ネットワークエンジニアになるには

ネットワークエンジニアになるまでの道のり

ネットワークエンジニアになるために、必ず進学しなくてはならない学校はありません。

できるだけ早い段階から関連知識・技術を学びたいのであれば、高校では「理系コース」や「情報処理コース」を選択するとよいでしょう。

将来ネットワークエンジニアの仕事をするにあたって、数学化学といった高校の理系科目の知識が必要となるわけではありません。

しかし、IT関連のエンジニアには「論理的思考」が必要不可欠であり、理系の勉強をしておくと、そのスキルが身につきやすいといわれています。

高校卒業後はそのまま中小IT企業などに就職することもできますが、大手IT企業にネットワークエンジニアとして就職したい場合、大学や専門学校に進むほうが有利です。

大学や専門学校では、「情報学部」「情報科学科」「情報工学コース」といった情報系の学部・学科で学ぶと、就職面接でさらに有利になることがあります。

もちろん、必ずしもこのルートを歩まなくではならないわけではありません。

なかには経済学部や法学部など文系学部出身で大手IT企業に就職し、ネットワークエンジニアになる人もいます。

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ネットワークエンジニアになるまでの資格・難易度

資格は必要?

ネットワークエンジニアになる上で、必須となる資格はとくにありません。

何の資格も持たずにネットワークのプロフェッショナルとして活躍しているエンジニアはたくさんいます。

とはいえ、資格があることにより対外的な評価が高まり、「就職・転職がしやすくなる」「フリーランスであれば仕事がとりやすくなる」といったメリットがあります。

また、資格を取得するための勉強でさまざまな専門知識が学べ、結果的に実務に役立つことがあります。

取得しておくとよい資格1:ITパスポート試験

「ITパスポート試験」は、ITの基礎的な技術知識やITを活用したビジネス知識など、ITの初歩を広く学べる国家試験となります。

所持しているとITへの関心の証となり、IT業界への就職でプラス評価されることがあります。

難易度:★★☆☆☆

取得しておくとよい資格2:基本情報処理技術者試験

「基本情報処理技術者試験」は、ITパスポート試験の上位となる国家試験です。

こちらもITに関する知識を幅広く学べ、かつ午後試験はプログラミングを題材にしているため、プログラミングの基礎も学べます。

入社後に取得が強制される会社もあるため、学生のうちに取得しておくとIT業界への就職で有利になりやすいです。

難易度:★★★☆☆

取得しておくとよい資格3:シスコ技術者認定

「シスコ技術者認定」は、ネットワーク機器の大手、米シスコシステムズ社(Cisco Systems社)が運営する民間試験です。

初心者用からプロ用まで細かくレベル分けされており、それぞれのレベルに合わせたネットワークに関する知識が問われます。

民間試験ながらIT業界では認知度が高く、とくにネットワークエンジニアであれば持っていて損はない資格です。

難易度:レベルによる

取得しておくとよい資格4:ネットワークスペシャリスト試験

「ネットワークスペシャリスト試験」は、ネットワークエンジニア向けの国家試験です。

「高度情報処理技術者試験」に含まれ難易度は高く、基本的にはある程度の実務経験のある、現役のネットワークエンジニアを対象としています。

ネットワーク分野におけるプロフェッショナルな知識が問われ、取得すると転職で有利になったり、会社によっては資格手当がつく場合があります。

難易度:★★★★★

ネットワークエンジニアを目指す人におすすめの資格は?

