児童指導員のつらいこと・大変なこと・苦労
児童指導員のつらいこと・大変なこと
労働時間が長い
施設にもよりますが、児童指導員は労働時間が長いケースが目立ちます。
子ども相手の仕事は予期せぬトラブルの連続であり、さまざまな作業や突発的な問題に対処しなければならないことが多いため、どうしても残業時間が長引きやすい傾向です。
また、児童福祉施設の多くは経済的に数多くのスタッフを雇用する余力がないため、施設を利用する子どもたちの数に対してスタッフが不足し、一人当たりの仕事量が多くなっているケースも珍しくありません。
とくに、児童養護施設をはじめとした入所形式の施設では、夜勤が明けても仕事が終わらず、ろくに睡眠も取れないまま長時間の残業に追われることもあるようです。
シフト勤務の施設では、元から勤務時間は日によってばらばらであるうえ、日々の残業時間もかさみがちであり、児童指導員の体力的な負担は非常に重いといえます。
雇用条件が悪い
児童指導員は、社会から必要とされる重要な役割を担った職業である一方、給料などの待遇面については、決して恵まれているとはいえません。
正規職員であっても年収は300万円前後が相場とされており、また能力が給料に反映されるケースも少ないため、長年同じ施設に勤めてキャリアを重ねても、昇給するペースは非常に緩慢です。
さらに正規職員の募集は限定的であり、児童指導員の求人の多くはパートやアルバイト、契約社員といった非正規雇用です。
課せられる責任の重さ、拘束時間の長さの割に、低賃金であったり雇用形態が不安定であったりする点は、児童指導員という職業が抱える大きな問題といえます。
独身ならまだしも、結婚して家庭をもっている人にとっては厳しい雇用条件といわざるを得ません。
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児童指導員の悩み
児童指導員の誰もが多かれ少なかれ悩むのが、子どもとの人間関係です。
子どもによっては、親元から引き離されたことで精神的に不安定になるケースや、まったく児童指導員に心を許さず、ろくにコミュニケーションさえ取れないケースも珍しくありません。
なかには、児童指導員に対して暴言を吐いたり、暴力を振るったりする子どももおり、さらにひどくなるど学校などの施設の外部で事件を起こし、警察沙汰になるケースもあります。
そうした場合であっても、優しさと忍耐力をもって辛抱強く子どもと向き合うことが求められますが、どうつきあったらいいかわからず、途方に暮れることもあるでしょう。
さらに、子どもの保護者のなかには児童指導員に対して無理難題を押しつけてくる、いわゆる「モンスターペアレント」もおり、子どもだけでなく、その親との人間関係に苦慮するケースも見受けられます。
児童指導員を辞める理由で多いものは?
児童指導員は、上述したように拘束時間が長く、人間関係のストレスも抱えやすいため、肉体的にも精神的にもハードな職業です。
その一方で、給料などの経済的なメリットは薄く、本当に子どもが好きな人でないとなかなか続けることが難しい仕事であり、離職率は決して低くはありません。
児童指導員を辞める理由はさまざまであり、子どもとのコミュニケーションに苦しみ無力さやつらさを感じて辞めてしまう人もいれば、残業の多さに疲弊して辞める人、経済的な事情で辞める人もいます。
施設のなかには、なかなかスタッフが定着しないために慢性期な人手不足となり、残された一部の古参スタッフに重い負担がのしかかってしまっているケースも散見されます。
そうした状況を改善するため、政府は児童指導員の配置人数に応じた報酬加算制度を新たに設けたりしていますが、施設の収入が増えても、なかなか各スタッフの給料アップまで繋がっていないのが実状です。
施設の経営者に対して、処遇改善加算分をスタッフの給料に充てることを義務化するなど、今後さらに法整備を進めていくことが期待されます。