくいかもしれませんが、男女関係なくビオトープ管理士として働いていくことは可能です。

活躍の仕方はさまざま

現状では、ビオトープ管理士という職名で求人が出されることは少なく、あくまでもプラスアルファの能力を持つ人材として評価される例が中心となっています。

とはいえ、活躍の場は多岐にわたり、土木や造園系の民間企業のほか、公務員として役所の自然・環境課などで働く人もいます。

近年では、ビオトープ管理士だけが扱える「ビオトープ事業」も増加しているといわれ、今後も活躍の場は広がっていくことが期待できます。

また、NPO団体などを立ち上げて活動したり、自然と関わるボランティア活動で、ビオトープ管理士としての知識を生かしたりしている人も多いです。

働き方の模索

ビオトープ管理士は、この資格があれば必ず就職できるわけではありません。

資格を持ってどのような働き方や仕事をしていきたいのか考えることが重要といえるでしょう。

専門性を高めれば、女性でも自分らしくやりたいことを実現させられる可能性は高まります。

女性に限ったことではありませんが、資格取得がゴールではなく、何のためにこの資格を取ってどう活躍していきたいのかをしっかりとイメージしてみるとよいでしょう。