ネットワークエンジニアになるためにはどんな学校に行けばいい?(大学・学部、専門学校)

ネットワークエンジニアになるための学校の種類

ネットワークエンジニアになるために、絶対に通わなくてはならない学校はありません。

ただし、一般的に通う学校の種類としては、主に以下の4種類に分けられます。

・国立大学
・私立大学
・専門学校
・スクール

これらいずれの学校に通ってもネットワークエンジニアになることは可能です。

大学や専門学校には通わず、高校卒業後にそのままネットワークエンジニアとして就職し、実務を通してスキルを身につけていくことも不可能ではありません。

IT業界は人手不足の問題も抱えているため、出身学校はさほど重視せず、熱意ある人を積極的に採用する傾向があります。

しかし、大手IT企業では高卒が採用されにくい傾向もあり、就職を有利に進める上では、大学や専門学校で専門分野について学ぶに越したことはありません。

ネットワークエンジニアになるための大学

大学に通うメリット・デメリット

ネットワークエンジニアになる上で大学に通うメリットは、就職で有利になることです。

「NTTデータ」や「日本ユニシス」といった大手有名IT企業は、新卒社員を4年制大学以上の学歴で募集することが多いため、大手企業にネットワークエンジニアとして就職したい場合は大学に進んでおくのがおすすめです。

また、もしも入学後にネットワークエンジニアの道を断念し、他業界に方向転換することになっても、大学卒の学歴は就職活動時に有利にはたらきます。

一方で大学に通うデメリットとしては、「学費が高額になる」「理論的な部分は深められるが、専門学校に比べ実務的なスキルは身につきにくい」などが挙げられます。

大学の学費は?

ネットワークエンジニアになるために国立大学に通った場合は、学費の目安は4年間で約250万円です。

私立大学に通った場合は、学校にもよりますが4年間で約400万円~550万円が目安となってきます。

どのような学部・学科が有利か

ネットワークエンジニアになる上で有利な学部・学科は、理工系学部の情報工学系学科・コースなどです。

学校によって名称が異なりますが、主に次のような学部・学科が情報系に該当します。

・理工学部
・情報工学部
・情報学部
・情報科学科
・情報処理科
・情報処理コース
・情報工学コース
ITエンジニアコース
・ネットワークエンジニアコース

など。

しかし、大学によって「情報学部」「情報科学科」「情報工学コース」など名称はさまざまであるため、パンフレットやホームページをよく確認して、情報ネットワーク関連のカリキュラムがあるところを選ぶとよいでしょう。

大学は理系、文系どちらがよいか

ネットワークエンジニアというと、多くの人は「理系」のイメージを抱くかもしれません。

しかし文学部、法学部、経済学部といった文系出身のネットワークエンジニアもたくさんいます。

企業が新卒のネットワークエンジニアを採用する場合は自社での育成を前提とし、大手IT企業であっても出身学部や学科はそれほど重視されない場合が多いです。

適性や熱意など人物面で評価されれば、文系からネットワークエンジニアになることは十分に可能です。

とはいえ、理系大学出身者や理系学部出身者をひいきするIT企業もやはり少ならずあります。

また理系の場合は「学校推薦制度」で大手IT企業に入社できるケースもあるため、それらの点も踏まえて理系と文系どちらにするかを決めるとよいでしょう。

ネットワークエンジニアになるための専門学校

専門学校に通うメリット・デメリット

ネットワークエンジニアになる上で専門学校に通うメリットは、実務的な知識やスキルを学べることです。

専門学校は大学に比べ、実務に直結する内容の授業が多い傾向があります。

「基本情報技術者試験」や「シスコ技術者認定」など、IT業界で必要とされる資格取得を目指した対策講義などもよく行われています。

いち早く社会に出るべく、実務的でより仕事に直結する知識やスキルを学びたい人には、専門学校は向いているといえるでしょう。

一方で専門学校に通うデメリットとしては、大学に比べ学歴が弱いことです。

大手IT企業の中には、専門学校卒では応募できない会社もあるため、大卒者と比べると学歴的に不利になりやすいです。

ただし有名専門学校であれば大手企業とのパイプができていることもあり、一概にはいえない部分もあります。

専門学校の学費は?

ネットワークエンジニアになるために専門学校に通った場合、学費の目安は2年間で約220万円となります。

4年制大学と比べた場合は、トータルの学費は安いです。

ただし、最近は4年制の専門学校も増えています。

4年制専門学校の場合は4年間で約400万円~500万円となり、私立大学に4年間通うのとさほど変わらない額がかかります。

1年毎の学費でみれば、専門学校も私立大学もさほど変わりません。

夜間コースや通信コースはある?

