Webディレクターの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説
「Webディレクター」とは
Webサイトの制作現場で制作スタッフをとりまとめ、的確な指示を出すリーダー役。
Webディレクターは、Webサイトの制作現場において、監督役として全体の指揮をとる仕事です。
クライアントのニーズを把握し、デザイナー・プログラマー・コーダー・ライターなどの制作スタッフをとりまとめ、指示やスケジュール管理を行いながらWebサイトを完成に導きます。
活躍の場は、Web制作会社やコンテンツ制作会社などで、まずはアシスタントとして経験を積み、Web制作全体の知識とスキルを磨き、一人前を目指す流れが一般的となっています。
若手のうちは年収300万円程度ですが、実力がつくほど収入はアップし、独立して事業が軌道にのれば大きく稼ぐことも可能です。
Webディレクターの需要は高まっているものの、変化の激しい世界であるため、常に最新技術などをキャッチアップし、時代のニーズに対応できる人材を目指すことが、この仕事で活躍し続けるためには不可欠です。
「Webディレクター」の仕事紹介
Webディレクターの仕事内容
Webサイト制作における全体管理役
Webサイト制作に関わるすべての業務を把握し、取り仕切るのがWebディレクターの仕事です。
Webサイトを制作するにあたっては、デザイナーにコーダー、Webプログラマーなどさまざまなスキルを持ったメンバーが集結します。
その面々に正しい指示を出すためには、クライアントの要望を正しく聞くことが重要です。
その上で無理のないスケジュールを組み、多くの人々とのミーティングを重ねながら、Webサイトを完成まで導きます。
すべてを管理するため、Webサイト構築はもちろん運用・管理に関わるノウハウや、高いネットリテラシーも求められます。
現場監督のような役割を任されるWebディレクターですから、幅広い知識が必須となるのです。
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Webディレクターになるには
資格や学歴は不要!しかしスキルは必要
Webディレクターになるために、必須となる資格が学歴はありません。
しかし、知識のない人が新卒からいきなりWebディレクターになるのは、少々難しいと言わざるを得ません。
冒頭でもご紹介したとおり、Webディレクターは豊富な知識が必要な仕事です。
大学や専門学校では、Web関連の科目を積極的に履修するようにしましょう。
Webサイト制作会社に入社できたら、まずはデザイナーやプログラマー、コーダーとして経験を積み、将来的にWebディレクターを目指す人が多くなっています。
Webディレクターの学校・学費
Web系に特化した学校選びが重要
大学には、Webディレクターになるためのスキルだけを学べるようなところはありません。
ただ、マーケティングやプログラミング、デザインスキルはWebディレクターにとって必須となりますので、そういった分野を学べる学部がある大学を選びましょう。
専門学校は、Webディレクターを目指す人に適しています。
Web系に特化した専門学校を選ぶことで、Webに関する知識を幅広く学ぶことも可能で、授業料は年間60~100万円程度が一般的です。
また、主に社会人が仕事をしながら通う、キャリアアップスクールも見逃せません。
授業料は40~80万円までピンキリですが、その名のとおりキャリアアップを図るための学校ですので、Webに特化したスクールを選べば確実に知識を得ることが可能です。
Webディレクターの資格・試験の難易度
必須資格はなし、役立つ国家検定はあり
前述したとおり、Webディレクターになるために必ず取るべき資格というものはありません。
しかし実は、Web系の唯一の国家検定qとして存在する「ウェブデザイン検定」は、取っておいて損のないものです。
3級はWeb業界未経験でも受験できますが、2級は2年以上、1級であれば7年以上の実務経験が受験するための条件となります。
ネットリテラシーにWebデザイン、サイト運用や管理、技術面まで幅広い内容から出題されます。
国家資格というだけあって難易度も高めですが、持っていることでWebディレクターとしてのスキルを証明できる資格です。
Webディレクターの給料・年収
仕事内容の幅広さに伴い給料も高め
Webディレクターは、Webサイト制作の一から十まですべてを管理するいわばリーダー的役割を担います。
その責任も重大となるため、給料の設定も比較的高めです。
Webディレクターは、もとはデザイナーやコーダーなど、専門分野を担当していた人がステップアップしてなることも多い職種です。
よって、なりたての頃はその専門職と同等の給料・年収からスタートします。
最初の給料は月収20万円台後半、年収300万円台でも、実力次第でどんどん上がっていくことでしょう。
関連記事Webディレクターの年収はいくら? 給料についてくわしく解説
Webディレクターの現状と将来性・今後の見通し
Web業界の最先端を走り続ける
この世にWebがあるかぎり、Webディレクターの需要は減少することはないと考えられています。
Web業界は常に成長し、最新技術や新しい知識が生まれ続ける世界です。
その動向を日々追い求め、最先端を走り続けることのできるWebディレクターが、いま求められています。
Webディレクターは、慢性的に人手不足ともいわれています。
厳しくもあり、しかしやりがいや喜びにも満ち溢れるWebディレクターの世界は、今後もっと奥深いものとなっていくことでしょう。
Webディレクターの就職先・活躍の場
Webを扱う会社なら採用の可能性あり
Webディレクターの就職先として最もメジャーなのは、Webサイト制作会社です。
そのほか、ECサイトを運営しているなど、Webコンテンツを扱っているWebサービス会社も就職先として挙がります。
また、対外的にはWebコンテンツを提供していなくても、自社のWebサイト運営を担当する部署がある会社では、そこへの配属を目的にWebディレクターを採用することもあるようです。
