あん摩マッサージ指圧師の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介
基本的に器具は用いず、手のみで自然治癒力や免疫力を高め、症状の緩和を目的としています。
また、あん摩マッサージ指圧師は国家資格であり、国家試験を受験する必要があります。
この記事では、あん摩マッサージ指圧師の仕事内容について解説します。
あん摩マッサージ指圧師の仕事とは
あん摩マッサージ指圧師の仕事
あん摩マッサージ指圧師の仕事は、その名のとおり、
- あん摩
- マッサージ
- 指圧
の3つから成り立っています。
それぞれの手技(なでる・揉む・押す・さする等)を使って、身体をなでたり押したり揉んだりすることによって、血行の流れをよくし、こりや痛みを和らげ人の体の不調を改善する仕事です。
東洋医学にもとづく施術であり、基本的に器具は用いず、手のみを使います。
また、基本的には患部や症状に直接治療を施すのではなく、自然治癒力や免疫力を高め症状の緩和を目的としています。
かつては視覚障害者の割合が多い職業でしたが、近年は視覚障害者の割合は約2割程度となっています。
あん摩マッサージ指圧師は国家資格
「整体師」や「マッサージ師」とは異なり、あん摩マッサージ指圧師は国家資格です。
あん摩マッサージ養成学校で学んだあと、国家試験を受けて合格しなければなりません。
独立した判断で人にマッサージを行えるのは、医師とあん摩マッサージ指圧師のみとされています。
はり師・きゅう師とあわせて3つの国家資格をもつ者を、鍼灸マッサージ師または三療師と呼びます。
試験科目の重複があること、3つの資格の受験資格を同時に得られる学校があることから、三療師の資格をあわせて取得する人も少なくありません。
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あん摩マッサージ指圧師の業務の内容
- あん摩
- マッサージ
- 指圧
国家資格であり、医療や健康に関わる職業の一つとしても認知されている「あん摩マッサージ指圧師」ですが、
あん摩、マッサージ、指圧は、それぞれ異なる意味を持っています。
あん摩
東洋医学の基本理念に基づき、気血の流れをよくして疾病を治癒に導く施術方法。
発祥は古代中国。
マッサージ
皮膚に対して直接手技を加え、血流の改善を行う施術方法。
発祥はヨーロッパ。
指圧
東洋・西洋医学の概念をあわせて作られ、人間に備わっている自然治癒力を高めるための施術方法。
発祥は日本。
あん摩マッサージ指圧師は、これらの各手技(なでる・押す・揉む・叩くあらゆる行為)を用いて、人の身体の調子を整えたり、改善に導いていったりします。
基本的に器具は使用せず、すべて手を用いて施術することになります。
あん摩マッサージ指圧師の役割
あん摩・マッサージ・指圧は、手、指等を用いて血行をよくしたり、こりをほぐしたりする療法です。
近年では、健康志向の高まりやリラクゼーションなどを求める人たちが増え、マッサージをうたう店も街中に多くみられるようになってきています。
ただし、あん摩マッサージ指圧師の治療は、「リラクゼーション」や「癒し」を目的にしているばかりではありません。
たとえば、
- 指定の疾患であること等の条件をクリアしていれば保険取り扱いの対象
- 病院などの医療現場においても、身につけた知識やスキルを生かす
ことができます。
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あん摩マッサージ指圧師の勤務先の種類
あん摩マッサージ指圧師の資格を取得した人は、
- 病院のリハビリテーション科
- 整形外科やマッサージ指圧治療院
へ就職する人が多いようです。
最近では
- 訪問リハビリマッサージなどの在宅医療
- アスリートのトレーナー
となる人もいます。
また、あん摩マッサージ指圧師の国家資格をもっている場合、医師や歯科医師などと同様に、開業することも可能です。
開業し、成功すれば大幅な収入アップも期待できるため、まずは病院や治療院などで確かな経験を積み、将来の独立を目指す人も少なくありません。
あん摩マッサージ指圧師は独立・開業できる?
あん摩マッサージ指圧師は開業権がある
あん摩マッサージ指圧師は、開業権のあるところが魅力の一つです。
また、医師や歯科医とは異なり、
- スタッフを置かず自分ひとりだけで開業できること
- 特別な機材がいらないので開業資金を抑えられること
が魅力です。
とはいえ、資格取得後、最初から開業する人はほとんどいません。
実際に患者さんに施術を行っていく中で、スキルを高めていく仕事のため、いずれ開業を目標にしていてもまずは治療院などで経験を積み、開業資金を貯めるのが一般的です。
あん摩マッサージ指圧師が開業するには?
