照明デザイナーになるには
照明デザイナーになるまでの道のり
照明デザイナーになるには?
日本における照明デザイナーという職業は、比較的歴史が新しいことや、さまざまな領域にまたがって仕事をすることから、道筋もいくつかの可能性が考えられます。
インテリア照明に関わるのであればインテリア業界、建築・都市照明に関わるのであれば建築業界に属すると考える向きもあり、特定の学校を出ていなくてはなれない職業というわけではありません。
一般的には、芸術系、美術系の大学や専門学校で空間デザインやプロダクトデザインを学び、照明器具メーカーや照明デザイン事務所に就職する人が多いようです。
そのほか、インテリアや建築について専門的に学び、照明デザイナーになることも可能です。
照明デザイナーの就職先
代表的な就職先としては、照明器具メーカーや照明デザイン・設計事務所、照明施工会社などが挙げられます。
このほか、インテリアメーカーやインテリアデザイン事務所、住宅メーカーや建築事務所など、インテリアや建築業界のさまざまな企業で、照明デザイナーが活躍しています。
専門的な知識や技術が要求される仕事であることから、雇用形態は正社員がほとんどです。
ただし、職業としての照明デザイナーの認知度はまだけっして高いとはいえず、インテリアデザイナーや建築士が同時に照明デザインを手がけることも多いのが現状です。
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照明デザイナーになるための学校の種類
照明デザイナーになるための大学
大学の場合、美術系・芸術系大学や、それ以外の大学で、空間デザインやプロダクトデザイン、美学芸術などを学ぶ道が考えられます。
照明デザインを専門的に学べる学校はほとんどなく、「光」を空間デザインの一つの要素として学んでいくことになるでしょう。
また、建築物の照明に携わる場合には、実務上では建築設計や電気、配線などの知識も必要になるため、建築学や機械工学について学べる理系の学部・学科に進学し、専門性を高めておく道もあります。
現状では、建築士やインテリアプランナーが照明デザインまで手掛けているケースも多いため、それらに関連する資格を持っておけば、就職後に仕事の幅を広げやすいといえるでしょう。
照明デザイナーになるための専門学校
専門学校でも、空間デザイナーやプロダクトデザイン、インテリアデザインについて学べるところがあります。
就職サポートに力を入れている学校が多いですが、卒業生が照明デザイナーとしてどれだけ活躍しているかを知る一つの方法として、卒業生の進路状況についてチェックしておくとよいでしょう。
照明デザイナーのスクール
インテリアや空間デザインという分野の認知度が高まるにつれ、民間のスクールでも、照明デザインについて学べるところが増えつつあります。
スクールによっては照明デザインのことを「ライティングデザイン」という名称で呼んでいるところもあり、各校でカリキュラムが異なるため、事前によく確認しておくとよいでしょう。
照明デザイナーにおすすめの資格はある?
照明デザイナーにおすすめの資格
照明デザイナーは、仕事をするうえで絶対に必要とされる資格がありません。
業務に関連する資格として、「一般社団法人 照明学会」が認定する「照明士」、「公益社団法人 日本照明家協会」が認定する「照明技術者」(舞台照明)という実務者向けの民間資格が存在します。
また「照明学会」の「照明コンサルタント」は就職する際に有利ともいわれており、そのほか「一般社団法人 日本ライティングコーディネート協会」の「ライティングコーディネーター」資格もあります。
照明コンサルタント
「一般社団法人 照明学会」が認定する資格です。
照明に関するさまざまな専門知識をもって照明プランを立案し、提案する力があることを示します。
通信講座を基本として、定められた講習を受けた後に試験を行い、合格点をとることで資格を得ることが出来ます。
カリキュラムの最後には、スクーリング(照明に関する特別講義)があり、インターネットを利用したe-learning講義を受けます。
受験資格はありませんが、取得後は5年ごとの更新が必要になります。
照明士
こちらも「一般社団法人 照明学会」が認定する資格で、照明コンサルタントの上級資格として位置付けられています。
取得することで、照明に関する高度な専門知識を有する照明のスペシャリストとしてみなされます。
照明学会の会員であることが受験資格となっており、すでに照明関連企業で働いている人や、設計、インテリア、電気設備などの仕事に携わっている人が取得するケースが多いようです。
こちらも照明コンサルタント同様、通信講座を基本とし、スクーリング(照明に関する特別講義)受け、試験に合格すると認定証が与えられます。
ライティングコーディネーター
「一般社団法人 日本ライティングコーディネート協会」が認定する資格です。
電気の基礎や、照明機器、照明理論をもとに照明手法、人と色彩の照明効果などについてさまざまなシーンでのライティングの知識があることを示すことができます。
