書店員の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

書店員の仕事とは

書店員の仕事とは、お客さまに本を売る仕事です。

業務内容はレジや接客のほか、良書をお客さまに手に取ってもらうためのPOP作りや陳列、在庫管理、出版社の対応など幅広い仕事を並行して行っています。

近年は書店員の店舗作りが本の売り上げを左右することもあるため、影響の大きな存在といえるでしょう。

本が読者の手元に渡るまでには、作家、編集者、本のデザイナー、製本する印刷会社、流通に関わる取次業者、卸業者などさまざまな人が関わっていますが、書店員は本の流通に関わる最後の仕事です。

読者であるお客さまと直接会うことができるので、読者に1番近い職業として良書を世の中に広める役割も担っています。

大手書店2社がニコニコ動画の配信サービスをスタートしたり、各書店で本とコラボした期間限定のイベントを開催したりと、話題性のあるサービスが企画されているのが近年の特徴です。

また書籍離れを食い止める活動として、全国の書店員が投票して決める「本屋大賞」も行われています。

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書店員の業務の内容

本を売る

書店員の業務内容は、お客さまに本を売り、渡すことです。

レジ周辺ではお会計をはじめ、本のカバー掛けやしおりを挟む作業を行います。

予約や取り寄せ対応をしたり、お客さまの質問に答えたり、本の場所をご案内するなど、スムーズに本を見つけるためのお手伝いをすることが書店員の役割です。

新聞広告やテレビで取り上げられた本を求めてくるお客さまもいるため、話題の本や新刊情報を仕入れておく必要があるでしょう。

書店内の売り場作り

売り場作りは本の売り上げに大きく関係するため、大切な仕事の一つです。

特にPOP作成、本の積み方や見せ方は、売り上げへの影響は大きいといわれています。

たとえば、相当前に発刊された本が、出版元の売り上げ№1の書籍となったことがあります。

ブームに火をつけたのは、盛岡の書店員が作った「もっと若い時に読んでいれば…そう思わずにはいられませんでした」というPOPがきっかけです。

そこからじわじわと売れていき、再びベストセラーになりました。

ほかにも朝のはたきがけや陳列の乱れを直すこと、人気商品を確認して伝達事項を共有すること、コミック売り場ではビニール掛け、雑誌売り場では付録の挟み込みなどを行うこともあります。

本棚の整理や在庫管理、もう売れないと思った本を出版社に返品する返品整理なども大切な仕事です。

子ども用に読み聞かせ会を行ったり、有名人のサイン会を行うなど、各種イベントを企画する書店もあります。

出版社・取次店対応

お客さまへの対応や売り場作りの合間には、出版社・取次店などの来店対応も必要です。

出版社・取次店の営業担当は、新刊や売れ行きのよい本を案内してくれるので、注文するかどうかの判断を行っていきます。

提案をすべて受け入れてしまうと、売れない本の在庫を抱えてしまうことにもつながるため、在庫状況や売れ筋を見極めた注文をすること、ときには断って取捨選択しながら、見極めることが大切でしょう。

書店員の役割

出版社とお客さまをつなぐ

書店員は、良書を見抜き、必要とする人に届ける役割があります。

書店で販売されている雑誌や書籍の多くは、大小の出版社が発行しており、1日に200冊もの新刊書が世にでるといわれていますが、そのすべてが注目を浴びるわけではありません。

そこで出版社の営業担当が各書店を訪ね、新刊本片手にあいさつに回りますが、まずは書店員に売り込みをかけ、自社の商品を店舗に置いてもらう必要があるのです。

大型書店といえどもすべての雑誌や書籍を陳列しているわけではなく、それぞれの店舗の客層や世間での流行を受けて売れると思ったものを取り寄せています。

単純に人気作家の最新作を陳列することは誰にでもできることですが、日の目を見ない良書をお客さまに届けるメッセンジャーとしての役割を果たしているのです。

良書を世の中に広める

また社会的な役割としては、書店を訪れるすべてのお客さまを満足させ、良書を世の中に広めることが最も重要な役割といえるでしょう。

最近ではWebで雑誌や書籍を購入する人も増えましたが、書店を訪れる人にぴったりな本をおすすめできるのは書店員の役割です。

書店員は日々お客さまと会話をし、自らも読書に励むことで良書を世に広める、言い換えると本の流行を作り出す役割を担っているともいえるでしょう。

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書店員の勤務先の種類

書店員の勤務先となる書店は、全国に多数あります。

大都市型の大手書店や中規模の郊外型書店、小規模な個人経営と大中小さまざまな規模があり、幅広いラインナップを取り扱う書店や、専門店のみを扱う書店など特徴もそれぞれです。

勤務先によってはチェーン展開している書店では転勤があったり、中小規模書店の場合は店舗1つあたりの正社員数が少なく、最悪1人だけの場合もあり、仕事は多忙を極めます。

その場合の仕事内容はアルバイト・パートの管理や、店舗の売り上げを上げるための経営努力が中心となるでしょう。

近年は不況のあおりを受け、大型書店であるジュンク堂が新宿から撤退するなど、規模に関わらず書店数が激減しています。

書店のみならず、本を作る出版社や編集プロダクションなども次々と姿を消してしまっている出版不況を打破するため、大手書店を中心に書店もYoutubeやSNSを使った活動が行われているのが特徴です。

全国の書店員が売りたいと思う本を投票で決める「本屋大賞」などのイベント、売り場作りコンテストなどさまざまな活動を行うことで、業界全体の活性化をはかっています。

書店員の仕事の流れ

書店員の仕事の流れは、書店の開店時間に合わせて2交代から3交代のシフト制で働きます。

開店前には納品された雑誌や書籍を確認し、開梱して陳列したり、レジの準備をして開店業務を行いますが、仕入れの量によっては体力が必要な肉体労働的な仕事です。

お店がオープンしてお客さまが来店したら、接客や会計業務を行います。

接客の合間には店内の様子を確認、把握しながら、翌日以降の発注を電話で行ったり、出版社からの営業電話に対応したりとさまざまな業務を並行して行わなければいけません。

書店では、学校や会社帰りに立ち寄るお客さまでピークを迎える夕方以降が、1番忙しい時間帯です。

夕方から閉店時間まではカウンターに入っての会計業務が中心となり、この時間に取り寄せ注文をしたお客さまに入荷のお知らせ電話も行います。

閉店時間になったらレジの閉め作業を行い、1日の業務が終了です。

書店員と関連した職業

書店員と出版社社員の違い

書店員は本をお客さまに売る仕事ですが、出版社社員は作った本を世の中に広めていくために、書店への営業や広告宣伝などの仕事を行っています。

書籍、雑誌、漫画などを企画・編集する出版社に勤めており、本を作ることはもちろん、会社を裏方として支える仕事もあるため、さまざまです。

実力主義のため、資格そのものは必要ありません。

出版社社員の仕事

書店員と出版取次の違い

出版取次は、出版社が発行した本を仕入れて書店へと送品する仕事で、出版社と書店の間をつないでくれる存在です。

出版に関する流通や情報を一手にになうことから、「本の商社」と呼ばれることもあります。

資格は海外営業の場合は英語力などが求められますが、一般的には必要ありません。