システムエンジニアの求人の状況・就職先選びのポイント
システムエンジニアの就職先にはどんなところがある?
システムエンジニアの代表的な就職先は、SIer(システムインテグレータ)系の企業です。
SIer系の企業としては、大手では「NTTデータ」「日本IBM」「富士通」などが挙げられ、これらの企業は毎年多くのシステムエンジニアを新卒採用で募集しています。
加えて昨今では、Webサービスやスマホゲームなどを運営しているWeb系のIT企業に就職し、自社サービスのシステムを管理するシステムエンジニアになる人も増えています。
さらにいえば、ITが普及した現代では、商社やメーカーといった一般的な企業の情報部門やIT部門で、「社内SE」として就職するパターンもあります。
その他にも、何かしらのIT系のサービスを運営している会社、自社でサーバーやデーターセンターを持っている会社などであれば、システムエンジニアとしての仕事が用意されているでしょう。
システムエンジニアの仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介
システムエンジニアの求人の状況
人材不足が深刻化してきている
IT業界は増える需要に対して人手が追いついておらず、年々人手不足が深刻化している状況です。
「経済産業省 IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によれば、2030年には約59万人ものIT人材が不足するという見通しも立てられています。
IT企業側としても人手不足の解消のため、女性エンジニアや50歳以上のシニア世代のエンジニア、さらには外国人労働者にも頼ろうとしているのが現状です。
求人の数は多く、未経験でもチャレンジ可能
前述したような人手不足の影響もあり、システムエンジニア向けの求人は現在数多く存在し、年間を通して常に求人を出し、採用活動を行っている企業も増えてきています。
さらには、経験者はもちろんのこと、未経験者の手さえ借りたいという企業も多いです。
なかなか人手の集まらないベンチャーIT企業などでは、「未経験OK」「年齢不問」「職歴不問」「資格不問」等のだいぶハードルを下げた条件で募集している求人も見られます。
ただし大手IT企業の場合は、人手不足とはいっても、スキルの高い経験者もしくは将来有望な新卒者で固める傾向があるため、既卒の未経験者が入り込むのは難しくなってくるでしょう。
今後の求人の傾向
今後は、とくに次のようなシステムエンジニアの求人が増えるといわれています。
<今後増える可能性の高い求人>
・プロジェクトリーダー(PL)やプロジェクトマネージャー(PM)など、人を纏められるエンジニア向けの求人
・新規事業開発や事業創造ができるエンジニア向けの求人
・クラウド、ビッグデータ、IoT、人工知能など、「先端IT分野」に知見のあるエンジニア向けの求人
など
とくに、人の上に立ちマネジメントができる人材が不足している傾向にあるため、リーダ―経験やマネジメント経験のあるシステムエンジニアは、今後より売り手市場になっていく可能性が高いです。
求人は都市部に集中
システムエンジニアの求人は、東京・名古屋・大阪・福岡などの大都市部、またその周辺県に集中している傾向にあります。
対して地方の都道府県になると、システムエンジニア向けの求人がまったく見られないような県もあり、もしくは地方部に建造されたデーターセンターでの「保守」や「監視」の仕事などであるケースが多いです。
したがって、「設計」などの上流工程を担当するシステムエンジニアを目指す場合、お住まいの場所によっては上京が必要になるケースもあります。
システムエンジニアの就職先の選び方
会社の強みを理解する
システムエンジニアの主な就職先となるSIer系の会社には、さまざまなタイプがあります。
たとえば、要件定義や設計などの上流工程に強いSIerもあれば、運用や保守などの下流工程をメインで請け負っているSIerもあります。
また、「金融系システムに強いSIer」「通信系システムに強いSIer」「オールマイティに対応できるSIer」など、それぞれ会社で強みとなる分野も変わってきます。
将来、自分が望む仕事をするためにも、入社するSIerの事業内容・実績・強みなどを、事前によく企業分析しておくことが大切です。
「社外SE」と「社内SE」どちらにするか
同じシステムエンジニアでも、「社外SE」か「社内SE」で、働き方は大きく変わってきます。
