マンション管理人の需要・現状と将来性

マンションの需要と現状

全国のマンション需要を知るための指標として、全国の世帯数に占める分譲マンションの割合を示した「マンション化率」というデータがあります。

民間リサーチ会社の統計によると、昨今のマンション化率は上昇し続けており、全国平均は12%~13%前後で推移しています。

これは、仕事や生活の利便性を求めて、土地の少ない都心エリアに人口が集中していることがおもな要因です。

東京都のマンション化率は実に25%超という高水準に達していますし、神奈川県や大阪府といった大都市も軒並み20%前後です。

晩婚化や少子化、高齢化などで、子どものいない夫婦二人だけの世帯や単身世帯が増加し、相対的に戸建て住宅の需要が落ち込んでいる影響もあると思われます。

日本の人口は2009年をピークとして減少局面に転じていますが、そうしたなかにあっても、マンションは一定以上の需要を保っているのが現状です。

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マンション管理人の需要

上述のとおり、分譲マンションは人気を博しており、新築マンションが相次いで建設されていますので、マンション管理のマーケットも拡大傾向にあります。

新築だけでなく、中古マンションも人気ですし、賃貸マンションの入居率もおおむね堅調です。

こうした結果、マンション管理人の需要も非常に高い状態が続いており、少し求人サイトを検索してみるだけで、簡単に募集を見つけることができるでしょう。

ただし、需要が高いのは、あくまで都市部に限った話であり、マンションそのものが少ない地方エリアの求人はかなり少なめです。

福岡や広島といった地方を代表する大都市でも、マンション化率が10%前後しかないことを考えると、マンション管理人として地方で就職することは決して簡単ではありません。

マンション管理人の需要は、地域格差が非常に大きい点が特徴的といえるでしょう。

マンション管理人の将来性

今後についても、当面は高いマンション人気が続く見通しであり、マンション管理人の需要も引き続き底堅く推移すると思われます。

掃き掃除や拭き掃除などの清掃作業をはじめ、受付や点検、巡回など、一人でさまざまな作業を請け負うマンション管理人の仕事は、機械などで代替される可能性もあまりありません。

掃除などの単純作業は機械の得意とするところですが、それらすべてを機械化すると、かえってコスト的にデメリットが大きく、結局のところ管理人を一人雇うほうがはるかに経済的です。

マンションのなかには、24時間のセキュリティシステムを導入したりして、一部業務を無人化しているところもありますが、それでもマンション管理人の需要がなくなることはないでしょう。

住人としても、何かあったときに臨機応変に対応してもらえる管理人がいるほうが何かと安心であり、マンション管理人の将来性はかなり明るいといえます。

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マンション管理人の今後の活躍の場

現状でも、マンション管理人は、「お客さま」である入居者が快適に暮らせるように、かなり幅広い業務を手掛けています。

いうなれば、あえてスペシャリストにならない柔軟さが、マンション管理人の強みです。

したがって、これからさらに仕事の範囲が拡大して、何らかの専門スキルが求められるようになったり、役割が大きく変化したりといったことは考えにくいでしょう。

入居者のため、臨機応変にあらゆるお世話をするというマンション管理人の活躍の仕方は、今後も不変であると思われます。

ただし、高齢化が急速に進んでいくことを考えると、たとえばお年寄りの入居者の代わりに荷物を運んだり、階段を上るのを手伝うなど、介護に近い仕事が増えていく可能性は高いでしょう。

また、仕事内容は同じでも、近年は定年退職年齢の引き上げや企業の再雇用などによって、管理人の人手不足が深刻化していますので、給料などの待遇面は改善されていくかもしれません。