弁理士の志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?
弁理士を目指すきっかけで多いものは?
日本には、石油や天然ガスといったエネルギー資源も、レアメタルなどの地下鉱物資源もありません。
それでも、日本がこれまで世界経済で大きな存在感を示してきたのは、他国の追随を許さない技術開発力があったからです。
それらの技術を権利化し、法律分野から日本経済の発展を支えるという弁理士の業務は社会的意義が非常に大きく、可能性と魅力を感じて弁理士を目指す人は大勢います。
今後、少子高齢化が加速してマンパワーも乏しくなれば、より産業技術に頼ることになると想定されるため、弁理士のさらなる活躍が期待されます。
また、弁理士は理系知識をそのまま実務に生かすことのできる、数少ない国家資格でもあります。
大学、大学院を通じて研究に打ち込んできた人が、就職活動の時期を迎え、培ってきたスキルを使って安定的に働ける職業がないかと模索した結果、弁理士にたどり着くケースは少なくないようです。
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弁理士の志望動機の考え方
弁理士として手掛けることのできる業務分野や就職先の業界などは、学生時代を通じて自身が培ってきた知識やスキル、経験などと密接な関係性にあります。
従って、志望動機を考える際は、これまでの自身のキャリアをベースにして、そこから自身の考え方や将来についての展望などを述べていくと、自然と説得力のある流れとなるでしょう。
理工学部で研究していたので実用新案を手掛けたい、法学部で法律を勉強していたので訴訟業務を取り扱いたい、外国語に自信があるので国際出願に携わりたいといった志望動機が比較的多く見受けられます。
反対に、文系出身だけれども工業特許を手掛けたいというケースなど、まったく畑違いの業務を志望する場合は、採用面接においても、また実務面においても、一気にハードルが高くなります。
どうしてその分野に関心があるのか、どうやって必要な知識を身につけるのかなど、具体的なプランを交えて志望動機を練る必要があるでしょう。
弁理士の志望動機の例文
特許業務を志望する場合の例文
「私は幼少の頃から機械いじりが好きで、大学・大学院では機械工学を専攻して参りました。
当初は技術者として進む道を志していましたが、就職活動を通じて弁理士という職業を知り、知的好奇心が強く、さまざまなことに興味がある自分には天職ではないかと考えるようになりました。
御社事務所は、多数の機械メーカーを顧客にもち、工業特許取得に専業しておられる点を魅力的に感じました。
修士課程・博士課程を通して培ってきた専門知識を、御社の業務に生かしたいと考えております。」
意匠業務を志望する場合の例文
「私は美術館や博物館めぐりが趣味で、アートやデザインについて興味があります。
大好きなファッションデザイナーが海外企業とデザイン面で訴訟になっているというニュースを見て強い衝撃を受け、デザインを権利化するということの重要性を学びました。
御社の事務所で、意匠権や商標権の登録業務に携わることで、大好きなデザインやアートを守るお手伝いができればと思い、御社を志望いたしました。
インテリアデザインの専門学校に通っておりましたので、デザインに関する知識には自信があります。」
国際出願業務を志望する場合の例文
「私が御社の事務所を志望したのは、御社が海外にも拠点をもち、国際出願業務を積極的に手掛けておられるからです。
私は高校時代にホームステイしていたこともあって、異文化コミュニケーションに興味があり、大学では留学生を支援するサークルに所属していました。
自分が身につけてきた国際感覚や語学力を生かせる職業として弁理士を知り、一念発起して資格を取得しました。
国際出願は将来性も十分にある魅力的な仕事ですので、自分のスキルを磨いて、長く勤め続けたいと考えています。」
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弁理士の面接で聞かれること・注意点
弁理士の採用面接で尋ねられることとしては、志望動機や学生時代の経験などの一般的な内容に加えて、「あなたの研究テーマを教えてください」という質問がよくあります。
この際に注意すべきなのは、面接官は研究テーマそのものを知りたいというより、一般には理解が難しい研究内容を、予備知識のない人間相手にどの程度わかりやすく説明できるかを見ているということです。
弁理士には、もちろん専門知識も必要ですが、それと同時に、複雑な技術を簡潔に伝えられる、高いコミュニケーション能力も必要になります。
研究内容についての説明が詳細におよびすぎたり、あるいは熱を帯びすぎたりすると、弁理士でなく研究者のほうが向いているのではないかという印象を与えかねません。
面接においては、企業や大学の研究職と弁理士、似通っているようでいて求められるものが異なる2種類の職業を混同しないように気をつけましょう。
弁理士の自己PRのポイント
弁理士試験は合格率数パーセントの難関であり、平均合格年齢は30代が最も多くなっています。
したがって、学生の間に資格を取得できるに越したことはないものの、就職時点では資格未取得であるという可能性も大いにあります。
このため、採用面接の自己PRにおいては、勉強が得意であることや、知識が豊富であること、弁理士になりたいという熱意が強いことなどを面接官に示すことが望ましいといえます。
資格取得にはいたっていないまでも、もし短答式試験に合格していれば、ほかの就職希望者との差別化につながります。
また、弁理士は高度な専門職であるものの、お客さまあっての商売であることには変わりないため、喋り方や服装、立ち居振舞いに気をつけ、礼儀正しい人物であることをアピールしましょう。
弁理士の履歴書で気をつけるべきことは?
弁理士は、知的財産法をはじめとする法律知識を基盤として、プラスアルファのスキルがものをいう職業です。
とくに理工学部出身者の場合、保有する理系知識次第で就職が決まることもあります。
履歴書における学歴や経歴を記載する際には、大学名や学部・学科といった単なる事実の羅列だけでなく、専攻分野や手掛けていた研究内容に至るまで、詳細に言及するべきです。
履歴書に収まりきらないなら、A4用紙1枚~2枚ほどの分量に、これまで取り組んできた成果などを簡潔にまとめるとよいでしょう。