歯科医師のつらいこと・大変なこと・苦労
日々患者さんと向き合うなかで大変だと感じることもあれば、開業後の経営面で苦労することもあります。
ここでは、多くの歯科医師が感じやすい苦労やつらいことなどについて紹介していきます。
歯科医師のつらいこと・大変なこと
歯科医師の給料はそこまで高くない
「歯科医師は儲かる!」といわれていた時代は過ぎ、現代では歯科医師は勉強に投じたお金の割には、戻ってくるお金(稼げるお金)が少ないといわれるようになってきました。
実際、歯科医師の平均給料は700万円~800万円ほどがボリュームゾーンとされますが、技術向上のための勉強会費用などを考えると、一般的な会社員のほうが手元に残るお金は多いこともあるようです。
開業医になれば収入を大きく上げられる可能性もあるものの、今度は経営面のリスクやプレッシャーを抱えることになります。
決して楽に稼げる仕事ではないと考えておくひつようがあるでしょう。
常に勉強が必要
歯科医師として安定収入を得るためには、治療の腕を磨くことのほか、患者さんの目を惹く技術や、自由に料金を設定できる保険診療外の自費治療を取り入れることが必要となってきます。
そのため、近年では歯列矯正やホワイトニング処理、インプラント手術などに光が当たっており、保険治療でもセラミックなどの特別な素材を使った審美性の高い治療などを選択肢に加える歯科クリニックも増えています。
しかしながら、これらの技術の多くは一朝一夕で学べるものではありません。
大学や大学院での勉強以外にも、常に情報のアップデートや技術躍進、新しいものを取り入れるための勉強を怠らない努力が必要となります。
また、都心部ではコンビニエンスストアよりも歯科クリニックの数が多いといわれるいま、同業者との競争に負けないためにも勉強が欠かせません。
こういったことから、6年間の歯学部在籍中よりも、歯科医師になった後のほうが大変と話す歯科医師も多くいます。
評判や印象に左右される
腕のよい歯科医師が開業すれば必ず成功できるかといえば、そうともいえません。
一般の人たちは、経験豊富なおじいちゃん先生よりも、まだ現役感が残る40代~50代の歯医者を好む傾向がありますし、決して「古くからある=腕が良い医者」という認識ではありません。
また、近年はインターネットで歯科クリニックの評判がすぐに広まるため、患者さんのちょっとした不満や感想が知らぬ間に出回り、医院の評判を落とすこともあります。
そのため、昔よりも患者さんに丁寧に、神経を使いながら接さなければならず、技術力以外のスキルも求められるようになっています。
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歯科医師の悩み
歯科医師の仕事は、ただ患者さんの歯を治療すればよいというわけではありません。
歯科クリニックにはさまざまな患者さんが来院するため、そのすべての患者さんといつもスムーズなコミュニケーションができるわけではありません。
たとえば、治療に対して否定的ですでにネガティブなイメージを持っている患者さんなど、コミュニケーションをとりづらいタイプの患者さんが来ることもあります。
そのような場合、歯科医師は治療にあたるまでの信頼関係づくりに苦労することがあります。
患者さんとより良い関係を築くことが、治療にプラスになることはいうまでもありません。
患者さんのタイプや性質によって説明をする順番や、話し方を変えてみるなどの工夫をしたり、世間話や共通の話題をたくさん持つように心がけ、敷居を下げる努力をするなど、治療や研究などの仕事そのものよりも患者さんとの接し方に苦労する人も少なくないようです。
歯科クリニックが苦手なままだと歯科治療を敬遠し、その結果、病状が悪化するまで放ってしまう人もいます。
適切な治療を受けてもらうことは歯科医師の願いですが、どうやったら患者さんとうまくコミュニケーションが取れるようになるか、日々頭を悩ませている歯科医師も少なくありません。
歯科医師を辞める理由で多いものは?
昨今、ネットの口コミサイトなどでお店や病院の評判を書き込みすることは身近なことになっており、それを参考にする人たちもたくさんいます。
評判の良い口コミや称賛のコメントなどと比べ、とくに気分やサービスが悪かったことやお店の不手際などは、良いコメントの数倍のスピードをもって拡散していきます。
歯科クリニックも例外ではなく、とくに個人開業をしている歯科クリニックでは歯科医師が院長一人しかいないことも珍しくなく、歯科クリニックの悪い評判はすなわち、その歯科クリニックで勤務する歯科医師の評判ということになります。
目立つ失敗や失態をしてしまった場合、インターネットにどのようなことを名指しで書かれるかと気になり、患者さんへの対応に必要以上にプレッシャーを感じてしまう歯科医師もいます。
ひとたび悪いコメントなどを見てしまうと、自信を失ったり歯科医師という職業に対しての適性を疑ってしまったりして、それが離職の原因のひとつになることがあります。