専門学校の中には、「夜間コース」や「通信コース」を用意している学校もあります。

夜間コースや通信コースは、昼間コースに比べるとカリュキラムが簡略化されていることが多いです。

ただしその分学費が安く、また昼間は働いたり別の学校に通いながら学べるメリットがあります。

学費については、夜間コースは昼間コースの約1/2~1/3程度、通信コースは昼間コースの約1/5~1/10程度となり、昼間コースよりも大幅に安く設定されています。

ネットワークエンジニアになるためのスクール

スクールに通うメリット・デメリット

ネットワークエンジニアになる上でスクールに通うメリットは、「気楽に学べる」ことです。

スクールは大学や専門学校のように入学試験はなく、また途中で嫌になり辞めてしまっても「〇〇中退」と学歴に傷が付くこともありません。

授業の出席も強制ではなく自分の都合に合わせて好きなように学べますので、その気楽さや自由さが何よりのメリットです。

一方でスクールに通うデメリットとしては、学歴にならないことです。

スクールに長く通って、どれだけ専門的な知識を身につけても学歴は得られません。

学歴は不要で、純粋に知識だけ学びたい人のみが通う場所となります。

スクールの学費は?

ネットワークエンジニアになるためのスクールの学費は、スクールによってまちまちです。

総額1万円~2万円程度の格安で受講できるスクールもあれば、総額50万円以上掛かるスクールもあります。

講義の回数の多い・少ないや、講義の内容によっても金額は変わってきます。

無料スクールもある

昨今は、ネットワークエンジニアについて無料で学べるスクールも増えてきています。

さらに、無料であるにもかかわらず「数百時間もの豊富な講座が受講できる」、「企業の就職斡旋やカウンセリングしてくれる」といった手厚いサービスを用意しているスクールもあります。

ネットワークエンジニアに必要な学歴は?

大手IT企業の場合は、高卒や専門学校卒では応募できない会社もあるため、大手志望の人であれば4年制大学に進んでおくのが賢明です。

一方、中小IT企業やベンチャーIT企業の場合は、専門学校卒や短大卒も対象に含まれることが多いです。

なかには学歴は一切関係なしで、高卒者や中卒者を募集する会社もあります。

本当に意欲的でさえあれば、IT業界において学歴はそれほど重要ではありません。

ネットワークエンジニアの学校選びのポイントは?

「大手IT企業に就職したい」もしくは「ネットワークエンジニアに関心はあるけれどまだ将来については漠然としており、違う道に進むかもしれない」といった人であれば、4年制大学で学ぶのがおすすめです。

一方、「大手や中小はあまり重要ではない」「学歴よりも実践的なスキルが学びたい」「大学に4年間通うのは時間や資金的に厳しい」といった人であれば、専門学校やスクールも選択肢となってきます。

さらにいえば、昨今は大学全入時代にもなってきているため、とくに大きなこだわりや問題がなければ、4年制大学に進むのが賢明といえます。

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ネットワークエンジニアに向いている人

常に学んでいく姿勢がある

IT業界では技術の入れ替えサイクルが早く、数年後にはまったく新しい技術が普及していることもあります。

ネットワークエンジニアとして働く上では、常に新しい技術を学んでいかなくてはなりません。

自身のエンジニアとしての市場価値を維持するには、家に帰った後やオフの日などにも自主的な勉強が必要になることもあります。

したがって常に新しいものを吸収したいという意志があり、勉強や学ぶことが嫌いでない人が、ネットワークエンジニアに向いているといえるでしょう。

コミュニケーション力がある

ネットワークエンジニアは、ミーティングで議論したり、他のメンバーと協力して機器のセットアップ作業をしたりもするため、なにかと周囲の人間と対話する機会の多い職種でもあります。

