アパレル店員の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介
アパレル店員と聞くと、洋服の販売スタッフを思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし、アパレル店員の仕事は、ショップに立って商品を販売するだけではありません。
ここでは、アパレル店員の業務内容や求められる能力とともに、アパレル店員の仕事を詳しく解説します。
アパレル店員の仕事とは
アパレル店員は、アパレルショップで洋服を販売する仕事です。
来店するお客さまに着こなしなどのアドバイスをするほか、
- 検品作業、タグ付けなどの商品管理全般
- 店舗レイアウト
- 試着のサポート、レジ業務などの接客
など、販売に関する幅広い業務を行います。
また、店内の清掃やディスプレイ商品を整えるなど、お客さまが快適にショッピングを楽しめる店づくりもアパレル店員の重要な仕事です。
一方、キャリアを積んでいくにつれ、
- 売上管理
- スタッフの教育やシフト調整
- 顧客情報管理
など、お店のマネジメント業務を任せられます。
さまざまなお客さまと接するため、ファッションの流行を敏感にキャッチできなければなりません。また、高いコミュニケーション能力や、明るく前向きな性格が求められます。長時間の立ち仕事となるため体力も必要です。
単にファッション好きなだけでなく、お店の「顔」として責任感と自覚が求められる仕事です。
アパレル店員の業務内容
販売、接客、サポートを担当
アパレル店員は、アパレルショップで洋服を販売するのが主な仕事ですが、それに以外にも、販売に付随する幅広い業務を担います。
来店してくれたお客さまに対して、明るく気持ちの良い接客を行うのはもちろん、洋服選びに悩んでいるお客さまへのアドバイスや試着のサポート、レジ業務などを行います。
また、お客さまに快適なショッピングを楽しんでもらうため、清掃や商品を整えるなど、店内の整頓も欠かせません。
そのほか、仕入れた商品の検品作業やタグ付け、在庫管理、店舗内のディスプレイなども重要な仕事の一部です。
昇進すると店舗マネジメントも行う
未経験者の場合、最初はいち店員としてスタートしますが、キャリアを積むことでマネージャーや店長などにまで昇進することもできます。
接客や商品管理を行うだけでなく、スタッフの教育・管理を任されたり、毎月の売り上げ目標を立てたりと、店舗運営に直接関わる仕事にも携わることになります。
接客のプロとしての責任を担う
アパレル店員にはさまざまな仕事がありますが、なかでも店員には「接客のプロ」であることが求められます。
お客さまに心地よく買い物をしてもらうため、一般常識やマナー、コミュニケーション力を身につけていることはもちろん、自店舗で扱う商品や流行のファッションについて、広く深い知識を持っている必要があります。
店員自身のセンスも問われる
いくら素晴らしい商品を並べていても、それだけで商品が売れるとは限りません。
お客さまがオシャレでセンスのよい店員の姿を見ることで、「自分もこんな風に着こなしたい!」という購買意欲に繋がることも少なくありません。
アパレル店員は、いつでも「お客さまに見られている」という意識を持って、自らのファッションセンスを高めていかなければなりません。
アパレル店員の勤務先の種類
アパレル店員が働くショップは、全国に展開するチェーン店から、個人が経営するブティックまでその規模はさまざまです。
百貨店で展開する高価な商品を扱うショップは、高級感を前面にだし、上質でゆったりとした接客が求められます。一方、ファストファッションブランドでは簡素な接客が好まれるなど、お店の特色によって求められる接客スタイルが異なります。
またブランドによっては、レディース商品に特化、ファッション小物に強みがあるなど取扱商品の構成もさまざまで、それに見合った商品知識を身に付ける必要があります。
アパレル店員の仕事の流れ
アパレル店員の仕事の流れは、各ブランドや店舗によって差があります。下記は、一般的な店舗の一例です。
アパレル店員の職業病にはどんなものがある?
