パン職人に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
パン職人に向いている性格・適性
パンが大好きな人
パン職人を志す人に共通するのは「パンが好き」という気持ちで、なかにはパンが好きで始めた趣味のパン作りが高じて、パン作りを仕事にしたという人もいます。
パン職人は、朝から晩までとにかくパンに囲まれて過ごすことになります。
そのため、パンが好きな人にとっては、焼きたてのパンの香りに包まれながら働くことは魅力的に感じられるでしょう。
パン屋は朝早く開店するため、まだ夜も明けないうちから職場に行き、すべての商品をお店に並べるまで一日中パンを焼き続けなければいけません。
外回りや出張があるわけでもないので毎日をひたすらお店の中で過ごすことになります。
また、パンは単価が低く、消費期限が短いので売れ残ったときのロスも大きいことから、売り上げや給料が不安定だったり低めだったりすることもあります。
「焼きたてのパンの香りのなかで働けることが何よりの幸せ!」と感じられるようなパンが大好きな人でなければ、長期間に渡ってこの仕事を続けていくのは厳しいのが現実です。
厳しい下積み時代も、「いつかこんなパンを作ってみたい!」という情熱があれば、乗り越えていくことができるでしょう。
協調性があり素直な人
一人前のパン職人になるまでには、先輩の職人から学んだり、仲間と一緒に協力して仕事をしたりする場面も多くあります。
店によっては工程によって細かく分業されていることもあり、パン作りにチームワークは欠かせないものとなります。
大きなバランスの中にいることを忘れず、やるべきことを感じ、見つけ、実践することや、雰囲気を乱すことなく輪の中の一員となることが必要です。
周囲の状況を読んで自分の役割を見出し貢献できること、そして教えてもらうのではなく自ら学ぶという真摯な姿勢を持ち続けることが大切です。
どんな物事にも前向きに取り組み、人の意見を素直に聞いて行動できる力があれば、パン職人として成長していくことができるでしょう。
失敗を引きずらない性格
パンを焦がしたり、配合を間違えたりと、一人前になるまでにはミスをすることもあります。
またパンは天候などの影響をうけやすく、マニュアル通りにいかないことも多いものです。
失敗した時にいちいちクヨクヨしていたら、パン職人の仕事は務まりません。
失敗も成長の機会と捉え、きちんと原因を究明して改善につなげられることが大切です。
また、失敗後も恐れずに取り組む姿勢を持ち続けることも必要です。
常に高みを目指すことができる情熱と信念、どんな経験も成長の糧にできるタフさがあれば、きっとどんなつらいことも乗り越えられるはずです。
失敗を乗り越えていく強靭なメンタリティがある人がパン職人に向いています。
食品科学に興味がある人
パン作りというのは、生地の「発酵」によってそのおいしさや食感が決まると言っても過言ではありません。
この「発酵」は、その日の室温や湿度に応じて臨機応変に時間や原料の量を調整する必要があるため、食品科学に関する知識を持ち技術を身につける努力が欠かせません。
パン作りを科学的にとらえることができる人ほど、こうした作業で力を発揮することができ、おいしいパンを追求しやすい一面があります。
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パン職人に必要なスキル・能力
体力・腕力がある
パン職人の仕事は、体力勝負といわれています。
パンを作る際には朝から晩まで立ちっぱなしの作業が多いですし、小麦粉の袋を担いだり焼きあがった大量のパンをオーブンから出したりするときには、力仕事も避けて通れません。
また朝が早く、勤務時間も長くなりがちなハードな仕事です。
パンを作るキッチン内は常に火があるため、立ち眩みを起こしそうなくらい暑い時もあります。
それに耐えられるだけの体力がないと、この仕事を続けることはできないでしょう。
そのため、体力や健康状態はお店側も人を採用するときに気になるポイントで、実際に「体力はあるか?」と直球で聞かれることもあります。
最近では女性のパン職人も多く活躍していますが、いずれにしてもある程度の体力があり最低限の力仕事ができることが、パン職人になるためには不可欠です。
マーケティング力
パン屋においしいパンがあるのは当たり前で、お客さまに選ばれるパン屋になるため、競合他社との差別化が必要になります。
ほかの店がどのような商品を出しているか、どんな接客をしているか、今どんなものが消費者に求められているのかなど、世の中の動きに敏感でいることも大切です。
パンは変化に富んだ食べ物です。
休日に食べ歩きをしたり、雑誌やSNSで情報を集めたりして、売れる商品を察知する能力があると望ましいでしょう。
さらに駅前、住宅街など店舗の所在地により、客層が異なり、お客さまが求めるものも変わってきます。
パンの売れ行きも天候、曜日、近隣のイベントなどで大きく変化することもあります。
売れ残りは廃棄ロスになり、不足があればお客さまの購買チャンスを逃すことになるため、パン職人は分析をしながら、仕込みや焼く量を変えていかなくてはなりません。
データや情報を分析しながら仕事に生かしていく能力が求められてきます。
創意工夫力
パン職人には、終わりなきパン作りの世界で、飽くなき探究心を持って、新しいパンレシピを開発することが求められます。
季節に合わせたパンや創作パンなど新たな商品を考案し、お客さまに楽しんでもらうことは、パン職人のやりがいにもつながるものです。
そのためには、オリジナリティあふれるデザインのパンや驚きの食感を持つパンなどを作る技術やイマジネーション能力も欠かせません。
考えること、試作を繰り返して改善を重ねていく工程を楽しめる能力が、パン職人には求められます。
そのためには、美術品や製菓などにもふれ、創造性や美的センスを高めていくことも必要です。
パン職人に向いていないのはどんな人?
朝が苦手な人
パン職人の勤務先は、街のパン屋、ホテル、パン工場など多岐にわたり、勤務時間は様々です。
とはいえ、一般的にパン職人の朝は早く、早朝ときに夜明け前から仕込みがスタートすることもあります。
また修行時代は誰よりも早く出勤し、店舗の清掃、器具の準備をしていなくてはなりません。
朝が苦手、早起きはしたくないという人には、パン職人の生活は辛く感じるでしょう。
とはいえ、パン職人になりたいという想いがあれば、早起きには慣れてくるという声もあります。
最初は慣れない早起きに辛く感じるかもしれませんが、続けるうちにそれが当たり前となってくるでしょう。
繊細さに欠ける人
パン職人には繊細さも必要となります。
パンの原材料は少し配合をかえただけで食感が違うものになるだけでなく、天候や湿度により細かい調整が必要になります。
大雑把に大体このくらいという気持ちではおいしいパンを作ることは困難でしょう。
パン職人は、人々に喜びを与えられる仕事であると同時に、人の食をあずかるという責任の重い仕事でもあります。
使用する材料を把握し、体に良く安全なものを提供することはもちろん、アレルギーを考慮することなども必要となってきます。
さらにお客さまの口にはいるものを作る厨房や器具の清掃や消毒は丁寧に行わなければなりません。
もちろん、時間勝負のパンづくりでは、細かいことばかりを気にしていてはいけないこともあります。
大雑把だからパン職人に向いていないというよりも、大雑把のなかにもポイントをおさえた手寧さ・繊細さを心がけていきましょう。