このため、周囲とうまく仕事を進められる「コミュニケーション力」や「協調性」が必要不可欠であり、そのような能力の高い人が向いています。

接客業のように笑顔を振りまきお客さまに気に入られるようなコミュニケーション力というよりも、しっかりと意見を出し合い、問題解決へ向けた対話のできるコミュニケーション力が求められてきます。

論理的思考力がある

ネットワークエンジニアとして働く上で、「論理的思考力」や「ロジカルシンキング」といった力が重要になってきます。

とくに設計や障害対応などの仕事を担当する場合、論理的思考力は必要不可欠です。

普段から物事を筋道立てて考え、論理的に考えられる性格の人は、ネットワークエンジニアやIT業界に向いています。

一方で、物事を論理的ではなく直感的に捉える人、感性的な目線で考える人の場合は、ネットワークエンジニアの仕事は少々不向きといえるでしょう。

ネットワークエンジニアに向いている人・適性・必要なスキル

ネットワークエンジニアのキャリアプラン・キャリアパス

一人前になるまでのキャリアパス

ネットワークエンジニアの場合、新入社員で入社後2~3年の間は下積みの勉強期間です。

まずは先輩社員などとペアを組み、先輩社員のOJT指導を受けながら実務を学んでいきます。

また、最初のうち運用や監視といった下流の仕事からスタートし、スキルアップするにつれて構築、そして設計といった上流の仕事に携わっていく流れが一般的です。

そうやっておおむね2~3年目が過ぎると「新人」の期間が終わり、晴れて一人前のネットワークエンジニアとなります。

一人前になったあとに必要な努力

入社後2~3年が過ぎ一人前のネットワークエンジニアになったとしても、まだまだ周囲のベテランエンジニアからスタートラインに立っただけに過ぎません。

一人前になった後も、主に次のような努力をし、自分の価値を引き続き高めていく必要があります。

・さまざまな工程にチャレンジし、経験の幅を広げる
・チームのサブリーダーなどを経験し、人を纏める経験も積む
・部署のコスト管理や後輩の指導など、自社業務の経験も積む
・最新のネットワーク技術やネットワーク機器の知識を身につける
・ネットワーク関連の難解資格を取得する

など。

IT業界では覚えることが無数にあり、設計・構築・運用・保守すべての工程を担当できるネットワークエンジニアになるためには、5年から10年と長い年月が必要となります。

その先のキャリアプラン

経験やスキルを磨き、入社10年目以上になると、さまざまなキャリアプランが描けるようになってきます。

ネットワークエンジニアのキャリアパスの例としては、次のようなものがあります。

・チームリーダーやプロジェクトリーダーなど、現場で取りまとめる立場のエンジニアとなる
・現場の第一線からは遠ざかり、自社部署の管理業務や部下の育成など、社内管理職に移行する
・専門分野を深め、スペシャリストのベテランエンジニアとして、いつまでも現役で活躍する
・独立し、フリーランスのエンジニアとして活躍する
・ネットワークエンジニアの経験を活かせる異業種に転職する

など、多様です。

一次請けとなる大手IT企業に入社した場合は、プロジェクトリーダーのさらに上となる「プロジェクトマネージャー」など、プロジェクト全体を統括する立場に任命されることが多いです。

ネットワークエンジニアを目指せる年齢は?

何歳までであれば未経験でも目指せるのか

20代であれば、未経験者でも積極的に採用しているIT企業が多いことから、比較的簡単にネットワークエンジニアを目指せます。

30代になると、20代のときよりは対象となる求人が減りますが、IT業界は慢性的な人手不足に陥っていることもあり、他業界に比べると未経験でもチャレンジしやすい環境が用意されています。

40代以上での未経験募集は稀になってきますが、人の集まらない中小IT企業では、経験・年齢一切関係なく募集しているところもあります。

年齢制限のある職種ではないため、採用してくれる会社さえあれば、何歳であっても目指せます。

ただし未経験で大手IT企業を狙う場合は、基本的には新卒の学生や20代の第2新卒に限られてくると考えておいたほうがよいでしょう。

高卒でも目指せるのか

大手IT企業の場合は、学歴は4年制大学卒・専門学校卒以上を対象にしている会社が多いため、高卒では不利になりやすいです。

一方、中小IT企業やベンチャーIT企業であれば、さほど学歴は重視していない会社が多く、高卒でも採用される可能性は十分あります。

女性でもネットワークエンジニアになれる?

