パン職人の資格「パン製造技能士」とは?

資格取得は必須ではない

 
パン職人になるために必要な資格や学歴はありません。

専門学校に通いながら効率的にパン製造の基礎から応用を学ぶ人もいますが、中学や高校卒業後にパン屋に就職し、オーナーや先輩の技術を見ながら習得していくこともできます。

資格や学歴がとくになくても、パン職人としての経験やセンスがあれば、一流のパン職人としてステップアップしていくことは可能です。

とはいえ、資格があることで客観的に自分の技術を示すことができるため、就職や転職に有利に働くことが多いです。

また、スキルの証明や技能手当ての対象になる場合などもありますので、パン職人を目指し、働いていくうえで、資格を持っていることはさまざまな面で有利となるでしょう。

パン製造技能士の資格とは?

パン製造技能士の概要

パン職人に関する資格に「パン製造技能士」という国家資格があります。

パン製造技能士とは、パンの種類や栄養、パン生地の発酵方法など、パンを作る上で欠かせない知識と技術を持つことを証明する国家資格です

知名度が高く、業界でも信頼されている資格で、「特級」「1級」「2級」と3つの等級があります。

実技試験と学科試験に合格することで厚生労働大臣名にて合格証書が交付され、国家資格としてパン製造に必要な技術を持つ技能士を名乗ることができるようになります。

受検手数料は都道府県ごとに定められています。

なお、パン製造技能士の有資格者は「職業訓練指導員 (パン・菓子科)」の実技試験を免除されます。

受験資格

パン製造技能士を受験するには、2級が2年以上、1級が7年以上の実務経験を必要とします。

また特級を受験するためには、1級合格かつ5年以上の実務経験が必要です。

パン製造技能士の受験資格を得るために、おのおのの級に必要な受験資格が得られる期間まで現場で働く方法があります。

この方法は費用的には安いものの、2級受験までに最低2年かかるほか、働きながらの勉強になるため、大変です。

2級の場合は専門学校の指定学科や厚生労働大臣指定の学校などに通い、必要な過程を修了すれば、卒業時に受験資格を得ることができるとされています。

2級合格者は2年以上の実務経験で1級を受験することもできるため、受験資格で実務経験が免除される学校に通うことが、資格取得の早道となります。

試験内容

パン製造技能士試験は、学科試験と実技試験で構成されています。

1級と2級の学科試験は、「食品一般」「パン一般」「パン製造法」「材料」「関係法規」「安全衛生」などの内容が出題されます。

実技試験は、決められた時間内に指定の作業を行うという内容です。

2級の場合は材料の選定からスタートして、生地の調整・発酵、仕上げ、製品検査などを行います。

1級の場合は、2級の実技試験の内容にプラスして、精算や見積もりができるかどうかがチェックされます。

たとえば1級は水の配分割合を決定したうえで、各材料の使用量を算出します。

そして、支給された強力粉及び中力粉の2種類の小麦粉のうちから強力粉選び、各材料秤量を行った後、焼成を行い、食パンを4本作ります

一方、2級では、強力粉及び中力粉の2種類の小麦粉から強力粉を選択し各材料を秤量、直捏生地法にてミキシング、発酵及び焼成を行い、食パン3本作るという内容になります。

特級になると、学科試験は「工程管理」「作業管理」「品質管理」「原価管理」「安全衛生管理」「作業指導」「設備管理」などの内容が出題されます。

そして実技試験ではパンを作るのではなく、パンを作る工程を管理できるか、品質の管理ができるかなどの内容のペーパーテストになっています。

1級、2級は職人としてのスキル、特級は管理職としてのスキルが求められるといえます。

難易度

合格ラインは原則、実技試験60点以上、学科試験65点以上(100点満点)となっています。

パン製造技能士の合格率は2級が60%、1級が45%と難易度はそこまで高くはなく、しっかりと対策をとることで十分合格は可能でしょう。

学科試験に関しては、過去問題集から8割ほど同じ問題が出題されます。

実技試験に関しては、試験日に先だち問題が公表されます。

時間内に仕込みから成形、そして焼成までひと通りできれば、まず落ちることはないでしょう。

手洗い、焼成の色などいくつか減点ポイントがあるため、その部分を押さえて1つ1つの工程を丁寧にこなすことを意識しましょう。

特級に関しては1級より少し難易度が上がるものの、実務経験がある人であれば合格の可能性は十分にあるでしょう。