社外SE:顧客先のオフィスや外部のプロジェクトルームなどに「常駐」して働くタイプ
社内SE:一般的なサラリーマンのように自分の所属する会社で働くタイプ
社外SEは、会社外の人間ばかりの特殊な環境で働くこととなりますので、大変な部分もありますが、学べることも多いでしょう。
対して社内SEは、同じ会社の人間同士となるため比較的ゆるやかに働けることが多いですが、なかには窮屈さを感じる人もいるでしょう。
社外SEとして採用した人はその後は何年も社外SEのままという会社もありますので、入社する前に自分がどちらに合っているかをよく考えた上で決めることをおすすめします。
教育制度をチェックしよう
システムエンジニアは専門的な仕事でもありますので、未経験で入社する場合、会社の「教育制度」も重要なポイントとなります。
中には、入社時の教育をまったく行わずに、未経験の新人を現場に出す会社もあります。
イメージとしては外国語が一切わからないまま海外に赴任するようなものであり、配属後に苦労をすることも増えるでしょう。
もちろん教育制度がなくとも、勉強熱心な人やセンスのある人であれば、自力で乗り越えてしまう人もいますが、全員が全員すんなりと乗り越えられるとは限りません。
不安な方はできるだけ教育制度の充実した会社を選ぶことをおすすめします。
システムエンジニアの志望動機・面接
システムエンジニアは、常に新しいIT知識を学び精進していかなければならず、時には長時間残業なども発生するため、ハードな側面も多い職業です。
採用担当者は、そのような困難を乗り越えられるだけの意欲があるかを計るため、「なぜ別の職業ではなくシステムエンジニアを目指すのか?」の部分をとても知りたがっています。
したがって志望動機では、システムエンジニアでないといけない理由や想いを具体的に掘り下げていくのがよいでしょう。
なお面接では、「長時間残業があるけれど大丈夫か」「ストレス耐性はあるか」「体力や健康には自信があるか」といったこの業界特有の際どい質問が投げかけられることもありますので、言葉に詰らないように回答を用意しておくことをおすすめします。
システムエンジニアの志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?
システムエンジニアの就職先はどのように探したらいい?
就職サイトで探す
最もポピュラーな探し方としては、「就職サイト」経由です。
代表的な就職サイトとして、新卒向けであれば「リクナビ」「マイナビ」、既卒者向けですと「リクナビNEXT」「en転職」「DODA」などのサイトが挙げられます。
大手IT企業のほとんどは就職サイトに求人情報を掲載しており、就職サイトを使って選考へのエントリーが可能です。
就職課で探す
大学や専門学校には、学生の就職をサポートする「就職課(キャリアセンター)」が用意されています。
就職課では、学生への就職情報の提供や、就職活動の支援などを行っていますので、就職課経由でよい求人が見つけられることがあります。
また、理系の大学・専門学校であれば、学校と縁のあるIT企業に優先的に就職できる「学校推薦制度」を用意しているケースも多いです。
学校推薦制度に関しても就職課で相談できますので、関心のある方は就職課窓口で問い合わせてみましょう。
ハローワークで探す
地域の「ハローワーク(公共職業安定所)」でも、求人情報の提供を行っています。
ハローワークには、「リクナビ」「マイナビ」などの大手就職サイトには掲載されない掘り出しものの求人が出されていることもあり、とくにシステムエンジニアの求人が探しにくい地方部などでは重宝しやすいでしょう。
なお新卒者向けの「新卒応援ハローワーク」、既卒の若者向けの「わかものハローワーク」などハローワークにもいくつかタイプがありますので、自分に合ったタイプのハローワークを利用するのが望ましいです。
企業ホームページから直接応募する
外部の就職サイトには一切求人情報は出さず、自社のホームページのみで求人を呼び掛けている会社も中にはあります。
とくに中小IT企業やベンチャーIT企業ではその傾向があるため、気になる企業があれば企業のホームページの採用ページなどから直接応募してみるのも一つの方法です。
ただしこの方法は、その企業の存在自体を知らなければ行えないため、普段からIT系の情報誌やWebメディアを覗き、気になるIT企業がないかをチェックしておく必要があります。