この資格を取得するには、以下の方法があります。
・2日間のライブ授業を受ける短期集中講座制度
・約6か月間で行われる通信教育講座制度
・受託校又は受託機関で行われる委託講座制度
ただし、短期集中講座を受講するには
・建築・設備・インテリア・エクステリア関連の実務経験3年以上の方。
・大学、高校又は専門学校の建築学科・電気学科・造園学科等の学科を卒業した方。
などの条件があります。
その他の資格
「建築士」や「インテリアコーディネーター」「インテリアデザイナー」の仕事に関連する各種資格も、照明デザイナーとして働くうえで役立つことがあります。
自分の興味関心や、仕事の領域に合わせて取得を検討するとよいでしょう。
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照明デザイナーに向いている人
照明デザイナーの多くは、照明が作り出す「光」が好きで、この仕事に興味を持っています。
最近では街のあらゆる場所でライティングやイルミネーションの演出が行われており、若い人も照明デザインの魅力を実感できる機会が増えています。
もともと照明に興味があり、光が人の心を温かくしたり、驚きや感動を与えることができたりする力に惹かれた人が、この仕事には向いているでしょう。
照明デザイナーのキャリアプラン・キャリアパス
照明デザイン事務所は小規模のところも多く、必ずしも正社員として採用されるとは限りません。
とくに学校を出たばかりの人や、実務未経験者の場合、最初はアシスタントデザイナーとしてアルバイトや契約社員としてスタートすることもあります。
アシスタントデザイナーは、先輩デザイナーの下で図面やイメージ図の作成、プレゼン資料や見積書の作成、クライアントとの電話・メール対応といったサポート業務を中心に任されます。
先輩の仕事ぶりを見ながら、現場で少しずつ知識やスキルを身につけていくことになるでしょう。
勤務先の体制にもよりますが、一人前として仕事を任せてもらえるまでには数年間かかることがあります。
照明デザイナーを目指せる年齢は?
学歴や資格は必要ない
求められる学歴は企業によってまちまちですが、「専門学校卒以上」を条件とするところが大半です。
照明デザイナーの業務に関連する民間資格はいくつかありますが、実際に仕事を始めてからスキルアップのために取得する人が多く、年齢や学歴、資格はさほど重視されません。
特定の分野について学んでいなければならないというわけではありませんが、空間デザイン、プロダクトデザイン、インテリアデザイン、建築などを専門的に学んできた人が転職するというパターンが多いです。
求人数は少ない
照明デザイナーは、ここ最近で認知度が高まってきた職業です。
照明器具メーカーや照明デザイン事務所の数は少しずつ増えおり、転職希望者向けの求人も出されることがありますが、人を募集する場合には欠員補充のための求人がほとんどです。
募集人数は1名から若干名ということが一般的で、求人が出るタイミングも不定期なため、こまめに情報を集める必要があるでしょう。
なお、照明デザイナーの求人情報は一般的な転職情報サイトなどで見つけることができるほか、照明デザイン事務所などのホームページにも掲載されることがあります。
未経験からの転職
小規模の会社の場合、照明デザイナーは即戦力になれる人が歓迎されやすくなっていますが、未経験であっても、照明デザイナーとして活躍したいという意欲があれば応募できる求人もあります。
学歴や前職も問わないものが多いようですが、スキルとして照明デザイナーが実務でも使用するCADやPhotoshop、Illustratorといったアプリケーションソフトの使用経験があると優遇されやすいです。
照明デザイナーは女性でもなれる?
活躍する女性有名デザイナー
日本人女性として、世界的にも名が知られている照明デザイナーの一人に、石井幹子がいます。
東京芸術大学美術学部を卒業後、フィンランドやドイツの照明設計事務所に勤務し、帰国後にデザイン事務所を設立、その後、1970年の大阪万博や、1975年の沖縄国際海洋博覧会の照明デザインを手掛けました。
海外での実績も豊富ですが、国内ではレインボーブリッジ、横浜ベイブリッジ、東京タワー、東京駅駅舎、浅草寺といった有名スポットのライトアップ作品にも多数関わっています。
まだまだ発展途上の職業ですが、このように世界的に活躍する女性の照明デザイナーも増えてくるでしょう。
さまざまな活躍の仕方
照明デザイナーは、企業に勤務して働くことができますが、ある程度の実績や経験を積めば、独立して自分の事務所を立ち上げたり、フリーランスとして個人で活動したりしていくことも可能です。
女性であれば、結婚や出産後にも仕事を続けられるのかどうかという点が気になる人も多いでしょうが、自分の考え方、やり方ひとつで、仕事を続けることも可能です。
照明デザイナーという職業は、国内では比較的歴史が新しい仕事ということもあり、この肩書きをつけて働く人は、そこまで多いわけではありません。
ただし、性別問わず活躍できる仕事であるため、地道に実績を残している人は世界的にも評価されていくでしょう。