いつでもファッションリーダーであり続けるアパレル店員の職場には、華やかで楽しいイメージを持つ人も多いでしょう。
しかし、アパレル店員だからこそ陥りやすい悩みもあるようです。
ここでは、アパレル店員がなりやすい職業病について、主な5つをご紹介します。
他の店舗の様子が気になる
アパレル店員はファッションの流行はもちろんのこと、他のアパレルショップの様子も気になることが多いようです。
アパレル店員になると、一般消費者であったときとは店を見る視点が変わってくるものです。
たとえば、他のお店のディスプレイ方法やレイアウトに目がいき、よいディスプレイがあればそれを参考に自分の店にも取り入れることがあります。
さらに、他の店舗でスタッフの接客を受けて感じが良かったときは、そのやり方を真似てみることもあります。
目当ての買い物はなくても、こうしたリサーチを兼ねてとショッピングモールや百貨店などに足を運ぶという人もいます。
洋服をきれいにたたむようになる
アパレル店員は仕事中、お客さまが手に取った洋服をたたみ直してきれいに整えます。
毎日繰り返すうちに洋服をたたむ技術はどんどん上達し、プライベートで買い物をしているときでも店員さんに代わってたたみ直したくなる、という人が多いようです。
自分が客として店を訪れているときは気にする必要がないにも関わらず、ディスプレイされている洋服はきちんと整頓されていないと落ち着かない人も少なくありません。
足腰が悪くなりがち
アパレル店員は長時間店頭に立ち、常に姿勢よく接客しなければなりません。
背筋の伸びた姿はとても美しく見えますが、その反面、慣れない姿勢を続けることで疲労がたまります。
また、店舗によっては高いヒールを履いて接客しなければならないこともあります。
ヒール履きのうえに1日中立ちっぱなしだと足がむくみやすくなり、腰にも大きな負担がかかります。
そのため、できるだけ足腰に負担のかからない靴を履いたり、休憩時間に脚のストレッチを行ったりするなど、工夫を重ねている人が多いようです。
インターネットやSNSでの反応が気になる
アパレル店員はファッションや流行に敏感な人が多いため、常にインターネットやSNSで最新の情報をチェックしています。
自分の働くブランドが新しいアイテムや主力商品を発売すると、
- 評判
- コーディネートの仕方
- どのような人が購入しているのか
をチェックする人も多いようです。
また、自分の働くブランドだけでなく、系列のブランドや他店の評判・人気アイテムなどを調べ、接客の参考にするという人もいるようです。
社員販売や社員割引で買い物をしすぎてしまう
アパレル店員は、社員販売や社員割引を利用して多くの買い物をします。
自分が仕事中に着用する服を買うのが基本ですが、アパレル店員はもともとファッションやおしゃれが好きな人が多いです。
そのため、気に入った服を色違いで購入したり、スタッフ同士お揃いで購入したりするなど、必要以上に買いすぎてしまうこともあるようです。
また社員販売の場合、給料から天引きされるなど後払いのことが多いので、ついつい買いすぎてしまうという人も多いようです。
アパレル店員の役割
営業時間中、アパレル店員の多くはそのブランドの服を身に付けて仕事をします。
アパレル店員は自らが広告塔となり、ブランドイメージを向上させる役割もあり、お客さまの見本となるような着こなしが求められます。
自分の得意なファッションや接客相手の年齢層、接客スタイルをイメージしたうえで、就職先を決めるとよいでしょう。
アパレル店員は服装も仕事のうち
店舗で販売するブランドの洋服を着用する
アパレル店員は、基本的に勤務先の店舗で販売しているブランドの洋服を着用して仕事をします。
お客さまにとって、アパレル店員はディスプレイと同じです。
洋服が棚に並べて置かれているよりも着用したときのイメージが湧きやすく、販売促進の効果にもなるといわれています。
また、アパレル店員も自分で商品を身につけることによって、その商品の特徴やおすすめのポイントをお客さまに伝えやすくなります。
シーズンごとに洋服代がかさむ
アパレル業界では、どのショップでも従業員向けの社員割引制度が用意されています。
いくら割引があるとはいえ、シーズンごとに新しい洋服をいくつも買い直すのは大きな出費です。
特にアルバイトや新人のアパレル店員の給料は低いことも多く、服代で生活がとても苦しいという声もよく聞かれます。
この悩みを抱えているアパレル店員たちは、コーディネートを工夫して、限られたアイテムでバリエーションを増やす努力をしたり、流行のアイテムはフリマアプリなどに出したりしてお金を作っている人もいるようです。
職場で決められた制服を着る
ブランドのなかには制服貸与制度があるショップもあります。
自分でコーディネートを考える必要がなく、お金もかかりません。ただし、アパレル店員としておしゃれをしたいと考える人にとっては、少々物足りなさを感じてしまうかもしれません。
この業界特有の慣習によって、いざ仕事を始めてから金銭面で不安を抱くことにならないか、よく確認してから勤務を開始したほうがよいでしょう。
アパレル店員の洋服代
アパレル店員の洋服事情
ブランドの顔となるアパレル店員は、自社ブランドの洋服や小物を身につけて売り場に立ちます。
自分で購入しなければならないことが多く、さらにシーズンごとに新しいものを揃えなければならないため、多くの費用がかかります。
働くブランドの価格帯にもよりますが、一般的な若者向けブランドで働く場合には、毎月平均3万円から5万円程度かけている人が多いようです。
洋服以外にもお金がかかる
いくら社員割引や社員販売制度で購入できるとはいえ、毎月何万円も洋服に使い続けるのは厳しいものです。アパレル店員としての経験が浅い人は生活が苦しくなり、離職してしまうこともあるようです。
また、アパレル店員は多くの人々から「見られる」仕事なだけに、洋服以外のところにも気を配っていなければなりません。
ネイルやメイクでは常にトレンドを取り入れたり、こまめに美容院へ通ってヘアスタイルを整えたりと、ファッションアイテム以外にも費用が掛かります。
アパレル店員になる人は、ファッションや美容そのものが好きという人が多いため、自分を美しく見せること自体は苦にならないかもしれません。しかし、必然的にお金がかかることが悩みです。
自分なりの節約法を見つけたり、上手な着回し方法を考えたりして工夫することがポイントになってくるでしょう。
アパレル店員の髪型・メイク・ネイルは自由にできる?
