鳶職人に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
鳶(とび)職人に向いている性格・適性
高い場所が好きな人
鳶職人にとって大切な資質は、高い場所が得意であることです。
高い場所に行くのが怖い、足がすくんで動けないという人がいる一方で、高いところにいるだけで楽しい、ワクワクするという人もいます。
人はどんな環境にも慣れるので、重度の高所恐怖症でなければ、高い場所が好きでなくても、鳶職人として働くことはできます。
しかし、高い場所が好きな人は、それだけ鳶職人としての技術の上達も早く、いつまでも楽しく続けられるでしょう。
身体をきたえるのが好きな人
鳶職人は、力仕事が中心となるハードな仕事です。
たとえば若手の鳶職人が担当する代表的な仕事である「荷上げ」は、ひとつ10kg以上もある鉄製の足場を、高いところで作業している先輩職人に向かって、垂直に投げ上げます。
経験のない新人がこの作業をすると、1時間もしないうちに、両腕の筋肉がつり、握力がゼロになります。
その日に帰宅しても、肩の高さまで腕が上がらないため、頭を洗うのにも苦労するそうです。
鳶職人の仕事は筋力を酷使する作業の連続で、筋トレしているのと同じです。
スポーツなどできたえた肉体に自信があり、筋力を生かした仕事がしたいという人にぴったりの職業でしょう。
慎重な性格の人
鳶職人の仕事現場は、ほんの小さなミスが重大事故につながる危険がひそんでいます。
高所での作業中や、はしごで昇り降りする際、高所作業車に乗り移る際などに、手足をすべらせて落下することもあります。
自分が落下しないまでも、バランスを崩して重い足場材や工具類を落とせば、ほかの職人がケガをするかもしれません。
原因は、不注意もあれば、強風であおられたり雨の日ですべりやすかったり、真夏で熱中症気味だったというケースもあります。
安全管理が徹底されている現在でも、鳶職人の事故は後を絶ちません。
数は非常に少ないものの、転落死する人もいます。
どんなに運動神経がよくてもリスクを完全に回避することはできないので、鳶職人には、注意深く慎重な性格の人が向いています。
普段から周囲をよく観察して、あらかじめ危険を察知できるタイプの人は、鳶職人の適性があるでしょう。
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鳶職人に必要なスキル・能力
根性
根性は、鳶職人を目指すうえで最も大事です。
鳶職人の仕事は体力的にも精神的にも相当きつく、とくに見習いの間は、仕事に慣れていないこともあって非常に大変です。
危険ととなり合わせの現場であるだけに皆ピリピリして、怒声が飛びかいます。
学歴も資格も不問で、誰でもゼロから目指せるのが鳶職人という職業の魅力ですが、一人前になるまでには、人並み以上の根性が求められることは間違いありません。
チームワーク
鳶職人の仕事のなかに1人で行う作業はほとんどなく、ペアを組んだりチームを組んだりして、数人単位でまとまって働きます。
その際に求められるのは、仲間意識やチームワークです。
足場などの部材を受け渡すときは、お互いの息の合った呼吸が必要です。
鉄骨を組むときも、クレーン操縦者と鳶職人が声を掛け合い、連携して動かなければなりません。
部活動や地域のクラブ活動などで、団体競技の経験がある人は、身につけたたチームワークや協調性が役に立つでしょう。
鳶職人に向いていないのはどんな人?
朝が弱い人
鳶職人は、安全上の問題もあって、日が暮れるまでの間に作業を終わらせなければなりません。
仕事の終わりがきっちりと決まっている関係上、鳶職人は、朝がかなり早くなる傾向にあります。
多くの鳶職人が、5時や6時起きがつらいと言います。
仕事に慣れてくるにつれて、自然と朝早くに起きられるようになりますが、血圧が低いなど、体質的に問題がある人は鳶職人にはあまり向きません。
もしも早起きに自信がないなら、学生の間に生活リズムを整えておきましょう。
厳しい上下関係が苦手な人
ほとんどの鳶職人の職場は、昔ながらの厳しい上下関係が残っています。
目上の人への挨拶や礼儀作法などはかなり厳しく指導されますし、1度いわれたことはきちんと守らなくてはなりません。
注意点を改善できないできれば、厳しくしかられることもあるでしょう。
見習いのうちは理解できない指示をされるかもしれません。
しかし、先輩の言うことを守らない人がいると職場の規律を保てず、事故につながってしまいます。
このように、厳しい上下関係には理由がありますが、古い体質が苦手な人もいるでしょう。
体育会系の雰囲気が苦手という人は、あまり鳶職人には向きません。