臨床検査技師の転職状況は? 職場別の求人状況
臨床検査技師の求人の需要
医療の研究が進み、さまざまな検査機器やキットが開発されている現在では、臨床検査技師の求人は減少しつつあります。
そのような状況下での転職は一見困難に思えるかもしれませんが、持っているスキルによっては新卒者より優遇される場合もあり、一概に難しいとはいえません。
しかし、臨床検査技師の需要が少なくなっているのは確かですので、募集要項をよく確認し、慎重に転職先を探しましょう。
転職サイトや出身校の就職支援窓口なども利用すると、より多くの情報を得ることができます。
20代で正社員への就職・転職
転職可能な時期は何歳まで?
検査部のある病院では、臨床検査技師の人員削減のため、任期制職員やパート職員を採用することが多くなっています。
そのため、卒業後3年~5年で任期満了となった若い臨床検査技師が転職活動を行なうことも珍しくありません。
生理検査や細胞診の認定資格を持ち、専門性の高い臨床検査技師の場合、募集内容によっては年齢が高くても採用されることがあります。
ただ、最近は認定資格を得る臨床検査技師が増えているため、倍率は高くなることが予想されます。
安定した収入を得るためには、実務経験もありつつ伸びしろもある30代のうちに転職を済ませるのがよいでしょう。
医療機関での求人状況
医療機関は臨床検査技師の就職先として人気がありますが、採用人数は年々減少しつつあり、求人情報も少なくなっています。
生理検査(とくにエコー検査)の経験が3年以上あり、さらに認定資格も所持していると、応募できる範囲が広がります。
検査部があるのは総合病院や大学病院などの大きな病院ですので、病院のホームページがある場合は定期的に閲覧するとよいでしょう。
病院のホームページには検査部の有無、病院の特色(診療方針など)、採用情報も掲載される場合があります。
20代で正社員への就職・転職
検査センターでの求人の需要
病院から依頼を受けて、検体の検査を行う「検査センター」でも、臨床検査技師が活躍しています。
ただし、ひとつのセンターが複数の地域にまたがって受注していることが多く、センターの数は限られており、最近では機械化の影響もあって人員は削減傾向です。
検査センターのなかでも検体検査専門の施設では、検体検査の経験が豊富にある人が優遇される可能性が高いです。
検査センターの採用情報は、各センターのホームページのほかに転職・就職サイトでも見つけられる場合があるため、定期的にチェックしましょう。
保健所での求人の需要
保健所で働く臨床検査技師はあまり多くないうえ、退職まで勤め上げる人がほとんどであるため、求人は少なめです。
保健所など行政施設で働く場合は地方公務員の身分となり、臨床検査技師の採用試験のほかに公務員試験への対策も必要となってきます。
どこかの自治体で募集が出た場合、相当数の応募者がいると思って間違いありません。
臨床検査技師の採用試験・公務員試験ともに万全の対策をはかり、面接対策もしっかりとおこなうことが大切です。
企業での求人の需要
臨床検査センター以外の一般企業でも、臨床検査技師の募集をおこなっていることがあります。
とくに多いのは治験の委託業務をおこなっている企業で、「治験コーディネーター」として臨床検査技師や看護師の国家資格を持つ人が募集されます。
治験コーディネーターは、被験者と共に各地の病院へ赴いて仕事をするため、病院での勤務経験があると有利です。
被検者・治験をおこなう医師・治験の委託元である企業をつなぐ仕事であり、臨床検査技師としての専門知識のほか、コミュニケーション能力も求められます。
どんな経験が生きるか?
臨床検査技師が自分の経験を生かした転職をするためには、自分が最終的にどのような仕事がしたいかを明確にしておく必要があります。
どのような職場を希望するかにより必要な経験は変わってきますが、ひとつの職場に3年以上在籍し、必要であれば認定資格を取得していることが目安となるでしょう。
一般的には超音波検査の実務を3年以上経験し、「超音波検査士」の認定資格を所持していると、転職の際に有利になることが多いとされています。
「細胞検査士」も需要の高い認定資格ですが、他の認定資格に比べ難易度が高い傾向にあります。
また昨今では緊急検査の重要性が認知されてきており、「緊急検査士」の認定資格も需要が増えています。
履歴書や職務経歴書の書き方
履歴書の職歴・職務経歴書には、応募する職種に生かせる経験を時系列順に、具体的に記述していきましょう。
詳細は箇条書きにするなど、履歴書や職務経歴書を見る採用者が理解しやすいよう工夫して書くことも大切です。
また、履歴書の志望動機には必ず転職に至った理由、なぜこの職場を選んだかについて、明確にわかりやすく記述しましょう。