鍼灸師資格は介護の仕事でも役に立つ?
本記事では、鍼灸師が介護業界でどのように活躍するのかを紹介します。
介護業界でも鍼灸の需要が高まっている
これまで、鍼灸師の活躍の場といえば、街の鍼灸院や治療院が一般的なものでした。
もちろん、現在でも多くの鍼灸師がこれらの場で活躍していますが、近年、鍼灸師の新たなフィールドとして注目を集めているのが介護業界です。
高齢化社会が進む日本では、老人保健施設や有料老人ホームといった介護施設も増加傾向にあり、この先、それらの場所への入所者はますます増えることが予想されています。
その中で、高齢者の身体にとって負担が少なく、病気やケガのリハビリテーションや健康維持などに効果があるとされる鍼灸治療の需要は、さらに増大するものと考えられます。
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介護業界で活躍するために
ケアマネージャーとして働く
鍼灸師はスキルアップを図ることで、介護業界においてさらに踏み込んだ形で活躍することが望めます。
たとえば、5年以上の実務経験があり、試験に合格すればケアマネージャー(介護支援専門員)として働くことも可能です。
ケアマネージャーは、一人ひとりの利用者さんに対して、どのような方法で介護を行うかを決める「ケアプラン」を作成し、鍼灸師もそれに基づいた形で治療にあたります。
鍼灸師とケアマネージャーを兼任すれば、より患者さん一人ひとりの身体の状態の変化に寄り添いやすくなるでしょう。
機能訓練指導員として働く
介護業界では「機能訓練指導員」も活躍しています。
機能訓練指導員は、すべての通所介護事業所(デイサービス)に必ず1人以上設置することが義務付けられており、介護施設の増設とともに需要が高まっている職業のひとつでもあります。
これまでは、「あん摩マッサージ指圧師」や「柔道整復師」は機能訓練指導員になることができるものの、鍼灸師の資格では機能訓練指導員の役割を務めることはできませんでした。
そのため鍼灸師でありながら、あん摩マッサージ指圧師や柔道整復師の資格も取得し、仕事の幅を広げる鍼灸師が多くいました。
しかし2018年、深刻化する看護や福祉の人材不足から機能訓練指導員の対象資格に鍼灸師も含まれることが決まりました。
これにより鍼灸師以外の機能訓練指導員の在籍する介護施設・事業所で半年(6カ月)以上の実務経験があれば、鍼灸師も機能訓練指導員として働くことができるようになりました。
鍼灸師も介護の分野で働くことができる機会が増え、機能訓練指導員の需要の高さから、今後ますます鍼灸師を目指す人が増えてくると考えられます。
鍼灸師の在宅ケア
高齢者施設だけでなく、高齢者の自宅に直接出向いて鍼灸を行う鍼灸師も少なくありません。
足腰が悪く通院できない人のために、在宅ケアとして鍼灸治療を行います。
高齢化がすすみ、高齢者向け施設が不足したり自宅で余生を暮らしたいと考えたりする人が増える中、在宅でのケアを求める人も増えことが予想され、今後は訪問治療を行う鍼灸師も増えてくると考えられます。
鍼灸師資格は介護の仕事でも役に立つ? のまとめ
近年、鍼灸師の新たなフィールドとして注目を集めているのが介護業界です。
高齢者の身体にとって負担が少なく、病気やケガのリハビリテーションや健康維持などに効果があるとされる鍼灸治療の需要は、さらに増大するでしょう。
また、5年以上の実務経験があり、試験に合格した鍼灸師はケアマネージャー(介護支援専門員)として働くことも可能です。
さらに、2018年以降は鍼灸師以外の機能訓練指導員の在籍する介護施設・事業所で半年(6カ月)以上の実務経験があれば、鍼灸師も機能訓練指導員として働くことができるようになりました。
足腰が悪く通院できない人のために、在宅ケアとして鍼灸治療を施す鍼灸師もいます。