養護教諭の養成課程で勉強することは? 実習は大変?
児童・生徒の健康と成長を支援するための勉強
養護教諭になるために通う大学などの養護教諭養成課程で学ぶ代表的な科目には、以下のようなものがあります。
養護学、小児保健学、救急処置、小児科学、衛生学および公衆衛生学、養護活動、精神保健学
など。
在学中には、児童・生徒の発達や心理についての理解を深めていくことに加え、学校で日々行われる特別活動や生徒指導、教育相談、通常学級での特別支援教育など、幅広く教諭として必要な力を身につけていきます。
健康教育に関する科目として、からだの学習や性教育といった保健の授業を行うために必要な勉強もします。
さらに、一般教養として外国語や情報学、政治経済学などの勉強もすることができます。
20代で正社員への就職・転職
実習で養護教諭の実践力を身につける
実習の内容は?
養護教諭養成課程では、座学での講義だけでなく、「養護実習」によって実践力を身につけていくことも重視されています。
養護実習は、大学であれば3年次~4年次に用意されているのが一般的で、養成課程に通っている大学等と連携のある小学校や中学校(場合によっては附属の幼稚園や高校なども含む)の協力を得て行われます。
1回の実習期間は2週間から1ヵ月程度となります。
実習中には、実際の保健室運営や保健指導などを実践し、それまでに学んできた知識をどう形にしていくか考えながら動きます。
また、学校によっては大学附属病院での臨床実習も行われています。
そのような実習の機会を通して、医療や介護の活動や役割を身をもって体感しながら学ぶことができ、幅広い知識と技術を持ちあわせた養護教諭を目指すことが可能です。
実習は大変?
教員免許を取得するために欠かせない実習は、多くの教員志望者が不安に思うポイントとなっているようです。
たしかに、普段学んでいる環境とは異なる場で、実際に子どもたちと接していくという経験は、初めは誰もが緊張するものです。
また、実習中には課題やレポート提出もしなくてはならないため、朝から夜まで気が抜けず、疲れを感じることも多いかもしれません。
しかし、いざ実習を終えてみると、ほとんどの人が「やってみてよかった!」という感想を口にするのも事実です。
実習では社会人としてのあり方や行動の基本的なことを学ぶことができるのはもちろん、現場にいる他の先生や関係者とのコミュニケーションを通して、働くことに対する意欲が増すきっかけにもなります。
何よりもうれしいのは子どもたちと触れ合えることで、子どもの笑顔を見て元気をもらえたり、もっと頑張ろうという気持ちになったりもします。
大学での勉強だけでは決して得られない経験がたくさんできるのが、養護教諭の実習です。
養護教諭以外の資格・免許が取得できる学校も
養護教諭養成課程のある大学等では、養護教諭免許状を取得するための科目にわずかに単位を追加して学ぶことによって、「中学校教諭1種(保健)」「高等学校教諭1種(保健)」「社会教育主事」「図書館司書」など、別の教員免許や資格が取得できることがあります。
すでに「養護教諭として働きたい」という目標が明確に定まっている人にとっては、とくに必要がないと思うかもしれませんが、複数の資格・免許を持っておくことで将来の進路の選択肢が広がることにもつながります。