裁判所事務官はつらい? 大変なことやきついことを紹介

裁判所事務官は、法律と裁判に関わる重要な役割を果たす一方で、仕事には厳しい側面もあります。

憧れの気持ちだけで目指すと、試験を突破しても、実務をする際に理想とのギャップを感じてしまう人もいるかもしれません。

この記事では、裁判所事務官の仕事におけるつらいこと、大変なこと、そして苦労に焦点を当てて解説していきます。

裁判所事務官のつらいこと・大変なこと

まずは、裁判所事務官の仕事で味わうことの多いつらさや、大変なことを紹介します。

現実を知って、仕事のイメージをよりリアルなものにしておきましょう。

公務員だからといって楽ではない

裁判所事務官に対して、「公務員だから安定していそう」「職業名に事務と付いているから楽に働けそう」といったイメージを抱く人もいるようです。

しかし、「公務員は定時に帰ることができる」「デスクワークが基本で楽そう」といった考え方は、決して正しいものとはいえません。

たしかに公務員には安定性や福利厚生での魅力的な面がありますが、業務における責任は非常に大きい仕事です。

とくに裁判所事務菅としての仕事は、法的な責任や社会的な期待が伴うため、それに応えるために専門的な知識やスキルが必要です。

裁判や法律に関する勉強は欠かせない

裁判所事務官の仕事は、法律や裁判に関する高度な知識とスキルが不可欠です。

法改正や法的な変更が毎年行われるため、常に最新の情報をキャッチアップし、それに合わせて業務を行わなければなりません。

裁判所事務官は、配属先が「裁判部」か「司法行政部門(事務局)」かによっても役割に違いがあり、同じ事務局のなかでもそれぞれの課によって仕事内容は異なります。

このように広範囲な業務を担当することがあるため、柔軟性と適応力も求められます。

さらに、異なる部門や課に配属されることもあるため、新しい業務内容に素早く適応できる姿勢が必要です。

プロフェッショナルとしての姿勢、コミュニケーション力も求められる

裁判所事務官は、法廷内外で法律関連の仕事をサポートする役割を果たします。

これには法廷に出ている判事や弁護士、証人、被告などとのコミュニケーションも含まれます。

円滑に物事を進めるためのコミュニケーションスキルや、プロフェッショナルとしての態度が求められます。

この職種に就くためには、法律や裁判に対する熱意と、常に学び続ける意欲が必要です。

変化する法的な環境に適応し、正確な情報提供とサポートを提供することが求められる仕事であることを理解し、その覚悟を持っておきましょう。

裁判所事務官の悩み

裁判所事務官の仕事は、ときにはストレスやプレッシャーを感じることがあるものです。

当事者のなかには、とくにひどく落ち着かなかったり、大声を上げたりと、感情的に落ち着かない人もおり、そうした当事者に冷静に対応しなくてはならない難しい場面もあります。

そういった場面をサポートすることこそが、この職業の社会的な使命であるともいえます。

また、裁判所事務官は法的な書類やプロセスに関する高度な知識と正確性が求められ、ミスを許容できない厳格な状況もあります。

そのため、慎重さや注意深さが必要で、こうしたストレスやプレッシャーに対処するためには、適切なトレーニングやサポート体制を活用することも大切です。

裁判所事務菅は、社会における法の適用と公正性を支える役割を果たす重要な仕事であり、自己管理やストレス管理に取り組むことが、仕事の達成感を高める手助けになるでしょう。

裁判所事務官を辞める理由

一生懸命に勉強をし、採用試験に合格して裁判所事務官になった人でも、キャリアの途中でこの仕事を辞めてしまうことがあります。

ここでは、裁判所事務官を辞める理由として、代表的なものを紹介します。

理想と現実のギャップ

裁判所事務官は、裁判官や裁判所書記官の補助的な仕事を担う場面も多いです。

「思っていた仕事と違った」という点で、仕事を前向きに続けられなくなってしまう人がいます。

一つひとつの裁判に主体的に取り組む意識はもちろん大切ですが、裁判所事務官には「サポート」としての役割が求められていることを理解しなければいけません。

その点に関する理解が不十分な場合、「自分の意見を反映させる場面が少ない」「単純作業ばかりやっている」と感じてしまい、退職を考えるきっかけにもなってしまいます。

サポートとしての役割は、主体的な裁判活動に比べて地味に感じられるかもしれませんが、実際には法廷での正義の実現に向けて大きく貢献しているのです。

また、裁判所事務官としての経験は、将来的に裁判所書記官や簡易裁判所判事といった高度な職種に進むための貴重なキャリアとなります。

このようなキャリアパスを見据えて、裁判所事務官としての経験をしっかり積み上げていくことが大事です。

異動が多いこと

裁判所事務官は異動の頻度が高く、転勤先は、組織の都合によって決まることが一般的です。

転勤が頻繁であると家庭との両立に課題が生じることもありますし、配属先によって、一から仕事を覚えなおさなくてはならないこともあります。

とくに育児との両立は、通勤時間や生活の安定に大きな影響を及ぼすことがあります。

この点は、裁判所事務官を目指すなら、事前に理解しておく必要があるでしょう。

裁判所事務官として働く際には、転勤の都度、対する柔軟な対応策を考えなくてはなりません。

どうしても家庭の状況やライフスタイルに合わなくなり、仕事を辞めることを決意する人もいるのが現実です。

「裁判所事務官のつらいこと・大変なこと」まとめ

裁判所事務官は社会にとって重要な存在であり、事務官らの努力が法の下での公平な審判を支えていますが、仕事には厳しい一面もあります。

常に最新の法律知識を学ぶことを求められ、ストレスの多い当事者応対、家庭との両立の難しさ、転勤の不確実性なども受け止めていかなくてはなりません。

裁判所事務官を目指す人は、試験を受ける前に仕事の実態をよく理解しておきましょう。