女性のシステムエンジニアのキャリアパス・結婚後の生活

女性のシステムエンジニアの現状

まだまだ女性エンジニアは少なめ

IT業界は男性の比率が多い業界であり、女性というのは少数派となってきます。

「経済産業省 IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果(平成28年)」によれば、IT業界で働くIT人材の中で、女性比率は全体の約4分の1(24.1%)いう調査結果が出ています。

ソフトウェア開発を行うSIer系の企業では、とくに女性エンジニアが少ない傾向にあるようです。

対してインターネット系企業やWeb系企業の場合は、SIer系の企業に比べ、若干女性エンジニアの比率が高くなっているとされます。

女性の採用が積極的になってきている

IT業界は慢性的な人手不足を抱えている業界であり、年々深刻化もしています。

その人手不足解消のため、今注目されているのが「女性」や「シニア世代」の人材です。

また、男性の多いIT業界にとって女性は職場の華ともなるため、単に人手不足解消のためだけでなく「人材の多様化」「職場の活性化」なども意図して、女性を積極的に採用する企業も増えてきているようです。

女性が働きやすいように配慮した職場も増えていることから、今後は女性エンジニアの比率が少しつずつ高まっていく可能性が高いといえるでしょう。

女性のシステムエンジニアの強み・弱み

女性ならでの強み

女性ならではの強みとしては、次のようなものが挙げられます。

<女性エンジニアの強み>
・女性ならではの聞き上手なコミュニケーション力で、クライアントの要望をうまく汲み取ることができる
・気配りなどが得意な人が多く、周囲と順応しやすく、チームプレイが円滑になりやすい
・細かくコツコツと行う作業も多いため、女性ならではの丁寧さや正確さが重宝される
・職場は男性が多いため、女性というだけで可愛がられることもある
など

世間一般的に、「女性は男性よりもコミュニケーション力が高い」とよくいわれます。

システムエンジニアの仕事では、クライアントやチームのメンバーたちと常々意思疎通をし、周囲と連携しながら進める必要があるため、技術力だけでなく人と関わる力も求められます。

女性ならではのコミュニケーション力が強みとなってくれることも多いでしょう。

女性ならではの弱み

女性ならではの弱みとしては、次のようなものが挙げられます。

<女性エンジニアの弱み>
・納期前などは、連日終電帰りや徹夜のハードな生活となることもあり、体力も必要になる
・日常的にも残業は発生しやすいため、「家事」や「育児」との両立が難しくなることがある
・「論理的思考」や「合理的思考」が求められる職業でもあるため、感性的な女性や芸術肌な女性の場合は働きにくいことがある
・職場は男性比率が高いため、人によっては疎外感などを感じ働きにくいことがある
など

IT業界は残業の多い業界であり、納期前の忙しい時期には終電まで残業をしたり、ときには徹夜で働かなければならないこともあります。

そのようなハードな状況では体力勝負になることもありますので、女性の場合は体力的にムリが効きにくく、不利になることもあります。

女性システムエンジニアの結婚後の働き方・雇用形態

結婚を機に「寿退社」をする女性エンジニアも一部いますが、共働きが当たり前となった現代において、大多数の人は結婚後もそのまま現役のエンジニアといて働いています。

男性女性問わず、結婚を機に、働き方や雇用形態が変わることは基本的にありません。

正社員として採用された人は、結婚後も正社員として雇用され続け、給料や勤務時間などが変更されることもとくにないでしょう。

よくも悪くも特別扱いはされず、「結婚したので早く帰っていい」「結婚したので給料を増やす」などといったことは、基本的にはないと考えておくのが賢明です。

システムエンジニアは子育てしながら働ける?

システムエンジニアはチームを組んで働くことが多いため、チーム内に子育て中の女性エンジニアがいる場合は、チーム内で仕事量を調整して負担を減らし、子育てとの両立ができるように配慮がされることもあります。

ただし、納期前などは忙しくなり、子育て中の女性であっても状況によっては長時間残業や休日出勤をしなければならない可能性があることは、頭に置いておいたほうがよいでしょう。

なお、子育ての難しさは、「社外SE」と「社内SE」でも変わってきます。

「社外SE」はお客さま先のオフィスで働き、周りはお客さまや社外の人間ばかりの職場となりますので、子育てや家庭の事情などの私情をあまり持ち込めない環境です。

一方で「社内SE」は、一般的な会社員のように、自分の会社内で同じ会社の同僚たちと共に働きます。

自分の会社の環境となるため、子育て中の女性はある程度寛容的に扱ってもらえ、自社で用意している子育て者向けの就業制度(時短勤務など)を利用できることもあります。

したがって、子育てとの両立がしやすいいのは、社内SEのほうです。

システムエンジニアは女性が一生働ける仕事?

システムエンジニアは、ファッションモデルのように若い女性としての見た目や感性が必要な職業ではなく、頭脳や、積み重ねた経験やスキルこそが武器となる職業です。

したがって経験やスキルさえ積めば、年齢に左右されずに、長く続けていくことも可能です。

昨今は人手不足の問題も深刻化しているため、一度子育てなどで家庭に入りブランクのあるエンジニアや、シニア世代の年齢を重ねたエンジニアであっても、スキルさえあれば再雇用もされやすくなっています。

さらに、実力のあるエンジニアであれば、いずれ「フリーランス」となり定年関係なく活躍していく道も描けるでしょう。

ただしシステムエンジニアは、常に最新の知識を学ぶ必要がありますし、時には長時間残業をしなければならないこともあります。

そういった部分は、やはり歳を重ねる毎に課題となっていきます。

50代や60代になっても現役のシステムエンジニアとして活躍していくには、いつまでも新しいものごとに関心をもち吸収していく若いスピリットを忘れないこと、そして、長時間残業にも負けない丈夫な身体づくりを心掛けることが重要です。