食品衛生監視員の1日のスケジュール・勤務時間や休日についても解説
食品衛生監視員の1日の流れ
食品衛生監視員の1日の流れについて、代表的な働き方のパターンを例にとって紹介します。
検疫所で働く食品衛生監視員の1日
ここでは、検疫所で輸入食品監視業務を行う食品衛生監視員のある1日を例にとります。
保健所で働く食品衛生監視員の1日
ここでは、地方自治体の保健所の生活衛生課で勤務する食品衛生監視員のある1日を例にとります。
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食品衛生監視員の業務スケジュール
食品衛生監視員は、厚生労働省が管轄する検疫所などに配属される国家公務員と、各自治体の保健所などに配属される地方公務員に分けられます。
それぞれの配属先によって業務内容は大きく違い、業務スケジュールもまちまちですが、勤務時間は原則として1日7時間45分、1週間当たりでは38時間45分となっています。
国家公務員として勤務する場合、厚生労働本省や地方厚生局に出向することもありますが、全国の主要な空港や海港にある検疫所に配属されることが一般的です。
24時間体制で稼働している空港の検疫所は、交代制での勤務が基本となります。
地方公務員として勤務する場合は「8時30分から17時15分まで」という勤務時間が一般的ですが、卸売市場の検査場で勤務する際は早朝から出勤することもありますし、夜間営業の飲食店が多い地域で勤務する際は夜勤があることもあります。
また卸売市場の検査場では、早朝に入荷食品の監視業務を行うこともあり、その場合は通常より早く終業します。
さらに夜間営業の飲食店が多い地域で勤務する場合は、夜遅くに飲食店の巡回指導を行うなど夜勤をすることもあります。
このように勤務する場所の状況によって、さまざまな勤務体系があります。
食品衛生監視員の休日・休暇
食品衛生監視員は公務員なので、基本的には週休2日制で、原則として土・日曜日と祝日および年末年始は休みとなります。
ただし、空港の検疫所などの交代制勤務の職場では、曜日にかかわらず「4週8休」という形がとられることが一般的で、土日や祝日でも勤務になる場合があります。
まれに休日出勤をすることもありますが、その場合は振替休日をとることができたり、休日勤務手当が支給されたりします。
休暇については、ほかの公務員と同じように、年次有給休暇、病気休暇、特別休暇(夏季・結婚・出産・忌引き・ボランティア等)、介護休暇があります。
忙しい時期は年次休暇をとることが難しいものの、落ち着いている時期であれば、他の職員と調整して休むことは可能です。
また育児休業制度など、仕事と家庭生活の両立を支援する制度も整っています。
食品衛生監視員の残業時間
近年、国家公務員の長時間労働が問題視されるなか、平成31年4月から時間外労働時間の上限を定めるなどの働き方改革関連法が施行され、国家公務員全体としても超過勤務時間の削減に取り組んでいます。
食品衛生監視員の残業は、配属先によってまちまちで、時期によっても波があるといわれます。
とりわけ空港などの検疫所での仕事は忙しいとされていますが、最近では、よほど忙しい部署でなければほぼ定時で帰れるケースもあるようです。
1日7時間45分、週38時間45分の法定労働時間を超えて勤務した場合は、時間外勤務手当が原則支給されます。
食品衛生監視員は忙しい? 激務?
食品衛生監視員の業務は、窓口における業者対応、輸入者への指導、書類審査、輸入食品保管倉庫での現場検査など多岐にわたります。
モニタリング検査では倉庫で輸入食品の確認やサンプリングを行うので、特に貨物の開梱や検体の運搬などでは体力も必要となります。
また日本は世界最大の食料輸入大国でありながら、輸入食品の検査を行う食品衛生監視員の総数が非常に少なく、その分一人にかかる負担が大きいという指摘もあります。
とくに都市部の検疫所では輸入量が多く、1日に2,000件を超える食品等輸入届出書を審査する必要があるので、一日中、事務所での書類審査業務に追われることも少なくありません。
食品衛生監視員の休日の過ごし方
食品衛生監視員は国民の食の安全を守るという使命のもと、日々緊張感のある仕事に従事していることもあり、休みの日はしっかりリフレッシュして疲れを癒している人が多いようです。
なかには自分が検査に関わった輸入食品をスーパーで買って料理することを楽しんでいる人もいます。
また国家公務員として勤務している場合は2~3年ごとに転勤があるので、休日にサイクリングやドライブをして、転勤先の観光地巡りをすることも多いようです。
空港の検疫所で勤務している場合は、格安航空会社などを利用して海外旅行を楽しむ人もいます。