【2023年版】職業訓練指導員免許のメリットは? 資格の取得方法を紹介
職業訓練指導員免許のメリット
職業訓練指導員免許を取得するメリットは、職業訓練指導員として働ける資格を得られることです。
職業訓練指導員の求人は少ないため、民間企業で働きながら転職するチャンスをうかがっている人も多いようです。
とにかく免許がなければ応募資格もないため、メリットであると同時に大前提でもあります。
各都道府県が設置・運営する職業能力開発施設で働くため、公務員という立場で働けるのもメリットの1つです。
景気に左右されず、安定した働き方ができるのは将来的にも安心できるでしょう。
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職業訓練指導員免許の取得方法
職業訓練指導員免許を取得する方法は複数あり、代表的なのは以下の通りです。
- 職業能力開発総合大学校 指導員養成課程を修了する
- 48時間講習を修了する
- 職業訓練指導員試験に合格する
- 高等学校普通教育免許を取得する
いずれかの方法を経て、各都道府県へ申請を行うと指導員免許が発行されます。
それぞれの取得方法について紹介していきます。
職業能力開発総合大学校 指導員養成課程を修了する
職業能力開発総合大学校は職業訓練指導員の養成や研修をはじめ、職業能力の開発・向上に関する調査・研究を行っている学校です。
この大学で職業訓練指導員を目指す場合の主な方法は長期養成課程で2年間、時間にして3600時間以上の授業を受け免許を取得します。
長期養成課程に入学するには以下の条件があります。
- 職業能力開発総合大学校の総合課程を卒業
- 全国の職業能力開発大学校応用課程を卒業
- 工業系大学を卒業
もしくは職業能力開発総合大学校を卒業後、高齢・障害・求職者雇用支援機構に職業訓練指導員候補者として働き、在職したまま長期養成課程に入学するルートもあります。
参考:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 指導員養成訓練についてのご質問と回答
48時間講習を修了する
48時間講習の正式名称は職業訓練指導員講習で、厚生労働大臣の指定する講習実施要領に基づいた講習を受講します。
<主な講習内容>
- 職業訓練原理
- 教科指導方法
- 労働安全衛生
- 訓練生の心理
- 生活指導
- 関係法規
- 事例研究
- 確認試験
訓練計画の策定や改善、受講生との関わり方や指導方法など、職業訓練指導員に欠かせない講義内容となっています。
48時間講習を修了すれば都道府県に申請を行えるようになり、職業訓練指導員免許が交付されます。
48時間講習を受講するには以下の要件を満たしている必要があります。
<「技能検定」の1級合格者>
職業訓練指導員の免許職種に対応している「技能検定」の1級に合格している人は48時間講習を受講できます。
<免許職種に係る学科を卒業後、2年以上実務経験を積んでいる人>
学歴によって必要な実務経験年数は違います。
- 大学卒業者:2年
- 外国の大学卒業:2年
- 短大・高専卒業:4年
- 高等学校卒業:7年
ほかにも細かく定められているため、自分がどの条件にあてはまるかなど、詳細は各都道府県の職業能力開発協会などに問い合わせることをおすすめします。
参考:兵庫県 職業訓練指導員講習(48時間講習)受講資格一覧表
職業訓練指導員試験に合格する
各都道府県で年に1回行われる職業訓練指導員試験に合格すれば職業訓練指導員免許の取得ができます。
誰でも受験できるわけではなく、次に紹介する要件を満たしている必要があります。
職業訓練指導員試験の受験資格
職業訓練指導員試験を受験するには以下の要件を満たしている必要があります。
1.「技能検定」の2級合格者
職業訓練指導員の免許職種に対応している「技能検定」の2級に合格している人は、職業訓練指導員試験にチャレンジできます。
2.免許職種に係る実務を1年以上経験している人
学歴によって必要な実務経験年数は変わってきます。
- 大学卒業:1年
- 高等専門学校卒業:2年
- 短期大学卒業:2年
- 職業課程の高等学校卒業:3年
※ここまで免許職種に関する学科修了が条件
- 高等学校または中等教育学校卒業:5年
- 中学校卒業:8年
職業訓練指導員試験の受験要件も細かく分けられているため、詳しくは試験を実施する各都道府県に問い合わた方がよいでしょう。
高等学校普通教育免許取得する
免許職種に関する学科の高等学校教員免許を保有している人も職業訓練指導員免許を取得できます。
48時間講習の受講や職業訓練指導員試験を受験しなくても、都道府県に申請すれば免許が交付されます。
なお、免許職種に関する学科は以下の通りです。
- 看護、看護実習
- 家庭、家庭実習
- 情報、情報実習
- 農業、農業実習
- 工業、工業実習
- 商業、商業実習
- 水産、水産実習
- 福祉、福祉実習
職業訓練指導員免許を取得できない人
ここまで職業訓練指導員免許の取得方法を紹介してきましたが、要件を満たしていても下記のにあてはまる人は免許を取得できません。
- 心身の故障により職業訓練指導員の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
- 禁錮以上の刑に処せられた者
- 職業訓練指導員免許の取消しを受け、当該取消しの日から2年を経過しない者
- 職業能力開発促進法や、同法に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなつた日から2年を経過しない者
これらはすべて、職業能力開発促進法で定められています。