検察事務官になるには? 必要な資格や学歴はある?
検察事務官になるまでの道のり
検察事務官になるために必須な資格はありません。
司法試験のような資格試験を受ける必要はありませんが、国家公務員として働くため国家公務員採用一般職試験の大卒程度試験か高卒者試験に合格する必要があります。
受験資格は大学卒業か高校卒業なので、どちらかの学校を卒業するのが代表的なルートです。
大卒程度試験の受験資格
・卒業後30歳未満
・在学中の人は3月までに大学を卒業見込みの人(例えば2019年度採用試験を受ける場合、2020年3月までに卒業見込み)
・人事院が上記と同等の資格があると認めた人
高卒者試験の受験資格
・高等学校または中等教育学校を卒業後2年を経過しない人(例えば2019年度採用試験を受ける場合、2017年4月1日以降に卒業した人)
・在学中の人は3月までに高等学校または中等教育学校を卒業見込みの人
・人事院が上記と同等の資格があると判断した人
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検察事務官の資格・難易度
検察事務官の採用倍率と国家公務員一般職試験(区分:行政、事務)の合格率
検察事務官になるために必要な資格はないため、何はともあれ国家公務員採用一般職試験に合格しなければいけません。
日本でもトップクラスの難易度を誇る司法試験に比べれば難易度は下がりますが、国家公務員という安定さを求めてか、採用倍率は毎年5倍程度を維持しています。
決して簡単に合格できるわけではないため、しっかりと公務員試験対策を講じた上で試験に挑むことをおすすめします。
2019年度の合格率を参考までに記載すると、大卒程度試験(区分:行政)は申込者25088人に対し、最終合格者は5675人で合格率約23%、高卒者試験(区分:事務)は申込者13797人に対し、最終合格者は2305人で合格率約17%です。
2019年の国家公務員採用一般職試験の全体合格率
上記は検察事務官になるための区分(行政や事務)に限った合格率ですが、国家公務員採用一般職試験の全体の合格率も参考として紹介します。
国家公務員採用一般職試験の大卒程度試験の全体申し込みは29,893人で、最終合格者は7,605人となっており合格率は約25%でした。
高卒者試験の全体申し込みは15,338人で、最終合格者は3,037人となっており合格率は約20%という結果になっています。
大卒程度試験も、高卒者試験も、国家公務員採用一般職試験でも、「区分:行政」「区分:」事務」の方が、同試験の全体より、やや厳しい合格率となっていることがわかります。
検察事務官になるための学校の種類
検察事務官になるために必要な資格はないため、高校にしろ大学にしろ専門課程は問わないため、在学中に検察事務官を目指すことを決めてもまったく遅くありません。
さらに国家公務員という抜群の安定を得られる職種であるため、近年人気が高まっているのでしょう。
何度か記しているように、検察事務官になるには国家公務員採用一般職試験の大卒程度試験か高卒者試験に合格するのが必須条件です。
倍率も高めの検察事務官ですのでしっかり対策をしたい人は公務員試験対策コースのあるスクールに通ったり、通信講座を受講したりしてもよいでしょう。
費用は受講する講座などによりますが、数十万円が一つの目安のようです。
決して安いとはいえませんので、受験勉強同様に書店などで参考書を購入して自力で学習するのも方法でしょう。
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検察事務官に向いている人
柔軟性のある人
検察事務官は異動が多く、特に若手の時は2~3年の頻度で異動を行います。
3つある部門(捜査・公判部門、検務部門、事務局部門)はそれぞれまったく違う業務であるため異動のたびに頭を切り替えも必要です。
対人関係においても柔軟性を持たなければスムーズに仕事は進まないでしょう。
誰かを支えることが好きな人
検察事務官の代表的な仕事は検察官をサポートすることです。
検察官と二人三脚で事件解決にあたり、業務をスムーズに進めるために取り調べや捜査、事務処理や書類作成などに尽力します。
そうした裏方仕事にやりがいを持てる人は検察事務官に向いているでしょう。
コミュニケーションスキルが高い人
常に誰かと協力して仕事を進めるため、コミュニケーション力はとても重要です。
検察官や検察事務官の同僚、時には警察関係者とチームを組んで事件解決にあたる場合もあります。
事務局部門では直接事件に関わりませんが、総務業務も行うため検察庁の人たちとは常に関わるためコミュニケーション力は生かせるでしょう。
検察事務官のキャリアプラン・キャリアパス
検察事務官のキャリアプランとしてまず考えられるのは、検察事務官としての職位を上げていきその道を極める場合と、一定期間の経験を積み副検事を目指す場合です。
検察事務官としての職位を上げる場合、大卒程度試験の合格者は1年程度、高卒者試験の合格者は5年程度務めることで「公安職(二)」という区分になり、給与水準も上がります。
「公安職(二)」になることが検察事務官として一人前になった証といえるかもしれません。
副検事を目指す場合ですが、まずは検察事務官を3年経験することが前提です。
その後、副検事選考試験に合格すれば副検事として働けるようになり、検察官同様の働き方ができます。
検察事務官は女性でもなれる?
検察事務官は当然女性でもなれます。
大卒程度試験(区分:行政)の最終合格者が5675名に対し2380名が女性で、高卒者試験(区分:事務)の最終合格者が2305名に対し955名が女性で、両方とも40%以上の割合を占めています。
採用を担当する人事院でも女性のワークライフバランスに力を入れており、女性向けのセミナーや講演会などを通して公務員として働く魅力を伝えています。
育児と仕事を両立するための制度も整っており、多くの女性が検察事務官として活躍しています。