保健所に申請をする
実際に開業するにあたっては、地域の保健所に申請をする必要があります。
無資格で開業できるお店と違い、店内の構造や設備に関して国が定める基準が設けられているため、不備がないかをしっかりと調べなくてはなりません。
実際に営業する面からいえば、あん摩マッサージ指圧師の資格だけではなく、はり師・きゅう師も同時に取得して「鍼灸マッサージ師」となったり、柔道整復師の資格を持っていたりすると、施術の幅が広がり開業時にも役立つでしょう。
開業時の予算
予算は立地などにもよりますが、当面の運営費用を考えると、やはり数百万単位になるようで、それなりの金額を用意しなければならないでしょう。
ただし、ベッド数を少なくしたり既存の店舗を改装したりなどの小規模な施設であれば、設備投資はそれほど大きくならずに済みます。
まとまった開業資金が用意できないときには、
- 自宅を改装する
- マンションやアパートの一室を施術スペースとして開業する
こともできます。
また、施術の際の健康保険の適用ですが、取り扱うためには医師の同意が必要なため、まだそれほど普及していないようです。
お店のコンセプトが大切
開業する場合、どのようなコンセプトにするかは大切です。
立地
とくに立地は大きなポイントとなります。
ビジネスパーソンやOLを対象とする場合は、
- オフィス街
- 大きな駅の近くに開業
したほうが集客は見込めます。
逆に地域の主婦層やお年寄り、買い物客をターゲットにする場合は、
- ショッピングモール
- スーパーの周辺
に開業することもあります。
立地によって、顧客層はまったく異なってくるため、まずは立地を考え、どのような人をターゲットにするかを考えましょう。
お店のコンセプトを設計
次にお店のコンセプトをしっかり設計することが大切です。
女性がメインターゲットであれば、開放的でリラックスできる雰囲気、サラリーマンやお年寄りが中心であれば落ち着いた雰囲気にするなど、店内のつくりやインテリアにも差が出てきます。
こうした開業プランをあらかじめしっかりとたてておくことで、開業後の失敗を防げるでしょう。
集客する方法
集客するには、自分の店舗が何を売りにするかを考える必要があります。
あん摩マッサージ一本でいくのか、鍼灸や柔道整復師など他の施術も合わせて行うのか、といった売り出し方や、料金体系は既存の競合店と比較して考えるのがよいでしょう。
また、マッサージなど技術面がものをいう仕事の場合は、口コミやSNSでの周知が効果的です。
固定客やリピーターを獲得できるよう、開業当初から仕事が軌道に乗るまでは宣伝にも工夫する必要があるでしょう。
あん摩マッサージ指圧師の仕事の流れ
患者さんが来院すると、再来の方には経過・初診の方には気になる症状を聞き出し、身体の様子を確認しながらそれぞれの症状に合った方法で施術をスタートします。
平日の午前中では、年配や主婦の患者さんが中心で、夕方になるにつれて学校帰りの学生・社会人の患者さんなど客層が変わり、治療の合間は電話で相談を受けることもあります。
治療院や病院の場合、患者さんと触れ合う時間が長くなるため基本的にはアットホームな雰囲気であることが多く、患者さん一人ひとりの顔と名前をしっかりと覚え、信頼関係を築けるようにしているところが多いようです。
あん摩マッサージ指圧師と関連した職業
あん摩マッサージ指圧師として働く人は、
- はり師
- きゅう師
の国家資格を取得していることも多いです。
その場合、患者の体調や症状に応じて、針やお灸を利用した治療が可能になります。
こうした「鍼灸師」や「柔道整復師」といった近い領域の国家資格をあわせてもっておくと、提供できる施術内容の幅が広がり、就職の際に有利になるといわれています。
また、あん摩マッサージ指圧師の治療方法そのものは東洋医学にもとづいていますが、最近では西洋医学と組み合わせることによって、人々の健康増進に生かそうという動きも出てきています。
「あん摩マッサージ指圧師の仕事内容」のまとめ
あん摩マッサージ指圧師は、揉む等の手技を使って、血行の流れをよくし、こりや痛みを和らげ人の体の不調を改善する仕事です。
患者さんが来院すると、症状を聞き出し、身体の様子を確認しながらそれぞれの症状に合った方法で施術を行います。
あん摩マッサージ指圧師の治療方法そのものは東洋医学にもとづいていますが、最近では西洋医学と組み合わせることによって、人々の健康増進に生かそうという動きも出てきています。