文系でもシステムエンジニアになれる?

文系でもシステムエンジニアになれる?

システムエンジニアというと、「エンジニア」という名前からのイメージから、理系出身の人しか就けない仕事だと考える人もいるかもしれません。

しかし、自動車や電化製品や作る「機械系エンジニア」のように、理系学生のみに限定して採用することは、システムエンジニアの場合はほとんどありません。

システムエンジニアは、どちらかといえば出身学部や現状の知識・スキルよりも、本人の意欲・やる気を重視する傾向にあるため、スキルアップのために努力しようとする気持ちが伝われば、文系出身者でもシステムエンジニアとして問題なく採用されるでしょう。

実際の現場でも、文学部や法学部など、文系出身のシステムエンジニアもたくさん活躍しており、文系学部からシステムエンジニアを目指す人も毎年たくさんいます。

文系出身者がシステムエンジニアになるメリットや強み

一般的に文系の人は、理系の人に比べるとコミュニケーション能力が高いといわれることがあります。

理系の場合、どうしても一点集中型で深くものごとを突き詰めていくことが多くなります。

一方、文系の場合には幅広い視野を持って多角的にものごとを見る機会に恵まれ、また人の心の動きにも興味をもつ人が多いことから、自然とコミュニケーション能力が身につくことが多いようです。

こうしたコミュニケーション能力は、システムエンジニアとしての大きな武器になります。

というのも、システムエンジニアは人と会話をする機会がとても多く、クライアントが望むことを察知したり、将来的には開発現場のスタッフをまとめてマネジメントする力も求められます。

日々多くの人間に囲まれ、周囲と連携しながら進めていく仕事となるため、文系の豊かな人間性や良好な対人関係を築く力がおおいに発揮されることがあります。

文系出身者がもち前のコミュニケーション力をうまく伸ばしていければ、将来的には技術力もあり、コミュニケーション力もある、ハイブリッドなシステムエンジニアとして重宝されるでしょう。

文系出身者がシステムエンジニアになる上での注意点

「論理的思考力」を磨く必要がある

システムエンジニアの仕事をする上では、筋道を立ててものごとを考える「論理的思考力」が必要不可欠となります。

理系の場合は、大学の講義や研究活動などを通し、論理的思考力が自然と身に付きやすいですが、文系の環境ではなかなか養う機会が少ないです。

したがって、これまで論理的思考とは縁のなかった人であれば、入社前にある程度は学んでおくことが望ましいでしょう。

論理的思考力は、市販されている「論理的思考」「ロジカルシンキング」系の書籍からでも、基礎的な部分は知識として学ぶことができます。

システムエンジニアは勉強する意欲が必要

システムエンジニアは、仕事で難解な資料やドキュメントを読む機会も多く、会社のデスクで資料と睨み合いながら、まるで受験勉強をするかのように一日を過ごすこともあります。

また、帰宅後や休日などに自主的にITの技術書を読んだり、資格の勉強などをして、学習に励む必要もでてきます。

したがって、文系出身者で、机に向かってじっくりと勉強する生活から遠のいていた人にとっては、慣れるまで少々苦労が伴うかもしれません。

数学力やプログラミングスキルは必要か?

数学力はさほど必要ではない

システムエンジニアの場合、高校や大学で学ぶような高度な数学知識が必要になることは、ほとんどありません。

基本的には、中学生レベルの数学の知識があれば問題はないでしょう。

それよりも、サーバーやデータベースなどのITに関する技術知識のほうが重要になってきます。

ただし、システムの設計をする上で数値の分析などをすることもあるため、ある程度は数字に強いほうがよいです。

「数字を見ただけでうんざりする」といったような人だと、システムエンジニアは少々不向きといえるでしょう。

システムエンジニアとプログラミング

プログラミングを行うのは「プログラマー」であり、システムエンジニアではありません。

システムエンジニアは、プログラムを搭載するサーバー、またさらに大きいところでは「ITシステム」という全体的な枠組みを考えることが仕事です。

したがって、プログラミングスキルは必須ではなく、まったくプログラミングに触ったことのないような人でも、システムエンジニアとして活躍している人はいます。

ただし、プログラミングに理解があると、プログラマーチームなどとのやりとりもスムーズになるため、プログラミングを学ぶことに損はありません。

企業によっては、未経験者は全員プログラマーからキャリアをスタートし、その後、システムエンジニアへのキャリアアップの道が開けることもあります。

教育制度の整っている企業へ

文系出身者やまったくIT知識のない人がシステムエンジニアを目指す場合、会社の「教育制度」が重要になってきます。

大手IT企業であれば、新卒入社時に十分すぎるほどの導入教育を行ってくれる会社が多く、なかには入社後半年以上、教育センター内で導入教育となる会社もあります。

一方、中小IT企業やベンチャーIT企業の場合は、まったくといっていいほど導入教育はせず、入社後すぐに現場配属となる会社もあります。

もちろん、現場で身につくことも多いため、すぐに現場に入ることがまったく悪いわけではありません。

しかし、ある程度の基礎教育があるほうが安心と考える人も多いため、とくに文系出身者の場合は、入社を考えている企業の教育制度が充実しているかもよくチェックすることをおすすめします。