ネットワークエンジニアは、力仕事のように性別の差がでる仕事ではないため、女性でも問題なく目指せます。

比率的には男性の多い職種ですが、女性のネットワークエンジニアも一定数います。

昨今は女性のエンジニアがリーダー職に任命されることも珍しくありませんし、育児休暇などの福利厚生が充実したIT企業も増えてきています。

ひと昔前よりも、女性にとって働きやすい職場環境が整っています。

女性のネットワークエンジニアのキャリアパス・結婚後の生活

ネットワークエンジニアを目指すのにプログラミングや英語力は必要?

プログラミング言語は覚える必要がある?

IT開発の現場において、プログラミングは基本的にはプログラマーチームが担当するため、ネットワークエンジニアが業務でプログラミングを行うことはほとんどありません。

したがって、プログラミングやコンピュータ言語の知識は、ネットワークエンジニアになる上では必須ではありません。

ただしプログラマーチームと連携する際などに、プログラミングやコンピュータ言語の理解があればよりコミュニケーションがスムーズになることから、覚えておいて損はありません。

英語力は必要?

ネットワーク機器やネットワーク管理ソフトなどは海外製の製品も多く、マニュアルや操作画面が英語表記になっているケースが多いです。

実際に、英語で書かれたネットワーク関連の技術書を読まなければならない機会もあります。

ネットワークエンジニアになる上で、英語の読解力はある程度あったほうがよいですが、スピーキング力やリスニング力はあまり必要ではありません。

プロジェクト内に外国人エンジニアが混ざらない限り、英語で会話する機会はほとんどないため、英語を話せなくても問題ない場合が多いです。

ネットワークエンジニアの雇用形態

ネットワークエンジニアの雇用形態としては、主に次のようなものが挙げられます。

・正社員
・派遣社員
・アルバイト・パート
・フリーランス

ネットワークエンジニアの場合は正社員として働く形が多数派となり、求人も正社員を求めるものが多いです。

派遣社員やアルバイト・パートは、正社員から比べると少数派にはなりますが、こちらも働く人は一定数います。

派遣社員やアルバイト・パートから技術を積んで正社員を目指す人もいれば、プロフェッショナルでありながら副業として片手間にアルバイト・パートする人もおり、さまざまです。

また、最近増えてきているのがフリーランスのネットワークエンジニアです。

「働き方改革」の影響もあってワークスタイルの多様化が進んでおり、フリーランスエンジニア向けのサービスも充実してきました。

今後はフリーランスの割合が、より増えるとも予想されています。

正社員のネットワークエンジニア

正社員のネットワークエンジニアは、将来の育成を前提として採用されるのが基本です。

5年後や10年後は、いち作業担当ではなく、チームやプロジェクトをマネジメントする側のポジションにシフトしていくケースが多いです。

正社員のメリットは、その収入や待遇です。

正社員は経験年数とともに給料水準が上がっていくのが基本であり、加えて「ボーナス」「通勤手当」「住宅手当」「資格取得のサポート」「退職金」など、さまざまな福利厚生の恩恵が受けられます。

