消防士から他業界への転職はある?
消防士を辞める理由で多いものは? 離職率は?
地方公務員である消防士は、何か問題を起こしたり自分で希望したりしない限りは、基本的に定年退職となるまでずっと働き続けることができます。
しかし、なかには何らかの理由で途中で消防士を辞め、別の職業へ転職する人もいます。
消防士の離職率について明確な数字はわかりかねますが、大卒者が就職後3年以内に離職する割合が3割にのぼっている民間に比べると、消防士の場合、だいぶ低いのは確かなようです。
消防士は、特殊で専門的な知識や技術が必要になる職業であることから、一度この仕事に就くと長年働く人が目立ちます。
消防士を辞める人の理由として多いものは、「体力面の不安」「職場での人間関係が合わない」などです。
消防士は24時間勤務と非番を繰り返すなど不規則な生活になりやすく、心身ともにハードな仕事です。
また、他の職業に比べると上下関係も強めであるため、そうした部分が肌に合わなくなり、仕事を辞める人もなかにはいます。
このほか、消防士とは別でやりたいことが見つかったり、実家の家業を継ぐためといった理由で消防士を辞める人もいるようです。
消防士の転職状況や需要
消防士が転職する例はそこまで多いわけではありませんが、実際に転職をした人のその後のキャリアはさまざまです。
消防士だったからといって、特別に転職時に有利になるということはないと考えておいたほうがよいでしょう。
ただし、消防士として身につけた体力や忍耐力、真面目さ、誠実さなどは評価されることがあるかもしれません。
消防士に限らず、公務員から民間企業へ転職をする人は決して少ないわけではありません。
公務員と民間の働き方はまったく異なる部分もあるため、もし消防士としての仕事はうまくいかなくても、新しい道で自分の夢や目標に向かって頑張っている人は大勢います。
消防士の転職先で多いものは?
消防士の転職先は人それぞれまったく異なりますが、比較的多いといわれるのが、民間の救急関連会社への転職です。
そこでは、消防士(救急隊)として働いていたスキル・経験を存分に生かしやすい環境があるといえるでしょう。
また、トラックドライバーや土木関係、警備員など、体力を必要とする職業に就く人も目立ちます。
ただし、このほかにもIT技術者やメーカーの営業、料理人、スポーツインストラクター、整体師など、人によって多様な道へ進んでいるようです。
消防士の経験は他の仕事でも生かせる?
消防士として身につけた知識・技術そのものが生かせる職業はそこまで多くないかもしれませんが、消防士として働くなかで培った体力や精神力、根気強さ、責任感などは、転職しても評価されることがあるようです。
とくに消防士は一般の人よりもずっと強く身体を鍛えているため、体力が必要な職業であれば自分の強みを生かしやすいはずです。
また、消防士として働いている間に大型車両などの運転免許や作業免許、危険物取扱者、救急救命などに関する資格・スキルを習得していると、進んだ業界や職種によっては役立つことがあるでしょう。
消防士の年齢ごとの転職状況は?
消防士からの転職は、30代や40代などある程度の経験・キャリアを積んでからというよりも、わりと早い段階で転職を決めるケースが多いようです。
その背景には、一度「消防士の仕事や消防組織が合わない」と感じてしまうと、そこで長く働き続けるのは難しくなる一方、消防士の仕事に大きなやりがいを感じることができれば、定年までずっと働き続けたいと考える人も多くいるということが考えられます。
消防士が転職する場合、また一からのスタートとなることが大半です。
職業によっては、そこから何年もかけて下積み生活を送ったり、たくさんの時間をかけて勉強しなくてはならない場合もあるため、本当に転職する際にはその後の自分のキャリアのイメージをよく膨らませておいたほうがよいでしょう。