ブランドイメージに合うスタイルが基本
アパレル店員は他の職業と比べ髪型やメイクなどの自由度は高いといえるでしょう。
しかし、すべてのショップやブランドで自由というわけではなく、実際には細かな規定があるところも珍しくありません。
いくら規定がないとはいえ、あまりに奇抜な格好をしていると、店員としてふさわしくないと見られてしまうこともあります。
アパレル店員としての就業前には、髪型やメイク・ネイルについて勤務先によく確認しておくか、周囲のスタッフの様子をチェックしてみるとよいでしょう。
アパレル店員の髪型
アパレル店員の髪型は、比較的自由であることが多く、カラーリングをしていても過度に派手でなければ働けるショップは多くあります。
ただしキャリア系やミセス系のブランド、百貨店に入っているブランドの場合、明るすぎる髪型はNGとされているところが多く、ほとんどの店員が黒色や濃いブラウン程度としている場合もあります。
勤務先によって自由度に差はありますが、お客さまに不快感を与えないような清潔感ある髪型を心がけましょう。
アパレル店員のメイク
アパレル店員のメイクについては、一般的にさほど厳しく問われません。
まったく規定がないショップやブランドもありますが、ノーメイクは不可と考えておいたほうがよいでしょう。
アパレル店員は自社ブランドの洋服を着用して店頭に立つため、メイクについてもファッションの一部としてトータルコーディネートすることが大切です。
また、長時間売り場に立って接客をすることになるため、メイク崩れには気を付ける必要があります。
アパレル店員のネイル
アパレル店員は、お客さまに見られる仕事のため、手元まできちんとケアをしておくことが大切です。
ただし、業務で商品を畳んだりレジを打ったり伝票を書いたりと、手先を使うことも多いため、こうした作業に支障のないように注意しましょう。
ストーンを付けるなど派手なネイルアートは、商品を傷めてしまうおそれがあることから、ショップやブランドによってはNGとなっています。
ネイルをしない場合でも、手入れをせずにガサガサになっている手はお客さまに不快感を与えてしまうこともあるため、クリームやオイルでケアをしておくべきです。
アパレル店員と関連した職業
アパレル店員とファッションアドバイザーの違い
ファッションアドバイザーとは、アパレル店員のなかでも、お客さまに商品を提案したり、トレンドを取り入れた着こなしやコーディネートの仕方についてアドバイスをしたりする専門家です。
アパレル店員と似た仕事に、ファッションアドバイザーという職業があります。
アパレル店員と同じように商品管理や発注業務、商品の入れ替え作業なども行いますが、マーケティングや購買動向研究など販売以外の仕事も行うのが特徴です。
アパレル店員とアパレルメーカー社員の違い
アパレルメーカー社員とは、アパレル(衣料品)を企画製造し、卸売や販売を行っている会社で働く人のことをいい、アパレル店員もこの中に含まれます。
アパレル業務での配属先は
- 「販売部門」…主に店舗での接客を行う(アパレル店員)
- 「デザイン・制作部門」…主に洋服や靴などのデザイン生産を行う
- 「企画・管理部門」…どのような商品を作るかを考える
など、があります。
販売以外の部門では、メーカーが持つブランドのコンセプトやイメージに基づいて「魅力的な、売れる商品」を生み出す人たちが働いています。
アパレル店員の仕事内容のまとめ
アパレル店員はアパレル業界のなかでも、主に販売を中心とする幅広い業務をこなします。
業務形態やブランド知識は店舗ごとに異なるため、自分の目指したいブランドや得意とするジャンルを見極めて、就職先を選びましょう。
トレンド情報を敏感にキャッチしてセンスを磨くことで、業績にも自分磨きにもなるやりがいのある仕事です。