また、IT業界ではよほどのことがない限り正社員のエンジニアを解雇することはありませんので、安定して長く勤められるというのも正社員のメリットです。

一方で正社員のデメリットとなるのは、仕事がハードになりやすいことです。

正社員のネットワークエンジニアは任される仕事量も多く、かつ責任の重い仕事を担当します。

派遣社員やアルバイト・パートのエンジニアが退社した後も、一人自社業務に励まないといけないこともあります。

会社側からも資格の取得やリーダー講習などを命じられ、常に自分を高めなければならないプレッシャーも大きなものとなります。

派遣社員のネットワークエンジニア

派遣社員の場合は、基本的には非正規の一時的な雇用となります。

派遣先のIT企業は、あくまで一時的な人手として派遣社員を迎え入れており、将来の育成は前提としていません。

派遣社員のメリットは、気楽に働けることです。

派遣社員のネットワークエンジニアは、正社員のように責任あるポジションを任される事が少なく、指示を受けながら作業するのが基本です。

また担当する工程も、保守作業や監視作業などの「下流工程」を担当することが多くなります。

残業時間は正社員に比べれば少なく、スキルアップを会社から強制されることもありません。

また「派遣契約」というのは一定期間で更新する・しないを選べるため、派遣期間が満了したら、仕事を辞めることも比較的簡単です。

一方で派遣社員のデメリットとなるのは、将来性です。

給料水準は正社員に比べると低く、正社員のように定年まで雇用されるわけではありません。

また、派遣社員の場合は、要件定義や基本設計などの「上流工程」に携われる機会が乏しく、ネットワークエンジニアとしてのスキルがなかなか伸びにくいという欠点もあります。

学校を出てまもない若い新入社員であれば、正社員、派遣社員どちらであっても仕事内容、待遇ともにさほど差はありません。

しかし将来性を考えると派遣社員は不安な部分も出てきます。

アルバイト・パートのネットワークエンジニア

アルバイト・パートは派遣社員と似ています。

アルバイト・パートも非正規の一時的な雇用となりますが、職場となるIT企業から直接雇用されているというのが派遣社員との大きな違いです。

アルバイト・パートのメリットは、派遣社員と同様に、あまり会社に縛られることなく働けることです。

アルバイト・パートの場合も、保守作業や監視作業などの「下流工程」を担当することが多く、さほど責任ある仕事は任されません。

自分の都合で簡単に仕事を辞めやすく、それで職歴が汚れるわけでもないため、気楽に働けると感じる人が多いです。

なお、アルバイト・パートは正社員と同じく直接雇用となるため、派遣社員のようによそよそしく扱われないことが多く、交通費などが雇用先から支給されるのもメリットです。

一方で、アルバイト・パートのデメリットとなるのは、こちらも派遣社員と同様に将来性といえるでしょう。

アルバイト・パートの場合も定年まで雇用されるわけでなく、ネットワークエンジニアとしてのスキルもなかなか伸ばしにくいです。

さらにアルバイト・パートは、派遣社員よりも一回り時給が下がるのが基本です。

アルバイト・パートのネットワークエンジニアとして、何年、何十年も働いていくのは現実的ではなく、あくまで一時的な労働として考えるのが賢明です。

フリーランスのネットワークエンジニア

フリーランスの場合、会社(クライアント)とは雇用契約ではなく、請負契約を結んで仕事を行います。

前述した正社員、派遣社員、アルバイト・パートのように雇用される会社がないため、働き方がガラリと変わります。

フリーランスのメリットとなるのは、収入面です。

フリーランスの場合、給料(報酬)の額や業務内容等については自ら決めて交渉できるため、大きな案件に携われれば、月収100万円以上を得るチャンスもあります。

人によっては正社員時代の2倍、3倍の収入を得ることもできますので、その青天井の収入が大きな魅力となってきます。

また、一つの案件が終わったら、次はまったく別の会社の案件に関わるなど、比較的自由にIT業界を渡り歩けるのも魅力でしょう。

フリーランスのデメリットは、収入が不安定であることです。

フリーランスは完全な実力主義の世界となるため、経験やスキルが乏しいとまったく仕事が得られず、収入が0円となることもあり得ます。

IT業界にも波があり、不景気で仕事が減っている時期は、たとえ実力のあるフリーランスであっても収入が下がることもあります。

さらに、会社員のような「福利厚生」はもちろんなく、健康保険なども自分で加入しなければなりません。

身体を崩したり大病を患えば、その時点で仕事はストップし収入も止まります。

フリーランスは夢もありますが、その分不安定でリスキーな部分もあります。