なお、会社でスキルを積んだWebディレクターが独立するという流れも、ごく一般的となっています。
Webディレクターの1日
豊富な知識を求められる故、毎日ハード
Webディレクターの一日は、人や職場によってさまざまです。
勤務日は帰りが遅くなり、帰宅後も個人的な学習の時間を作ったり、残って働くスタッフの問い合わせに対応したりすることも多く、夜型の生活になりがちです。。
その分、午前中はゆっくり過ごせるよう勤務時間に配慮してくれる会社が多いです。
<Web制作会社のWebディレクターの1日>
10:00 出勤・メールチェック・タスク整理
11:00 スタッフとのミーティング
12:00 休憩・昼食
14:00 A社打ち合わせ
16:00 B社打ち合わせ
18:00 帰社・問い合わせ対応
19:00 プロジェクト管理
19:30 資料作成・その他
20:00 退社
22:30 帰宅・入浴など
23:30 勉強・残務処理
24:00~25:00頃 就寝
関連記事Webディレクターの1日のスケジュール・勤務時間や休日についても解説
Webディレクターのやりがい、楽しさ
Webサイト完成の瞬間は感無量
Webディレクターはプロジェクトの全体管理を担う、いわばリーダー的存在です。
たくさんのスタッフを取りまとめ、場を仕切り、Webサイトを完成に導きます。
人と協力しながらなにかを達成することが好きな人であれば、そこからやりがいや楽しさを見出せるはずです。
また、Webサイトの制作には、ときに年単位もの期間がかかることも。
時間のかかるプロジェクトほど、完成したときの喜びは何ものにも代えがたいものでしょう。
Webディレクターのつらいこと、大変なこと
残業多め…プレッシャーもかかりやすい
同時に複数のWebサイト制作をまかされることもごく一般的にあるWebディレクターは、残業も多めの仕事です。
ときには休日出勤も避けられない事態になることもあるでしょう。
また、たくさんのスタッフを抱えて業務を進めるため、責任も重大です。
社内スタッフともクライアントとも、円滑なコミュニケーションを取る必要があります。
そもそも忙しい上に気配りも必要な仕事となるため、気疲れしてしまう人も多くいらっしゃるようです。
Webディレクターに向いている人・適性
リーダー気質&コミュニケーション能力
ここまでご紹介したとおり、何人ものスタッフを束ねるWebディレクターには、リーダー気質のある人が向いています。
また、Webサイト制作過程においてはたくさんの人々とコミュニケーションを取ることになるため、提案力や理解力といった高いコミュニケーション能力も重要です。
加えて、ときにはクライアントの要望と予算、スケジュールの兼ね合いから、情報を取捨選択するような冷静さ、客観性も必要となります。
Webサイト完成に向け、ときには無理を聞き、またときには適切に断れるような柔軟性が必須なのです。
関連記事Webディレクターに向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
Webディレクター志望動機・目指すきっかけ
高い安定性と転職のしやすさが強み
Webディレクターになりたい人から多く聞かれる志望動機は、「安定した職業だから」というものです。
Webディレクターになるためには、Web全般の知識と技術が必要になります。
実務経験もあり知識も豊富なWebディレクターは、転職市場でもまさに引っ張りだことなることが珍しくないのです。
「手に職」系の仕事ですので、会社で充分に経験を積めば、ゆくゆくは独立して自由に働き続けることも可能となるでしょう。
関連記事Webディレクターの志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?
Webディレクターの雇用形態・働き方
正社員が基本。契約・派遣も増加傾向
Webディレクターは、Webサイト制作にあたり重大な責任を任されることもあり、正社員雇用が一般的です。
しかし昨今は、正社員登用前提の契約社員や、派遣社員としての採用も増加しつつあります。
また、近頃はWebディレクター アシスタントという名称で、未経験からWebディレクターとしてのスキルを学ぶアルバイト採用求人も増えているようです。
自分のスキルや状況、働きたい時間などから、最適な雇用形態を選ぶことが可能となっています。
Webディレクターの勤務時間・休日・生活
基本多忙、しかし繁忙期は読みやすい
残業で21:00~22:00まで仕事をしたり、休日出勤をしたりと、なにかと忙しいWebディレクターの仕事。
しかし、繁忙期を過ぎれば急に落ち着くのも大きな特徴です。
Webサイト制作は、年度変更に伴うリニューアルを目指して4月、9月、12月の完成を望むものが多くなりがち。
よって、それぞれの2~3ヵ月前が繁忙期となりやすい時期です。
繁忙期は残業や休日出勤に追われますが、閑散期には代休や有給休暇も取りやすくなります。
Webディレクターの求人・就職状況・需要
Webの一般化に伴い求人数も増加傾向
いまや世間にはごく一般的にインターネットが普及し、Webコンテンツも増加の一途をたどっています。
この環境において、Webディレクターの求人数も増加傾向です。
しかし、前述したとおりWebディレクターになるためには、実績とスキルが必須。
中には未経験採用の求人もありますが、新卒でいきなりWebディレクターとして採用されることはまれでしょう。
まずはWebデザイナーやコーダー、Webディレクター アシスタントとして入社し、そこからのステップアップを図るべきです。
Webディレクターの転職状況・未経験採用
スキル・実績があれば転職市場で有利
転職市場での需要も高いWebディレクターの仕事ですが、求人情報に掲載されている条件には「3年以上の経験者」と記載されているものが多くなっています。
また、採用されやすいのは、同業種からの転職です。
やはりその世界に慣れているWebディレクターが欲しいというのが、企業の本音なのでしょう。
未経験採用もゼロではありませんが、「30歳以下」「Web業界経験者」「管理職経験あり」といった数々の条件が設定されているものも多く、素人では難しい業種であることに間違いありません。